鞍月用水 油瀬木(堰)の周辺
治水上、犀川で一番危険な場所


2003.8.5 掲載


 鞍月用水の上流地域は、昔からの犀川の姿をとどめている。昭和47年「犀川中小河川整備事業全体計画」に書かれたままの姿である。
 おそらく河川の生態系をを考える上で貴重な場所であろう。
 当時に、犀川全体で一番流下能力が小さく、洪水対策が緊急にとられる必要がある場所である。しかし、辰巳ダム計画が浮上してから、この地域の治水対策は、20年以上放置されてきた。
 もし洪水がこの地域から発生した場合、県の河川管理上の瑕疵として責任は免れない。



【注】左岸、右岸とは、下流に向かっての左、右を指す。


右岸から見た三箇用水(桜橋上流)
対岸に中村高畠用水

三箇用水右岸から
大野庄用水へ取水する

少し上流左岸から泉用水へ取水する


左岸、児童館前から鞍月用水油瀬木を見る

左岸、鞍月用水堰に近づく

鞍月用水油瀬木(堰)の本体(左岸側)


左岸から見た鞍月用水油瀬木(堰)の全体

鞍月用水(左岸)から下流(片町方向)を見る

犀川雪見橋(必要以上に大きい)


雪見橋中央付近から、下流を見たパノラマ(180°) 右岸の芝生河川敷に注目!

右岸の河川敷を近くから見る


右奥の道路部分が一番低い。
この河川敷は大雨の度に冠水する

一番低いところに排用水のゲートがある。
道路と犀川の水面まで2m55cm   


【必見! 1947年(s22)撮影の航空写真はこちらへ】


 金沢の用水というと、とかく景観から語られることが多い。
 しかし、金沢市周辺で市内の用水からの浸水騒ぎがたえない。今、必要なのは、用水築造のいきさつや時代に伴った変遷、あるいは頑固に守られた既得権のこと、潅漑や治水との関係などを、法と道理の側面からきちんと押さえておくことであろう。
 そうしなければ、浸水の真の原因がわからず、行政から一方的な説明と、論証抜きに「金沢市内を洪水から守るため、辰巳ダムの建設を」などと感情的・感覚的な空論を聞かされても沈黙するだけだ。
 いまや情報公開時代、自らの生命と財産は自らで守る気概あれば、行政から河川管理についてかなりの情報は入手できる。行政の無責任さに立ち向かうことが出来る。

【参考】鞍月用水に触れた資料など
 ●鞍月用水と油瀬木(堰)の基礎資料
   【慣行水利権届出書など掲載】
   【鞍月用水土地改良区 管理計画書】
 ●鞍月用水は犀川の一部だった/古文書に見る犀川の様子
 ●中 登史紀氏の考察 【向上藤棚の白山神社が流された】
 ●鞍月用水土地改良区 【今昔物語】
 ●金沢総合農林事務所 【整備事業】
 ●土地改良区連合会 【大野庄用水と鞍月用水】 
 ●石川県農業土木技術連盟 【訪ねてみよう身近な用水】