更新情報を兼ねた 情報公開ものがたり 日誌・2004

2003年までの日誌2005年(新年)の日誌



◆情報公開をキーワードに様々な問題を掲載し、一定のテーマにまとまれば別ページに掲載している。

index (更新日をクリックして飛んで下さい)

2004.1/31 2/2 2/4 2/16  2/25 4/1 4/10 4/27 4/29 5/1 5/11 5/12 5/18 
5/21 6/3 6/13 6/16 6/18 6/21 6/25 7/13 7/19 8/1 8/3 8/6 8/12 8/23 
8/29 9/7 9/17 9/23 10/3 10/4 10/6 10/17 11/18 11/21 12/6 12/15 12/17 
12/21 12/24    

◆一番上が最新文書です。

―――2004.12.24(金)―――
クリスマスイブとイエス一家のこと
世の中、クリスマスで大騒ぎの様子。メリークリスマス!が飛び交い、知人からもメールがやってくる。
クリスマスになると思い出すことがある。イエスでもマリアのことでもない。マリアの夫・ヨセフのこと。
イエスが生まれてまもなく、一家は迫害ゆえに放浪を余儀なくされるが、一家を支えたのがヨセフ。聖書にもほとんど登場しないから、語る人はいないのだが、イエスとマリアが生き延びたのはヨセフの存在があってこそ。
昨年秋、カトリック教会の司祭と知り合いになり、何度か世の中の様々なことで話をする機会があった。会うのはいつも妙な場所・カラオケ喫茶だった。どちらにとっても「仕事の場」の接点だったから遊んでいたわけではない。彼は長年、毎日新聞の記者をし、その後伝道の道に入ったという。その彼が、この夏、突然死去。脳梗塞。忘れられない出合いの人でもあった。上松 興 氏である。
この司祭の説教はこちら。
 ◆脇役に徹したヨセフ http://nskk.org/kyoto/kanazawa/sekyou.doc

第3回市民参画推進条例検討会
27日(月)の3時半から開かれるのだが、市のホームページに記者発表もない。こういう姿勢で市民へ市政参画を呼びかけるのはいかがなものか。傍聴は可。
問い合わせは、
  金沢市都市民生活部広報広聴課
  TEL 076(220)2033 FAX 076(220)2030
  E-mail kouhou@city.kanazawa.ishikawa.jp


―――2004.12.21(火)―――
市民フォーラムのこと
19日に開かれた「市民参画推進市民フォーラム」へ行って来た。なんと言いましょうか…、市民参画を実際に実践しているグループの「事例発表会」というもの、肝心の条例そのもののついての議論がどなたからも出てこない。
「私らはこんなに頑張って市民参画を推進している」ということなのだが、現状でもこんなにやっているのなら、改めて「条例」をつくる必要がないのではないか――。疑問が数々。これは自己矛盾ってことだろう。
事前にお粗末なフォーラムが予想されたので、これまで傍聴に参加してきた「責任(?)」もあり、傍聴者が連名で要望書を提出し、資料としてもらった。
フォーラムの最後30分、会場との意見交換の場で、提出した資料を簡単に説明。
会場から「なぜ急いで制定するのかわからない」とか、「制定前と制定後に、どう変わるのか具体的に教えて欲しい」などの意見も出された。
議論することもなく、淡々と時間切れ。次回の検討会で議論したいという主催者からのまとめ。
【◆要望書などはこちらに紹介】
次回、第3回検討委員会は、12月27日である。

内灘町で情報公開条例が制定された
遅れに遅れ、内灘町の9月議会で情報公開条例がようやく制定された。公開にはかなり制限があり、議会では「実質非公開条例ではないのか」との批判も出され、3名が反対に回った。来年4月施行である。
【◆条例本文/こちらに紹介】


―――2004.12.17(金)―――
市民参画推進条例をつくるんだって
市が大急ぎで条例制定を進めようとしている「市民参画推進条例」。そんなに急いで何を推進するのだろうか? 【◆基礎資料などはこちらに紹介】
19日、市と検討会が、市民向けのフォーラムを開く。フォーラムや今後の検討会に対して現在、意見をまとめている。【◆フォーラムの詳細はこちらへ】

河川整備、シティゲートで妙な質疑
金沢市議会の土木建設常任委員会記録(平成16年11月2日(火))が公表されている。台風23号の様子や犀川の整備計画、あるいは駅前整備についての質疑応答がある。質問も答弁も基礎資料に基づいていないので、茶飲み話といった雰囲気に思える。【◆こちらへ/土木建設常任委員会記録】
金沢駅前整備についての問答だが――。
質問者である複数の議員がこの駅東広場の姿に疑問を投げかけているのだが、整備の決定に議員として関わっている自覚がなく、まったく他人事のように質問しているのがおかしい。奇妙である。
執行部の答弁も、市民や観光客が奇異と感じている感覚を解説板で溶こうとしていることがどうもいただけない。ご本人たちも「困った姿になったものだなあ」と思っているに違いない。これこそまさに奇異。駅前の姿は「パンティドーム」や「鬼の大股開き」という表現がピッタリなのだが、資料に基づいたもっと本音の質疑を望みたいものだ。こうした質疑を見る度にも思う、ああ、◆いやーね金沢


―――2004.12.15(水)―――
台風23号のもたらしたもの
10月19日、20日、21日と超大型台風が各地に被害をもたらした。石川県は幸いにも白山が壁となって進路が変えられ直撃をまぬがれた。
しかし石川県の河川情報システムの数字を見ると、各地で注意水位や警戒水位を超えていた。しかし行政からの住民への注意や指示等はまったくなされていない。一級河川梯川の河口付近では洪水注意報が出されていたのだが。
この台風がもたらした大雨で河川の水位はどうだったのか。当時記録した河川のデータをまとめてみた。
この石川県河川情報システムの保存データはインターネットで調べられないため、雨量、水位、流量を情報公開請求してある。
浅野川ではかなりの水位があり、危険度Aランクの昌永町付近を後日観察し、住民の方にも話を聞いた。【◆こちらのファイルに紹介】

国交省緊急アクションプラン
12月10日国交省河川計画課は、資本整備審議会河川分科会の提言を受け、緊急的に対応すべき事項について具体的な行動計画「豪雨災害対策緊急アクションプラン」をまとめ、各県にも通知している。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/05/051210_.html


―――2004.12.6(月)―――
城南・菊川地区で、住民団体結成へ
昨日、講師を頼まれて勉強会に参加した。会場は城南にある白山神社。
この神社は、明治時代2度の大きな洪水に見舞われ、明治18年の洪水で現在の地まで流されここに新しく再建されたものだ。犀川の水害を語る上で象徴的な神社でもある。
この会合は、地元の方々が「水害のない安全なまちをつくる城南・菊川の会」を結成するための準備会だった。40名以上の方が参加された真剣なものだった。
老朽堤防の近くに住む方から「堤防の中は、棒を突き刺すとスッと入ってガランドウになっている。心配だ」と訴えられ、参加者から驚きの声があがった。
県へ直接手紙や電話で問い合わせた方が何人もおられ、職員とのやりとりを紹介された。職員からは「ここは大丈夫です。安全です。心配いりません」という説明がされたようである。この県職員の対応は、石川テレビの番組で高野河川課長が「これまで支障はなかった」という言葉と符合する。
会合では「住民へのよびかけ」や「県知事への要請書」などを確認し、正式な会の発足を目指して力を合わせることを申し合わせた。
「住民へのよびかけ」を紹介】
この危険度最高ランクの地で挙がった住民の声は、犀川の河川整備の歴史に新しいページを作るはずである。期待したい。


―――2004.11.21(日)―――
情報整理/ページ新設
1カ月あまり、ずっと更新できずにいたが、この間、さまざまことがあった。とりあえず、この情報公開日誌に載せてきたものをもとに、少し整理し、新しいページを作ったりした。
主なものは、「新潟・福井水害関連」「河川整備の基礎(堤防や遊水池)」についてのページや関連情報。

犀川水系流域委員会が終り、石川県へ提言として提出されるが、この検討などは、後日としよう。この内容には今年の気象、新潟・福井水害などと密接にからんだ問題が含まれていて、石川県から御用を仰せつかる学識・有識者の姿勢とも対峙することになる。

ここでも、「たんなる思いや希望だけ」では公共事業を推進する巨大な力には対抗できないことを思い知る。本ホームページをつくるきっかけになった「公文書をして語らせる」という姿勢がより必要なことになろう。


―――2004.11.18(金)―――
石川テレビ「犀川が危ない」再放送決定!
◆11月22日(月) 午後3:05〜 ◆録画コードは 1536735
なお、この番組は、石川テレビ放送として外部委員による審議会の中で評価を行ない、一部が公開されている。
【◆石川テレビ放送番組審議会へ】

衝撃事実! 昭和36年の片町水害は人災だった!
第二室戸台風によって発生した金沢中心部・片町の水害は県の調査で「人災」だったことがわかりました。
この水害は、現・伊藤病院前の堤防が崩れ、片町一帯が浸水、床上浸水約1,000戸、床下浸水約500戸という甚大な被害が発生したもので、以後の犀川の河川整備の出発となったものである。
【◆詳細は、こちらへ続く】

石川県内の堤防危険箇所は306箇所もあった

9月27日に国交省と県から発表された県内堤防緊急点検の結果は、全部で11箇所、犀川ではふしぎなことに2箇所しかなかった。このうち1箇所は低水護岸。10mに亀裂が入っているという。低水護岸は壊れても流下能力が高まるだけで、水害にはならない。
すでに県水防計画に危険箇所として指定されている最高の危険度Aランクの箇所も含まれていない。これはおかしいではないか! 調査関連資料(簿冊全部!)を請求した。
先日、県内土木工事事務所から本庁河川課に提出された集計票が公開された。この資料をみると、県内の管理河川で危険箇所はなんと総計306箇所もあったのだ。
国交省に報告した11箇所は「補修計画があるところ」で、他は計画がないから報告していない、と説明を受けた。他の箇所は、この集計票でも深刻なものがあります。
 ・堤防前面の河床の洗掘
 ・法崩れの実績あり
 ・堤防天端高の不足
 ・水衝部であり、洗掘の恐れがある
 ・提体が浸透しやすい土砂である
 ・漏水の実績がある
 ・護岸張りのブロックの変状
 ・護岸コンクリートに空隙
 ・空石積護岸のはらみ
 ・矢板護岸の沈下
 ・漏水のおそれあり
 ・橋梁取付張ブロックが沈下している
 ・ブロック積工背面が吸い出しにより空洞化

このおかしな発表は、国交省の指示だとのことである。この指示も別途公開された。
これらの詳細は資料整理が終わってから掲載したい。
このまま放置されて置かれるのは必至。危険はすぐ目の前にある!
(県内の河川の周辺の方で情報入手されたい方がおられましたら連絡を下さい。別途ファックスか郵便で送ります)


―――2004.10.17(日)―――
長 尚 先生からメール
ホームページに情報を掲載していると、その内容についていろいろな問い合わせがよくある。出来る限り返事を書いてきた。
15日、元信州大学教授(略歴はこちら)から「お伺いします」というメールが到着。
「批判は大歓迎ですが、勝手に相手の指摘を捻じ曲げて誤解を与えたり、根拠を示さずに非難するだけでは批判に値しないばかりか、誹謗・中傷に当ります。」とのご指摘であった。
これは、本ホームページに、ダム問題を考えるとき避けて通れない「基本高水」を考えるための資料を掲載しているが、この中に長 尚 先生の論文を「行政のカバー率採用を援護する議論」として区分して紹介したものについてのご批判だった。
これに対する「反論?」はきちんとすべきなのですが、時間がなく、先生からのメールをそのままリンク集に紹介することの了解をいただいた。
◆脱ダムを阻む「基本高水」(基本高水とカバー率を考えるためのリンク集)から「行政のカバー率採用を援護する議論」の項を見て戴きたい。

危険堤防/石川テレビ特集
小生も取材を受けた番組が放送された。
石川テレビ「アングル2004『水害は防げるか 犀川に存在した危険堤防』
放送終了後、見知らぬ方から電話があった。問題堤防をよく知る方で「日頃より危険だと思ってきた。放送を見てやっぱりそうだった」と。
   ―――◆VTR希望の方は連絡をどうぞ。
地元には、多くの疑問や危機意識が潜在的にあったのだと思う。これがなかなか表の声として出てこない。しかしこの問題はまさに命がかかった話だ。行政から情報がきちんと地元に提供されていれば、声が挙がるはずなのだが、これまで「辰巳ダムが出来れば安全になる」と県が説明し、金沢市も市長jが先頭になって推進してきた。
例えば、市長は犀川氾濫とまったく無関係の高畠地区など内水被害(都市型水害)も辰巳ダム建設で解決する、と声を大にしてきた。そのため流域の内水被害地区の町会長を固めて辰巳ダム推進のため期成同盟会などを作ってきた。これは自ら責任のある内水対策を反故にし、原因を犀川の治水対策だとする、まったく水問題を理解しない暴論なのだが、これに対して「おかしい」と声にするには金沢市特有の社会状況があって、大変な勇気がいる。


―――2004.10.6(水)―――
岡本 芳美先生から最新レポート
新潟の災害現場の視察の際、新潟大学を退官されたばかりの岡本先生に大変お世話になった。先生は河川工学の著書も多い。退官後、「岡本水文・河川研究所」を主宰され、河川管理や水害の解析研究を続けておられる。先生は元建設省の技官で全国の災害の実状に詳しい。今回の新潟豪雨の解析に最適の方だと思いました。
先生から今日ファックスが到着。「最新の情報だ」と電話も入った。ホームページに掲載することも快く承諾いただいたので、早速OCRでテキスト化し掲載した。元は縦書き。 
【◆「七・一三水害を考える」岡本 芳美】
・岡本先生の著書(検索で見つかったもの)
  「河川工学解説」工学出版
  「開水路の水理学解説」鹿島出版会
  「流出計算 MTM法 解説」亀田ブックサービス
  「緑のダム、人口のダム」亀田ブックサービス
  「技術水文学」日刊工業新聞社
・新潟大学在職中の自己紹介がホームページに残されていました。【こちらへ】

県、犀川河川整備計画の説明会を開催>10月8日(金)
河川法の手続を一歩進めたいようだ。住民に説明するというが、開催3日前に案内を出すとは、なんと姑息な……!
―――――――――――――――――――――――――――
1.日時 平成16年10月8日(金)  19:00〜20:30
2.場所 石川県立生涯学習センター2階 22号室
3.主催 県央土木総合事務所
4.内容
 河川法(昭和39年法律第167号)第16条の2第4項の規定に基づき、犀川水系に係る 河川整備計画を策定するに当たり、犀川本川及び支川の流域住民等に対して、整備計画の説明を行うものである。
5.出席者 犀川水系の流域住民等
                平成16年10月5日
                県央土木総合事務所
               (直通)076(241)8205
―――――――――――――――――――――――――――
県の記者発表はこちら↓
http://www.pref.ishikawa.jp/kisya/h16/kanri/1005.html

◆新潟の奥胎内ダム計画への意見紹介
各地で堤防問題が焦点になっている。女性パワーはすごい。三橋さんという方。新潟で地道にダム問題にとりくんでおられ、水害現場をフル回転で案内していただいた。この方、新聞の寄稿を見ると70歳とある。頭脳明晰。実に若々しい。最新の堤防をとりあげ、ダムより破堤しない堤防での河川整備を求めている。
【◆こちらに寄稿紹介】


―――2004.10.4(月)―――
9日(土) pm.2:00 石川テレビが水害特集
10月9日(土)、「アングル2004『水害は防げるか』(仮)
記者が水害から2カ月後の新潟・福井の現地を取材。関係者から広く取材し堤防破壊の原因を探り、犀川で水害が起きることを想定。大きな災害を知らない人が多い金沢市民への警告番組になるようです。
私もいろいろ取材を受けました。顔も出るのかな?(^Q^)
 【◆参考:石川テレビの番組表】

新潟・福井水害その後
 【◆新潟日報の災害特集へ】
 【◆福井新聞の水害特集へ】

城南・菊川校下で小集会
知人から電話あり。「犀川の水害が話題になっているが、この校下が危ないといっても誰もしらない。災害って地震のことばかり。詳しく教えて欲しい」と。
近く資料をもって参上。

◆水利権一問一答のページを更新
◆カバー率を考えるページ改題更新→【脱ダムを阻む「基本高水」】
◆著名なジャーナリスト・まさのあつこ氏の「ダム日誌」にナギの会が紹介


―――2004.10.3(日)―――
堤防緊急調査の結果
石川県がおこなった堤防緊急調査の詳細が、9月27日公開された。
【◆こちらに結果掲載】
これを見ると、県の治水と堤防についての認識が分かる。犀川には3箇所しか危険な所がないそうだ。話題の城南一丁目は入っていない。
元々、この堤防緊急調査を指示した国交省がどんなに旗を振っても、各県にとっては、危険箇所がたくさんあるということは、過去の河川管理に問題があるということだから、正直には報告できないことである。
国交省の発表では、全国の都道府県管轄の河川905箇所が問題ありとのことだが、新潟県は半数近い。この県、危険な堤防をたくさんリストアップして、国交省から優先的に予算を配分してもらおうというこんたんがあるかもしれない。あるいは、どうせ災害になったのだから、恥はかきすて?で「真面目に報告」したのかも?他県は「不真面目に報告」ってことかも? 石川県の報告を見るとそのようだ。


―――2004.9.23(木)―――
新潟再訪
なぜ二つのダムがあるのに五十嵐川が氾濫したのか?
一つのダムが満杯になり、ダム決壊を避けるための緊急放流を実施。しかしもう一つのダムはかなりの余裕があるのに放流していた。この放流がなければ堤防は決壊しなかった。このダムは穴あきダムでゲート操作ができなかった。後日報告。

緊急堤防調査資料が公開
27日、緊急堤防調査資料が公開されることになった。

河川協議書が公開
廃棄したはずの「河川協議書」が存在していた! この不思議な話は資料を見てから報告。

「金澤古蹟志」を追加更新
「金繹古蹟志第十六」城南片町傳馬町筋の資料を追加更新した。【◆こちら】


―――2004.9.17(金)―――
堤防補強が全国でテーマになっている
各地のダム論議の中で、堤防問題が大きく取り上げられている。ダムを作っても計画を超える降雨があることは常識。ダムが一番安く、最大の治水対策だと過去の河川行政は、結果として治水対策を遅らせてきた。
愛媛県の山鳥坂ダム問題にとりくむ団体が、県や国交省に要請をしている内容をみても、ダムを作るより堤防の補強が最大の治水対策だと訴えている。内容が犀川の河川整備と非常に似ている。
【◆こちらに紹介】

堤防の緊急調査は?
来週、国交省から指示された、堤防の緊急点検についての資料が公開される。

辰巳ダムの費用対効果の数字は過大だ!
中 登史紀さんが、今年度の公共事業評価監視委員会に出された資料を精査し、「辰巳ダムによる効果が過大に見積もられており、実態と著しく乖離している」と結論。
監視委員会事務局を担当する土木部監理課へ「辰巳ダム事業評価の見直し」を要請した。【◆詳細はこちらへ】

協議書はどこへいった……?
橋を造るとき、県道なら道路建設課が、市道なら市が、河川管理者(河川課)と協議する。河川法の占用許可を受けるための協議である。その結果最終的な占用許可の処分がおこなわれる。その処分が正当であることを保証するため、協議の経過などは協議書として残される。
犀川の重要な未整備区間、鞍月用水堰〜大桑橋には、雪見橋(金沢市)と大桑橋(石川県)が最近完成した。
それぞれの占用許可資料を見ると、図面には計画高水のライン(HWL)が入っている。未整備区間にはHWLなどは決められていないはずなのだが、なぜか入っている。
県や市の担当者に聞いても、ノラリクラリと要領を得ない。協議書そのものを見るしかない。協議書は河川課と道路建設課それぞれに保管されているはずであり、それぞれの課に対して公開請求をおこなった。内容は、協議書と保管管理を示す資料。「占用許可が下りれば協議書は必要なくなり捨てた」という説明をうけたこともあるからだ。公文書を廃棄すれば、廃棄手続は保管文書ファイルに残されている。来週、金沢市にもおこなう予定。

再び新潟へ
どうしても確認する必要が出てきた。再び新潟の現地へ行くことにした。

◆「金澤古蹟志」から犀川の堤防を考える:少しずつ更新


―――2004.9.7(火)―――
新潟(長岡市、中之島町、三条市等)へ行って来た
今回の水害は、信濃川の2つの支川が氾濫を起こし、最近ではめずらしく「逃げ遅れて溺死」という「古典的水害犠牲者」を出した。それも多くは一人暮らしの老人だった。悲惨としか言いようがない。――合掌。
8月31日、土木学会が北陸豪雨災害緊急調査団速報会を行うので、これを傍聴するのとあわせて、新潟の災害現場を視察するため、中 登史紀氏と共に行って来た。
現地では、関係NPOの方々の道案内をいただき、決壊堤防〜上流ダム群まで効率的に見ることができた。
現在、資料や写真などを整理中。堤防問題や河川整備、ダムと水害について問題を深めることができた。中 登史紀氏は独自に検証作業を進めている模様である。どこかに籠もっているのだろうか、連絡がつかない (^O^)
以下、新潟視察を終えた感想(後日、資料や写真と一緒にまとめたい)。

(1) 土木専門家への疑問
 
《解析結果について》
 調査団の速報会で、団長(玉井信行金沢大学教授)が、「栃尾市のアメダスのデータから解析すると、今回の降雨は 500年 に一度の大雨になる」と発言。たった1地点の24年間のデータからこう言う。解析誤差や1地点のデータから解析した意味について十分な説明なしに発表するから、案の定、翌日の新聞で、この数字が一人歩きしていた。毎日新聞では「763年に一度の大雨」とも報道。
 技術者ならば、複数の観測地点のデータも同時に解析し、流域全体の降雨を把握しなければいけないだろうし、河川へ流出する量との関係も明らかにすべきだったと思う。わずか一箇所のデータから推定して発表するなど、「解析マニア」の世界だなあと感じる。また、解析結果の数字はその誤差とともに別の反証(歴史資料等)を収集し、総合的判断が必要だと思うのだ。速報会とはいえ、専門家のデータの処理と発表の仕方に疑問が残る。相手は素人なのだ。

 《安全度について》
 氾濫河川の現状の整備水準(安全度)について質問が出た。団長の説明は曖昧模糊。不十分でよくわからない。今回の水害地域の上流に3つのダムがあり、治水安全度は全国水準にあってもおかしくない。それぞれのダム建設計画で治水安全度が記載されているにもかかわらず、はっきり言わない。たぶん行政からの聞き取りだけで、第一次資料を確認していないのではないだろうか。それともはっきり言えない事情があるのだろうか。
 現状の河川整備水準と出水量の比較が、今後の整備方針を作る上で欠かせないデータだと思うのだ。多くの「専門家」が現地を訪ね、速報会と銘打ったわりには、基礎データの収集がおろそかになっているのではと思った。

(2) 堤防について
 @ 聞き取りやデータを集めて確認できたことは、堤防の破壊は、越流が始まって3〜5分で起きていた。これまで堤防の越流前に破堤が起きたのではないかという疑問が出されていたが、現地で調べたかぎりは、越流のあと破堤が起きていた。
 A 刈谷田川の破堤は、新しい堤防が崩れている。連続した古い堤防は見るからに細く、民家側は空石で組んであったが安全で、その10mほど下流が破堤している。古来からの堤防の構造に興味がある。
 B 堤防は高くすればいい、ってものではない。堤防の規格は土盛り+提体材料は現地調達である。法面などの工夫はあるが、基本は土。高くすれば河道洗掘や堤防の根崩れ、パイピング、ボイリングなど様々な破堤原因を作るようである。
 C 堤防はその地域の治水についての歴史が刻まれている。広範囲に様々な形と構造があり、強弱様々である。洪水はその一番弱いところを突いてくる。

――ということで、参考資料などを紹介しておきます。
◆新潟の決壊堤防の上で考えた(資料・写真 整理中)
◆土木学会が北陸豪雨災害緊急調査団速報会
◆当日発表したパワーポイント資料
◆毎日新聞記事(763年に一度の大雨?)
◆東北大学災害制御研究センター(資料と写真など)
◆新潟・福井水害は原発が引き金だった?(なるほど納得!中さんのHP)
  ――原発が新潟・福井豪雨の原因か?(その1)
  ――原発が新潟・福井豪雨の原因か?(その2)

犀川の堤防資料掲載
◆犀川の堤防を古文書から考える
【こちらに順次掲載/資料「金澤古蹟志」】

堤防資料を情報公開請求しました
今年7月23日、国交省は全国の県へ、堤防の緊急点検を指示する通知を出した。石川県でも当然これに基づく措置をしているはずなので、実施体制や結果、国交省への報告などを請求した。

掲示板のこと
この数日前から、掲示板にけったいな情報が掲載され始めました。設置趣旨から考えて場違いなもので、削除しましたが、削除しても掲載――。どうもロボットが書き込んでいるようです。
頻繁に続くようなら、設定の変更をしなくてはいけないようです。


―――2004.8.29(日)―――
金沢市が「奇妙」な募集をしている
「(仮称)金沢市における市民参画の推進に関する条例」制定のための検討委員会委員募集だそうだ。額面だけを見ればなかなか良い募集なのだが、これまで金沢市とのやりとりの中でみえてくるのは、「市民参画」という言葉の解釈がまったく市民常識とまったく違うこと。駅前広場整備の手続を見るだけでよく分かる。行政自らが行政監視制度の充実をはかった方が、よほど市民参画になるのではないか?
 【◆市の募集はこちら】

犀川が危ない!
福井や新潟の水害から「犀川は大丈夫か?」と思う人が多くなったようだ。行政は「だから辰巳ダム」というが、将来、金沢市内で起きる水害は、辰巳ダムでは解決しない。
最近の都市水害で有名なのは東海豪雨。新川の堤防が決壊し、名古屋市の西部一帯が浸かった。以前、名古屋に住んでいたこともあり、この地区は良く知っている。
愛知県は、この豪雨直後に「愛知県河川堤防緊急強化検討会」を設置し、方針をまとめた。犀川はどうか。おそらく危険箇所の整備は30年以上後のこと。石川県には緊急強化などの発想はないのではないか。人身御供が必要なのだろうか? 片町の地下の飲み屋さんに教えなくては……(>_<)
「愛知県河川堤防緊急強化検討会の報告書」を入手した。ネット上に公開されていないので、「自助努力」で公開することにした。
 【◆愛知県河川堤防緊急強化検討会報告書はこちらへ】


―――2004.8.23(月)―――
福井市の決壊堤防の上で考えた
8月16日福井市の決壊堤防を見てきた。様々な問題が含まれている。感想を書いた。【◆別ファイル:「福井市の決壊堤防の上で考えた」】

―――2004.8.12(木)―――
公共事業の評価監視
今日、石川県公共事業評価監視委員会が開かれた。
5年前に評価した辰巳ダム事業を再び公共事業評価監視委員会に諮り、委員会から妥当だと結論を得た。
この制度を実施する主体は県自身である。自分で自分を評価する…。考えるとおかしな制度である。
この評価システムの中心は、学識者による公共事業評価監視委員会であるが、その委員は県が委嘱する。短時間の会議で、県の資料をもとに議論する訳だから、客観的な評価は不可能だが、ともかくこれを公共事業の評価とされている。
行政にとって8月は国への予算請求項目をまとめる忙しい月である。大急ぎで辰巳ダム事業のお墨付きを偉い先生方からもらい、国へのリストに入れたわけだ。

アメリカでは自治体は市民がつくる。住民が住民投票で自治体をつくると決議してから初めて自治体ができる。決議しなければ自治体はない。だから、アメリカには自治体のない地域(非法人地域、Unincorporated Area)が面積の大半を占め、約1億人(総人口の38%)が自治体なしの生活をしている [◆参照:アメリカの自治制度]。
無自治体地域では、行政サービスは通常、州の下部機関である郡によって提供される。それでも最低のサービスは保証されるが、警察や消防が遠くの街(郡庁所在都市)から提供されるのは不安だし、地域の発展を直接自分たちでコントロールしたいということで、自治体をつくる運動が生まれ、住民投票などを経て自治体が設立される。
こうした自治体づくりの歴史を持つ国から見ると、行政執行部は不当なことをやるかもしれないという性悪説に基づいて、様々な監視制度や公平機関をもっている。
これに対し、オカミは悪いことをするはずがないという性善説をとる日本の制度はあちこちに制度疲労を見せているのだが、どうも改善の兆しがない。

 【◆石川県監理課の制度解説】
 【◆石川県監視制度と昨年度の評価はこちら】


―――2004.8.6(金)―――
危険箇所の緊急対策への申し入れ
8月2日・辰巳の会と共同で申し入れた内容を紹介。
 【◆こちらへ】
事前に秘書課と打ち合わせ、知事あるいは副知事への届けられるものとして窓口を河川課に指定され、8月2日、4名で河川課を訪れたのだが、応対いただいた3名の幹部の方に、知事へ届けられるか確認したところ、「上司と相談して対処する」との返事。これでは秘書課との約束と違う。知事へ文書が届けられないかもしれない。河川課の対応に抗議し、急きょ、秘書課へ出向き、担当者に手渡し説明した。

河川情報システム申し入れファイルを更新
7月20日に県に申し入れした「役に立たない河川情報システム」。
申入書本文と関連資料などを掲載。
 【◆こちらからどうぞ

歴代の知事と河川課長の責任は重大
犀川の危険箇所の緊急補修や、役に立たない情報システムは大問題である。
日頃おつきあい?する河川課の多くの職員は、河川整備計画づくりと会議の準備に忙殺され、肝心の危険箇所の点検と危険回避には目が向いていないように感じる。
鞍月用水堰上流の危険箇所の存在は、犀川ダム完成時に明らかになったはず。たぶん早急に整備に着手の予定だった(資料によれば、昭和54〜55年度)。しかし辰巳ダム反対運動が起き、この危険箇所の存在は具体的な計画から消え、声に出す職員も居なくなった。辰巳ダムの建設が全てに優先することになり、金沢市長も地元町会長も付和雷同するばかり。そして30年以上放置されてきた。歴代の知事と河川課長の責任は重大である。
ナギの会など市民からの指摘で、今年度の防災計画書の中に「危険箇所」として 500m が初めて追加記載された。

北国新聞(7月21日)によれば、石川県は年度内に、犀川、浅野川両流域で浸水想定区域を指定、公表するそうである。法律で義務づけられているのだが、これまで何をしていたのか、不思議である。のんきな話である。新潟、福井などの水害が発生し、ようやく腰を上げた。必要なときに的確に動かない石川県らしい話である。上から下まで「休まず、遅れず、仕事せず」という格言どおりだという証明である。社会学や地方自治の研究材料にお奨めである。

しかし、記事をよく読むと、浸水想定区域の指定対象となるのは、犀川流域が河口から法島町の県立中央児童会館付近までの約13kmとある。浸水が想定される地域を明示し、どの程度の浸水が予想されるかを公表するという。この話は、流域委員会で県が説明してきたことを一歩も出ていない。鞍月用水堰上流の堤防決壊は想定していないようだ。
新潟や福井では整備済みの堤防が切れたり、余裕のあるはずの堤防が破壊している。新潟や福井の洪水被害の教訓は、犀川の危険箇所の緊急補強・補修が必要なのである。
国交省も、各県に8月までの堤防の緊急調査の実施を求めている。さてどうなるか?

【参考】
 ◆石川県河川総合情報システム表紙
 ◆雨量一覧表地域選択
 ◆水位一覧表地域選択
 ◆国交省金沢河川国道事務所
 ◆河川ライブ映像
 ◆地方レーダ雨量


―――2004.8.3(火)―――
美山町へ行って来た
福井市の中心を流れる足羽川上流に当たる美山町。来る途中の鉄道は飴のようにねじ曲がり、一部は完全に流失している。西河原(こうはら)地区へ着く。川に沿って集落が長く続いているが、27戸中、7戸を除いて大きな被害。裏山からの土砂流出と橋脚にかかった流木が川をせき上げし、道路に大量の土砂を残した。3日間は道路には車も入れなかったそうだ。仮設住宅も建てている最中。
参加した作業は、崖崩れした土砂の運び出し。若者中心に10数人。私が一番年上かも。
周辺の山はスギの植林で覆われているが、かなり古い。間伐や枝打ちなどの整備された山林はほとんど見かけなかった。これも水の流出を激しくしているのかもしれない。
昼食時、地元の方に聞く。昭和36年第二室戸台風の時にも被災があったが

 美山町のホームページ → ◆ http://www.f-miyama.com/
 地図 → ◆美山町西河原地区は地図の右下
 福井豪雨災害リンク集 → ◆写真など多数の資料あり。
 西河原地区で出会った救援ボランティアの方々 → ◆写真はこちらへ
 清水さんのHP → ◆パート1《洪水の様子》 ◆パート2《復旧作業》

少々疲れた。本日はこれまで。
昨日の県への申し入れの様子などは後日(ちょっとした事件あり)。


―――2004.8.1(日)―――
8月2日、県に緊急申し入れ
城南一丁目が破堤すれば洪水は片町を襲う。地下街は壊滅。大勢の生命が確実に失われる! 昭和36年の第二室戸台風災害と比較にならない被害は必至。「河川整備計画づくり」より緊急性の高い応急対策が必要である。
この点で、辰巳の会と共同で、8月2日午後、県に申し入れを行う。

大雨が降れば破堤するのが当たり前のような話ばかりが目につく。今、堤防について調べている。
新潟にしろ、福井にしろ、整備済みの堤防が破壊されている。堤防は住民にとって「最後の砦」。簡単に破壊されては困る。
堤防の破壊には原因が必ずある。犀川の危険箇所の堤防の状態も素人が見ても危ない。そのまま放置すれば、河川管理者の責任はまぬがれない。
これまでの流域委員会の議論をみていると、そういった危機感がない。
河川整備計画書を作るのに没頭していて、犀川の危険箇所をリアルに把握しているとは全く感じられない。

東海豪雨のとき新川の堤防が破壊した。愛知県は、専門家による「河川堤防緊急強化検討会」を設置し、検討している。
 ◆ http://www.pref.aichi.jp/kasen/teibouforam/teiboutop.htm
この検討会の委員長が、名古屋大学大学院工学研究科教授・辻本哲郎さん。犀川水系河川整備検討委員会の専門部会の部会長で、犀川水系流域委員会の委員でもある。
01年6月報告書を作って愛知県に提出している。名古屋時代の友人に依頼したところ、報告書が近日中に手元に届くことになった。

堤防問題で国も動いている。
◆河川堤防質的整備技術ガイドライン(案)および河川堤防モニタリング技術ガイドライン(案)の策定(平成16年6月9日)
◆通知/堤防等の河川管理施設の緊急点検(7月23日)
堤防破壊、河川管理、行政の瑕疵、水害訴訟などについて別ページを予定。

第2回犀川流域住民川つくり懇談会
中 登史紀さんのホームページに、「石川県の第2回犀川流域住民川つくり懇談会の報告」が載っている。 ◆ http://www.nakaco.com/mizumon/saiiinkai/saiiinnkai-kawatukuri2-2004-7-14.htm

新辰巳ダム計画の費用対効果 3.67 と発表
今年度の公共事業評価監視委員会を傍聴した。辰巳ダム事業が対象になる。県から新しい数字が出された。この辰巳ダム計画の費用対効果の数字。
5年前=20.79、今回=3.67 と発表した。委員の皆さんから質問が出ないのが不思議。(この根拠となる資料を翌日請求した)
次回の委員会は、辰巳ダムなどダム問題で1日使うことになった。


―――2004.7.19(月)―――
新潟、福井の豪雨災害
 災害報道などをたどっていくと、金沢にもどってくる。犀川や浅野川は大丈夫か? 結論は、危ない!
 7月20日、県に申し入れを行う。石川県お奨めの「河川情報システム」が現状では住民にとって役立たないことを指摘し、改善の申し入れをおこなう。
 また緊急対策が必要な箇所が、犀川では、少なくとも2ヶ所ある。城南一丁目と二ツ寺橋下流だ。【◆こちらをどうぞ】


―――2004.7.13(火)―――
ホームページを更新
◆辰巳ダムのページに資料などを掲載
高木仁三郎市民科学基金 ◆公開プレゼンテーション資料
◆強行突破の川づくり懇談会関連(14日、第2回開催)
整備計画(原案)パンフレット(カラー)
住民アンケート16頁(◆こちらに紹介)

犀川緑地のこと
県の方針では、鞍月用水堰を撤去し、下流と同じ様な姿にすると言う。周辺を歩くとよくわかるのだが、左岸には都市公園が大桑橋まで延びている。右岸にも緑地帯がある。これを有効に使えば堰を撤去する必要はない。
当たり前のことだが、これらを有効に活用しろと指摘(6月11日公開質問)したのだが、応対した計画係長曰く、
 「そんなこと出来ないですよ。畑を作っている人もいる。その人に出て行けと言うのですか?」――と声を荒げる。 なんと低次元な話か。口は災いの元。
それならばと土地利用の現状を確認するため、鞍月用水堰〜雪見橋までの公有地と借地関係の資料を求めたワケだ。この資料を入手した。
簡単に紹介―――(後日資料掲載)
 昭和47年・大桑町〜城南一丁目(190.4 ha)
 昭和53年・湿地植物園(大桑町 190.4 ha )
 平成3年4月・城南1〜2丁目( 233.6 ha )
このように計画決定されたものである。
この計画は、「犀川緑地計画」として昭和45年10月、河口から上流に向かって、都市公園として整備しているものだ。
この都市公園を管理しているのは、公園緑地課である。なんのことはない、河川課と公園緑地課のあいだの縦割りの壁が最大の障害になっているだけなのだ。同じ土木部の中でも「課」の壁を越えることが出来ないとはなんたる組織か!
先の公開質問は、知事に問うている。未だ回答はない。

川づくり懇談会で強行突破
7月14日(水)、強行突破の「川づくり懇談会」の第2回目が開かれる。農業用水関係者も多いが、県は農業用水を減らすとは一言もいわない。
先日、某農業用水の流量を測ってみた。規定流入量の3倍が取水されていた。農業用水量を公的に管理する仕組みがない(本当は河川課がやるべき仕事なのだが…)。これが実態だ。

あるいはこれは、犀川を殺すかもしれない
県、犀川ダムから本川に0.17t/秒を放流。(◆県記者発表資料)
犀川ダム下流から河川の様子を見た人はそう多くはないはずだ。県の職員もおそらく直接の担当者以外見ていないはずだ。
犀川ダムから寺津ダムまでの区間は、実は大変きれいな犀川である。犀川ダムからの水は流れこまないが、何本もある支流から澄みきった水が流れている。寺津ダム湖までくるととたんに汚濁水となる。
この美しい河川が犀川ダムの水で汚濁されてしまうかもしれない。環境調査などはおそらくやってはいないだろう。


―――2004.6.25(金)―――
市民から膨大な意見
 県や委員会にたいする市民からの意見がどう扱われているかを知りたくて、意見そのものを公開請求した。コピーで200枚余あった。専門的なものから気軽な意見まで様々。中には1件で40枚を超える大作もあった。
 私のまったく知らない視点も数々ある。これはきちんと読まなくては……。時間が許せば、項目ごとに委員会でどう扱われたか一覧にすればわかりいいかもしれない。重要な事項で、委員会が触れていなければ、新しい問題に発展するかもしれない。

第二室戸台風被害を請求
 昭和36年の第二室戸台風で金沢市中心部が浸水被害に遭い、これがきっかけで犀川ダムや河川整備のきっかけになったのは有名な話で、私もそう書いてきた。しかしこの被害を、県がどのように河川管理の資料として活用しているかよくわからない。「犀川と辰巳ダム」という県のパンフレットをみても浸水被害の写真はたくさん載せているが、その「原因」にはまったく触れていない。堤防決壊と越流(洪水が堤防を越える)では、対策がまったく違うからだ。
 この災害の調査は当時されているだろうし、写真なども保管されているはずだ。


―――2004.6.21(月)―――
高木基金発表会に参加
 昨日、高木仁三郎市民科学基金2002年度の研究発表会に参加した(東京カタログハウスにて)。
 記念講演は、宇井 純先生。
 自身の公害研究の経験から市民科学を語る。「市民のための科学という言葉はあったが、市民による科学という表現はなかった。公害は調査をすると減る。市民が調査することに意味がある。市民による科学を提唱したのが高木さん」。2時間の講義。
 三菱自動車の技術屋さんの話を紹介。「サラリーマンだから、おかしいと思っても隠してしまう。自分で責任をとりたくないから」。新潟水俣病の紹介。「例の物が出たのでよろしくと深夜勤務に口頭で引き継ぐ。アウンの呼吸で深夜、下水に水銀を流す。書類も残さない。上司は知らない。誰もおかしいと思わない」と。
 公共事業の話。「事業費に2桁の違いはよくある。簡単に考えれば安くできるが、補助金がついて大きくなる。核心部分の技術はとても安い。問題解決は首長の意志ひとつ。2桁小さくなる。技術者の責任も大きい。安い対案を示さない」。ある村長の話を紹介。「補助金をもらうのは保険。万一失敗しても補助金をもらっているから自分の責任にならない」と。
 講演のあと、前年度の研究発表。多くは大学院生や研究所の勤務員など。かなり難しい発表(プルトニウムの地層廃棄の問題など)が続きました。アタマイター。早退 (^O^)
 夕方、浅草で娘と合流。「黄金のうんこ」を見て、隅田川の船上ツアー。12の橋をくぐったが、少なくとも、3つの橋が構造令違反。緊急堤防嵩上げ工事の必要箇所が1ヶ所発見。

鞍月用水堰上流整備のはなし
 偶然、「公開質問」の文書を見た地元の方から電話あり。「鞍月用水堰を壊すとか、整備をするとか、地元はまったく知らない。何がどうなっているのか教えてほしい」と。近く説明に伺うことにした。
 ところでこの整備になぜ左岸の公園など公有地の利用を考えてないのか? 地元を知っていれば不思議な話。知事宛に公開質問をしてあるから、回答を待ちたいが、隠されている事情を先にバラしてしまおう。【こちらに紹介】

明後日、市民からの意見書公開
 先に公開請求し、延期されていた県や委員会に提出された意見書などの公開が明日になった。数十件、百数十項目と言われているが、さてどういう問題が県に届けられているか?

「いや〜ね金沢」ファイル追加


―――2004.6.18(金)―――
訃報 作家・松下竜一氏逝く
 1999年夏、下筌・松原ダム反対運動(蜂の巣城紛争)の現地を訪ねたことがある。この運動の主人公を描いた『砦に拠る』の作家(松下竜一氏)に直接電話をし後日訪問した。中津市の福沢諭吉記念館近く、蔵書一杯の書斎で話をうかがった。「あの本を書いてかなりたつので、あまり役立たないでしょう」と、長野県の著名な方を紹介していただいた。絶版で入手困難な『砦に拠る』が残部から分けていただいた。「ある出版社から再発行の話があるが、売れるだろうかねえ。出版社も冒険だねえ」という話もあった。これが『松下竜一その仕事』(河出書房新社)として全30刊としてまとめられたものであった。
 由布院の宿泊先「麓屋」も世話してもらった。
 これ以来、氏が発行を続ける「草の根通信=環境権確立に向けて」の愛読者となった。この冊子には全国の自覚的市民運動の現場情報が詰まっているが、氏の病状悪化により7月号で最終号の案内があったばかりである。
 以下、関連サイトを紹介しておく。
 ・松下竜一を勝手に応援するページ
 ・松下竜一ファンクラブ
 ・豆腐屋の四季
 ・松下竜一その仕事(朝日新聞)
 ・「草の根通信」休刊へ(大分合同新聞)
 【99年の訪問の様子はこちらへ】

流域委員会資料は開架せず
 何を考えているんだか……(>_<) 14日の流域委員会総合部会の資料をコピーに行ったが、2枚の紙が綴じてあるだけ。委員長の判断なのか事務局の判断なのか?
 ――― 資料-2「犀川水系河川整備計画(素案)」については、現在検討中の内容であり、当面の間開架の予定はありません。
                      犀川水系流域委員会事務局 ―――
 開架資料ではないとしても、公文書には変わりはない。情報公開請求しておこう。


―――2004.6.16(水)―――
流域委員会第3回総合部会
 14日に傍聴に行って来た。委員2名が欠席。いつものメンバーが議論。前の親委員会(第2回流域委員会)で基本路線が了承されており、その時出された諸点を技術的に検討するという部会なので、事務局が作成した本文案の字句の訂正や表現の仕方をいじる程度である。ダム建設や鞍月用水堰撤去についての疑問などはまったく出ない。委員から…、
 ・支川の整備をするというが、支川の環境の記載がない。
 ・地域の特殊性、歴史と文化のところに犀川と浅野川にしかいないカワヨシノボリについて記載して欲しい。
……等々の意見が出される。
 これらを盛り込む表現を検討し、事務局でまとめた最終案を第3回流域委員会に提案することになった。予定は7月中〜下旬。
 おかしいのは、例えば鞍月用水堰〜雪見橋間の整備問題。これまでの議論で堰の撤去案しか出ていない。先日6月11日にナギの会の意見で伝えたはずの「児童会館上流の公園など公有地利用案」など代替案がまったく議論に出てこない。この案は現地を一度でも見れば分かる常識的なことだが堰を撤去するというまま原案が作られることになる! さすがにこれには驚き、委員会終了を確認して手を挙げた。
 「委員長! これまで出された市民からの意見書はどうなったか。まったく議論のテーマにもならないのは事務局で握りつぶされているのではないか。委員長のところにあがっているのか。委員長から「意見があれば文書で出してほしい」という要請なので私らは提出した。これまで50件、250項目以上の意見が出されたと聞いているが、どうなったのかまったく不明だ。常識的な提案も議題に登らない。おかしいのではないか!」……等々。
 ひと騒動だった。この委員会の詳細は別ファイルに譲る。

駅前ガラスドームのこと
 いろいろ駅前の資料を更新しました。本邦初の写真もあります(^O^)
   【「いや〜ね金沢」からどうぞ】
 掲示板に投稿あり。駅前の構造物は「鬼の下半身だ」という解説。大股を開いた鬼に見えるという。赤い門は足。見ればそう見える。この方、陶芸の若手有望な作家さん。日本や世界をよく見ており、確かな視点を持っている。
 また、鉄道マニアが集う某サイトで、「パンティドームだ」という指摘もあった。話題にことかかない駅前のこと。これからも注目です。
 この駅前整備がどのように議論されたか、10年前の懇談会の議事録が公開された。この最終会議に「今後は別組織で検討をすすめたい」という記述があり、担当者に聞くと、これがプロデューサー会議のことだとのこと。本来なら別組織の設置要綱や委員への委嘱や承諾の資料があるはずだが、どうもないらしい。念のためにこのプロデューサー会議の資料を請求してきた。
 また昨年度の支出明細を請求してきた。
 以下、駅前整備の費用をメモしておく。
 ・金沢駅東口広場全体(北鉄地下鉄化、地下街など含む) 599億円
 ・駅前広場のみ 170億円
   ガラスドーム建設  41億円
   シティゲート建設    3億5000万円
   引き算すると、その他に125億5000万円。この明細を聞き漏らした。明日、聞いてみよう。
 パンフレットに書いてある費用一覧は別途紹介。このパンフレットの裏に「世界都市金沢をめざして」とある。嗚呼、いや〜ね金沢 (>_<)
 とりあえずここまで――。

 農業用水の調査でも収穫があった。農業用水からの「漏水・余水」がかなりある。流量を測ると結構な量になる。これらは県の調査資料には載っていない。後日まとめる。
 ◆農業用水調査隊員募集中!おもしろいです。【メールをどうぞ】


―――2004.6.13(土)―――
意見書と公開質問状提出
 6月11日、流域委員会へ意見書、知事へ公開質問状を提出してきました。
【こちらに紹介】

農業用水調査開始

流域委員会14日開会

 ホームページにアップしようと思ったら、突然トラブル。30行ほどの文章が消えた―――。後ほど思い出して掲載します。思い出せるかなあ?


―――2004.6.3(木)―――
いやーね金沢・駅前の姿
 突如出現した駅前の異様。この「駅前整備」の資料が公開された。25日のこと。コピーを入手した。たくさんあったので別ページで順次紹介する。
 とりあえず、資料紹介・第1報。【こちらへ】
 なお、この話題、あちこちでコピーがとられて回されているらしい。小生が時々行く喫茶店で「ねえ、こんなの知っている?」って見せられた。

治水専用ダムの姿
 第2回流域委員会の資料から、新辰巳ダムの姿。【こちらへ】

鞍月用水堰上流の河川整備計画案
 堰を取り壊し、雪見橋までを掘削するという。鞍月用水堰の所有権はどこにあるのか? ナギの会の公開質問に、県は「わからない、調べる」とのこと。
 流域委員会での説明では、「鞍月用水堰についての資料がない。これから調べたい」というのだが、さてさて――。
 とりあえず、ここまで。
【鞍月用水堰・参考資料 こちらへ】 
【鞍月用水堰と流下能力の話題 こちらへ】

―――2004.5.21(金)―――
治水専用ダムの姿
 第2回流域委員会(5/19)で県から出された資料で、新辰巳ダムのイメージが明らかになった(後日、資料をコピーで紹介)。本日現在、まだ資料が情報センターに降りていない。(以前はその日の夕方には降りていたのだが、最近は要求しないと降りない。)
 この新辰巳ダムを辰巳用水取水口の直上にあることを想像してみる。
 前提は100年に一度発生するという洪水対策なのだが、こんな大きな洪水は、有史以来発生した形跡がない。だから、壁だけが川を横断して永久に残るだけ。
 環境面でも、景観はもちろん、通常のダムより生物に決定的なダメージを与える。ダムに空いた穴が魚道を兼ねた本川である。流速の速い穴に魚が行き来できるだろうか? それに孵化した無数のカゲロウが川面をのぼるのは絶望的だろう。川の流れに沿って鳥も移動するが、これも壁で拒否される。鳥の往来は特に上流から下る時にダメージになろう。

石川県の新しい環境条例
 今年度4月1日から「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」が施行された。これまでこうした行政施策が山ほどお目にかかったが、これで環境が守られたなんて聞かない。環境破壊の根元に悪しき行政があることは万人の認めるところ。明日、この条例の説明会が金沢市で開かれる。興味のある人はどうぞ。
  平成16年5月22日(土)14時〜16時
  「石川県立生涯学習センター」22号室
  住所:金沢市広坂2-1-1(石川県広坂庁舎1号館2階)
   電話:076-223-9571
 詳しくはこちら↓
 http://www.pref.ishikawa.jp/kankyo/pp/jyourei_setsumei/index.html

 この条例についてちょっと整理しました。【こちらをどうぞ】


―――2004.5.18(火)―――
灌漑面積資料に重大疑惑
 2002年10月から開かれてきた犀川水系河川整備検討委員会と犀川水系流域委員会に提出された県の資料=灌漑面積=に重大な疑惑が見つかった。何しろ地図が現在のものではなく、農地として示された所の多くが宅地や店舗、駐車場になっている。(株)アイ・エヌ・エーが委託調査を請け負ったのだが、なんともはや、まったく調査と言えるものではない! これに恐らく1000万円以上の支払われていると思うと、怒りを通りこして、あきれる!
 流域委員会へ意見書を今日提出してくる。明日、第2回犀川水系流域委員会である。【意見書はこちら

復命書からみる国交省との協議
 県河川課の職員の国交省への出張の復命書を入手。流域委員会を進めるため、県は国交省とどういう協議をしているかが、漠然とわかる。数年前の復命書だったら、協議の様子をかなり詳細にかいてあったのだが、最近は省略に徹して、内容はほとんど分からない。情報公開精度がマイナスに働き、「形式的全面公開・実質非公開」となっている。
入手した復命書と添付書類などを少し紹介しておきます。【こちらへどうぞ

明日は第2回犀川水系流域委員会
1.日時 平成16年5月19日(水)14:30〜17:00
2.場所 県庁 11F 第1102会議室


―――2004.5.12(水)―――
秘密会ではなく、担当者のミスでした
 今日、河川課へ電話で聞いた。担当者が出て、オロオロしていたが、ホームページの表示を確認して、「ミスでした。今日正式に掲載します」ということになった。まあまあ、困ったことです。
 ホームページを確認したところ、第2回流域委員会開催の案内が載っていた。 http://www.pref.ishikawa.jp/kisya/h16/kasen/0511.html
――――――
第2回「犀川水系流域委員会」の開催について
1.日時 平成16年5月19日(水)14:30〜17:00
2.場所 県庁 11F 第1102会議室
――――――
とってつけたような会議の内容が書いてあった。情けない。

 さて、流域委員会の本委員会が開かれるということは、会議が最終版にさしかかっているということだ。これまで会議が開かれる前後に国交省に職員が出張し、県の計画を解説している。反対意見などの存在を知らせることはないであろうから、そろそろ市民側が国交省に意見を届ける時期であろう。これまでの狭い議論を批判的に検討し、大挙して国交省に出向く必要があろう。


―――2004.5.11(火)―――
秘密会で開催か? 流域委員会
 犀川水系流域委員会のホームページに、今後の予定として、「第2回犀川水系流域委員会を開催します」(5月7日付) とあるが、日程など、どこにも載っていない。「県政一般の記者発表資料」にも、「河川課の記者発表資料」にも載っていない。
 これは一体なんなんだ? ミスか、それとも秘密会の開催なのか?
 ミスならば、同様のミスを繰り返したことになる。秘密会ならば、今回で2度目となる。
 昨年9月4日に開かれた「第3回基本方針策定部会」はまったく秘密で開かれ、基本方針(案)を決定した会議だった。
 今回の開催案内、一体いつなんだ? 小生の感覚では、5月13日(木)とみているのだが、どうだろうか。明日、聞いてみよう。

ナギの会の研究、高木基金助成に最終決定!
 ナギの会の申請を含め、全国で16件の助成が決まりました。
 ダム関連では、堆砂、地滑りをテーマにした研究が2件ありました。2月に開かれた公開プレゼンテーションを聞くまでもなく、申請者は研究を積み重ねた専門家の方々。小生など、ド素人市民の無謀なる挑戦でしたが、審査の目は、今日のダム問題や河川管理、公共事業のあり方への基本的批判に対する評価があったのではないかと思います。
 本会のテーマ=「江戸期からの慣行的水利用の実態調査・研究をすすめ、新時代の河川管理、環境保全の資料として提供する」
詳しくは、高木仁三郎市民科学基金へどうぞ。
  http://www.takagifund.org/

5月22日(土)の朝日新聞に注目!
 朝日新聞土曜版「Be」に小生が紹介されます(^O^)。全国版なんて初。東京から記者とカメラマンがやってきて、2日間拘束されました(^Q^)。詳しくは来週紹介。

資料請求メモ
金沢市へ、駅前ドーム建設の意志決定から発注までの資料。
金沢市へ、市政400年記念モニュメントの資料。
金沢市へ、美大から購入した作品資料
県へ、犀川水系流域委員会関連で国交省との打合せ資料、出張記録(5/14公開予定)


―――2004.5.1(土)―――
電子情報の中身
 土木工事などの調査委託業務などは、最終納品は電子情報として、納品される。どういうものか周辺を調べてみた。国の各省で要領や基準がつくられていた。【こちらに紹介】

パワーポイント資料など掲載
 犀川水系河川整備検討委員会に関する電子資料が公開された。パワーポイントや議事録などが入っている。画像の多いPDFファイルなので、パソコンのCPUやメモリが大きくないと、辛いかもしれない。【こちらに紹介】
(データ本体は、ポポロネットのDATA_webに入れ、リンクしてある。)

「辰巳用水・辰巳ダムページ」も更新した。


―――2004.4.29(木)―――
由布院情報更新
 掲示板に由布院の中谷健太郎氏を囲む珠洲市での「まちづくりシンポジウム」の紹介があった。
ずっと掲載したままで更新していない「蜂の巣城の闘い」と「由布院」のページにちょっと手を入れてみた。【こっちへ】

「我が亡き後に洪水は来たれ
 犀川水系流域委員会の総合部会で議論されている基本資料を現在整理中。
 県の説明する資料から、新辰巳ダムや犀川整備の全体像がだんだん明らかになっているが、委員のみなさん、哲学者・ベーコンの言う「洞窟のイドーラ」にどんどん引き込まれていっているようだ。河川課そのものも洞窟にはまりこんでいる。「辰巳ダム建設事業」という洞窟だ。
 「洞窟のイドーラ」とは、人類共通に幻影(イドーラ)があって、ずっと洞窟に閉じ込められていると広い社会を理解できない状況をいう。
 今、犀川水系流域委員会で進んでいるのは、「委員会のイドーラ」といえるかもしれない。
 県が出した資料だけを俎上に載せ、その資料そのものの真偽を確かめることはしないし、他の資料との整合性などまったく考慮しない。
 その結果、どんでもなく突出した「安全度抜群の犀川本川」をつくることになる。伏見川など多くの支川や浅野川や河北潟はほったらかしになってしまう。総合治水など念頭にない。「我が無き後に洪水は来たれ」(ポンパドゥール・ルイ15世の愛人)の言葉がそのまま現実になる。そして、計画を作った者も、了承した者も、予算を議決した者も、執行した者も…、誰も責任をとることはない。
 ベーコンって何者?→ http://www.gebata.com/030109.htm


―――2004.4.27(火)―――
第2回総合部会が開催される。
この会議のことは、4月19日に石川県のホームページ「記者発表資料」に載っていたのだが、河川課や犀川水系流域委員会のホームページには載っていなかった。
この流域委員会のページでは、ご丁寧にも「現在予定されている会議はありません」というコメント付きである。
証拠写真はこちら(^^ゞ
   →【@河川課のページ A流域委員会のページ
普通、流域委員会の動きは、河川課サイドのホームページを閲覧するので、今回の河川課のエラー?は腑に落ちない。21日に河川課に指摘した。
「異動で担当者が変わり慣れていないので……」とのこと。
新しく掲載されたのは、23日夕方であった。上記の写真は、いずれも23日午後3時現在の画面。

大量の資料整理中
 旧河川法の工事実施基本計画が、新河川法では河川整備基本方針・河川整備計画となったが、この裏に何があったのか? 旧法時代は、正にいいかげん。全国の河川で工事実施基本計画が存在したのは、たったの25.8%(資料準備中)。石川県では60河川中、8河川のみ。
 法的に義務づけてられているにもかかわらず、放置され、無法状態。
 新河川法成立時の国会審議資料を現在精査中。おもしろい発見もあった。後日紹介。

★今日午後、犀川水系流域委員会第2回総合部会が始まる。今から傍聴に出発。

―――2004.4.10(土)―――
事件だ!
 不思議なことがあるものだ。4月7日、犀川水系流域委員会孫部会の資料をコピーしにいった。ファイルに資料がないのだ。河川課に聞くと「確かに入れた」という。話しぶりではウソをついているようでもない。どうも行方不明になったようだ。誰かが盗っていったか、それとも河川課の勘違いか? やっぱりこれは事件だ。

河北潟、大野川の計画高水は1.5m
 8日、新しい資料が公開された。
・河北潟干拓建設事業概要図
  (干拓事業で計画高水の数値を確認した。1.5mであった)
・大野川床上浸水対策特別緊急事業縦断図
  (大野川左岸の堤防工事で計画高水の数字確認。1.5mであった)
・平成15年度犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)検討委員会(犀川水系河川整備検討委員会)資料作成業務委託に係るもの・電子データ
・同 支出負担行為票
・同 契約締結に係る支出負担行為伺及び前金払実施伺、入札執行並びに入札保証金免除伺、業務委託設計書
・同 同(部分公開)


―――2004.4.1(木)―――
高木仁三郎市民科学基金に選考される
 2月28日、公開プレゼンテーション。全国各地から参加の団体個人が調査研究の計画を紹介、選考委員と質疑応答。先日、選考されたとの連絡が入った。

最近の公開請求、入手公文書紹介。
・大野川向粟崎湊大橋河川占用許可
・河北潟関連河川(宇ノ気川、能瀬川、津幡川、森下川)流下能力確認資料
・大野川の流下能力確認資料
・浅野川・松寺橋資料
・犀川水系用水実態調査業務支出負担行為資料
・大野川左岸堤防工事資料
その他。

 これらの資料は、主に、犀川と整合性をもって治水計画を進めるべき大野川水系を検討するためである。
入手した資料をざっとみるだけでも整合性には無頓着、個々バラバラの河川整備が進められてきたことがよく分かる。大野川もまったく未整備である。なんせ堤防などはない。河道断面図にもはっきり書かれている。
もし犀川の整備基本方針などが決定されると、それと整合性がとれる治水計画を周辺河川で義務づけされるであろう。犀川本川と支川のギャップも大きいし、大野川水系(浅野川、河北潟、森下川など)との整合性が必要である。当然、莫大な経費がかかる。辰巳ダムを数10個建設する規模の経費だろう。公共事業が圧迫されている中、どう考えても無理がある。
 元々こうした問題は、辰巳ダムをつくるために犀川の治水規模を犀川ダム建設当時の2倍(確率1/70→1/100 計画高水 615t/秒→1230t/秒)に引き上げたため起きたものである。まさに河川管理者による人災といえよう。

犀川水系流域委員会孫委員会
 正式には「総合部会施設専門ワーキング」と呼ぶが、孫委員会がわかり良い。2回目が3月26日開かれた。前回2月5日の内容と変わらないもの。治水専用辰巳ダムの簡単な図面ができたため、年度末のキリをつけるために開いたようである。
 資料は、1階の情報センターに降ろされているので、コピーができる。
 肝心の鞍月用水堰から上流の整備については、問題点をあげるだけであったから、関係土地改良区や河川環境関連の団体などと調整は進んでいないのではないか?
 最大の関係者である辰巳ダム反対土地共有者への対応・方針は一切なし。どうするのだろうか?

「いや〜ね金沢」連載開始
 いよいよ開始。日頃、市内で目についたおかしな風景?を順次掲載していく予定。まずは、第1回と第2回。表紙からどうぞ。

新河川課長にダム建設室長
県庁恒例の人事異動が発表された。
河川課長にダム建設室長・高野氏が昇格。
都市緑化フェアで旧金沢城址公園をお祭り広場に変えた公園緑地課の課長・木村氏が退職。


―――2004.2.25(水)―――
大野川は未整備
 大野川水系の資料、コピー入手。大野川には堤防がない。資料から再確認。縦断図を見ると計画高水の欄は白紙。つまり未整備状態ということだ。大野川の支流が浅野川である。河北潟がからんで、犀川以上に問題がありそうだ。浅野川と大野川のすぐ近くに住む小生としては、見過ごすことができない。また忙しくなる。

公開プレゼンの準備終わる
 友人の協力もあり、28日の公開プレゼンの準備ができた。金沢からわざわざ聞きにいくという知人からの電話もある。ケンがとるかカンがとるかと騒ぐ人もいた。ケンとはラストサムライの渡辺謙。……これは大変(@_@)
当選?すれば、辰巳ダムや辰巳用水、慣行水利権が抱える問題を全国発信できる。

ぷらいべいとるーむ
 1年以上更新していなかったページに手を入れた。【ぷらいべいとルーム】
鬼門のページもちょっと追加した。【この町のかたち】


―――2004.2.16(月)―――
大野川水系資料、20日に公開
 延長措置がとられた大野川水系の資料。県から電話があり、20日に公開となった。当日は、19日公開期限の「大野川」に最近完成した橋の資料もいただく。この橋の正式な名称は知らないが、我が家のすぐ近くに出来た。この図面と大野川水系の縦断図、流下能力とどのような関係になるのか。おそらくおもしろいことが分かるはずである。何しろこの橋、地上からものすごく高いのだ。河川管理施設等構造令に従うと、もし大野川で県が想定している洪水が発生したとすると、この橋下120cm以下は水の中、ということになる。我が家も床上どころか屋根上浸水ってことになる。おそらくJR金沢駅あたりまで大洪水だろう。河北潟干拓地は全滅、駅西一帯は海とつながる。
 果たして、100年確率でどういう規模の洪水が想定されているか?

著書紹介/森 實著「水の法と社会」
 水利権を考えるきっかけになった著書の目次を紹介しました。(こちらへ)

その他情報
【国税庁 所得税の確定申告書作成コーナー】
  http://www.nta.go.jp/category/kakutei/kakutei.htm
  確定申告情報サイトの定番。 確定申告に必要な様式から、記入方法・Q&Aなどが掲載。

【高木仁三郎市民科学基金 公開プレゼンテーション】
 原子物理科学者・高木仁三郎氏の遺言を元に作られ、市民科学者の育成支援を目指す助成制度があります。今年度51件の申請に、16件が書類審査を通過、来る28日、東京江戸博物館で公開プレゼンテーションがあります。ナギの会も見事?通過し、当日発表を行います。過去、第十堰問題の「吉野川みんなの会」が「緑のダムの研究」などで当選したり、著名な団体・個人が当選しています。詳しくは、高木仁三郎市民科学基金のページへどうぞ。

【いや〜ねっと金沢!】
 金沢市のキャッチフレーズが「いいね 金沢」だ。HPなどでは、「いいねっと金沢」と使っている。本ホームページ「鬼門から考える★この町のかたち」で金沢の様々な変遷を追いかけ、警鐘のタネにすべく資料を収集しているのだが、まとめるとなると時間がかかる。この間に、金沢市内で見つけた「いや〜な姿・形」を写真で紹介して行く。題して「いや〜ねっと金沢!」。今しばらく。


―――2004.2.4(火)―――
 今日3通の封書が県から届いた。1通は速達で。公文書決定期間延長通知書であった。@土木部河川課(計画係) A金沢土木事務所 B津幡土木事務所。内容は……、

公文書の内容 大野川(水系)・主要支川の流下能力を示す資料、縦断図など
当初の決定期限 平成16年2月3日
延長後の決定期限 平成16年2月17日
延長の理由 昭和30年代から遡って、大野川水系及びその支川の流下能力を示す資料及び縦断図の設計図書等が存在するかどうかの確認を行うのには、相当の期間を要する。

 この件は、昨年からの継続事項であるが、問題意識はかなり前からあったもの。資料が公開されてから、検討してみよう。
 この公開請求のとき、「主要支川」という書き方で情報センターや河川課といろいろやりとりがあった。「主要支川」とは具体的にどの支川を指すのか分からないから資料特定できない」というものだった。小生の反論はこうだ。「大野川水系の流下能力を検討した支川のことだ。どの支川の資料で検討したか請求者に分かるはずがない。特定するのは河川課の仕事だ。常識的に大きな支川3,4本が当然検討されているはずだ。」と。浅野川の資料は昨年公開されたので、今回は除外となった。
 延長措置のこと。昔の資料を捜してもらうのは大いに結構なのだが、現在使用中の最新のものから順番に公開することもできるのではないかと思う。あるいは作っていないのか…? そんなはずはないだろう。それじゃ河川管理など不可能だ。
 大野川水系は、河北潟を抱えているから、農林サイドの資料(河北潟干拓事業)からも検討する必要があろう。干拓で河北潟の湖面が1/4になったが、当時、周辺住民から、「浸水被害が起きる」と批判が出て、現在の放水路が作られることになったと聞いたことがある。大野川水系は検討する要素が多い。河北潟については別のコーナーを作っているので、干拓問題などを掲載していく予定である。最近、内灘町長が公式な場で、「問題がありすぎる。河北潟を元の豊かな湖に戻そう」と発言している。近辺の環境団体よりずっと河北潟問題を分かっておられる。「公式」に河北潟を元に戻そうと言っているのは、最近ではこの内灘町長とナギの会だけ。学者では宮本憲一、碇山洋の御両人。今後の内灘町の動きに注目。そう言えば昨年、内灘町の助役に元県河川課長の米田氏が赴任されたなあ。(「河北潟とNPO」はこちら)

―――2004.2.2(月)―――
 河川管理施設等構造令について、法律や簡単にわかるサイトを紹介しました。構造令を知って実際の川を歩くと、多くの河川で管理がメチャクチャだということがよくわかります。恐らくこれには、「地元利益代表者」たる議員の圧力と、議員に迎合する職員が関係し、整合性ある河川管理がゆがめられて来たのではないかと想像します。
 犀川の鞍月用水堰上流や大野川がまったく放置されてきたことなどは、その一例でしょう。お金もないのにダムを作っている場合ではないだろう!って思いますね。 (河川管理施設等構造令のメモ紹介)

―――2004.1.31(土)―――
 昨年以来、2カ月のあいだ更新できなかった。年末年始の仕事がちょっと大変だった。本業は印刷屋。あまり宣伝していない (^o^) 知る人ぞ知る奇特?な印刷屋である。深刻な人生相談を持ち込まれることもよくある。過去、3人を精神病院に送った実績?がある(^Q^)
 さて、昨年末、石川県は、犀川水系の整備基本方針を決定してもいないのに、犀川水系流域委員会を開催し、整備計画の検討を始めた(こちらを復習)
「それはおかしいだろう!」と公開質問(こちらに紹介)。2カ月近く経った、今月中旬、簡単な「回答」が封書で届いた。(こちらへ紹介)

河道断面図、縦断図が CD で公開
 昨年春からずっと追いかけていた、犀川の流下能力のこと。
 犀川水系河川整備検討委員会が開催されたにもかかわらず、実測データがなく、架空?の流下能力のデータを元に検討されていることを公式に公開質問で指摘したのが昨年8月4日。県はことの重大性に気づき、コンサルタント会社2社に委託して調査を始めた。その資料が昨日、CDディスクで公開された。県の情報公開で、CDディスクの公開は初めてのことらしい。情報センターでCD-Rが使えず、手間取ったが無事コピーを入手。1枚120円でした。
(内容はこちらに紹介)

昨年からの継続事項
@鞍月用水堰に関する資料請求をしたところ、不存在となった。
A異議申立をしたら、情報センターで、受け取り拒否。理由は不存在に対する異議申立は制度になじまない、という。(詳しくは別途)
B金沢市内の治水対策は、犀川と浅野川を一つに考える必要がある。浅野川の最下流部の大野川の流下能力はどうなっているのか。資料を請求した。大野川は両岸とも堤防がなく、現状の水位から1m未満で平地である。河川管理施設等構造令(メモ紹介)で定められた施策は一切なく、既に違法状態である。レジャーボートの不法係留も多く、河川敷にはコンクリートで基礎を打った工場もたくさんある。いずれも違法である。(復習)
C金沢市がアメシロ、チャドクガの農薬散布再開のため検討委員会を開催。一般市民から意見を募集していたが、「緑と花の課」の対応のまずさから、全国から抗議が殺到。とんでもない騒ぎになっている。2月3日に予定されていなかった委員会を再開することになった。(これも別途紹介)
D石川県の要請を受けて、金沢市が犀川ダムに設定している工業用水の水利権見直しのため、検討委員会を設置した。委員会を傍聴したが、市の側も委員もまず法律を知らない。のんびりとおしゃべりをやっていた。(別途紹介)
E犀川水系流域委員会の総合部会で施設専門ワーキングをやるとのこと。
  http://www.pref.ishikawa.jp/kisya/h15/kasen/0128.html
  2月5日(木)10:00〜12:00
Fいくつかの異議申立や監査請求の準備を進めている。
G石川県の河川台帳で、犀川は昭和48年に調整したままだった。これを元にあらゆる河川工事が行われていた!(河川台帳について考察を深めた)
H「河川協議」の重大な意味が分かった。

 まだまだ継続中がたくさんある。河北潟関連もいくつか。順次紹介していく。
 今年も相変わらずいろんなことがありますね。のんびりしている暇などありません。

総選挙
 昨年、身近で一番の事件は総選挙でしょう。
 イラクが争点になっているのに投票率が低かった。テレビで識者が「国民の意識が問題だ」と言うが、金沢市をみても何故かよくわかる。小選挙区で落ちても比例で復活するのだから、共産党応援団以外は投票に行かない。
 また不思議なことに、比例区の全国総計で民主党が自民党を上回ったが、自民党が圧勝?した。これには惜敗率というものが関係している。この現象を分析している小論を発見。与野党が逆転していてもおかしくなかったことがよく分かる。

◆ 「与党218対野党262」という試論 鐸木能光

 http://www.asahi.com/column/aic/Tue/d_takuki/20031118.html


川特集紹介
◆読売新聞特集、「川と生きる」
  http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/kikaku/046/main.htm


 とりあえず、以上を今年最初の日誌としておこう。