《リアルタイム》情報公開ものがたり日誌《2》
2003.1.9 再開(昨年までの日誌はこちらへ)



◆このページは、公文書を入手する経過と、見えてくる様々を掲載している。
◆一定のテーマにまとまれば、ファイルにまとめる。
index (更新日をクリックして飛んで下さい)

2003.1/9 1/16 1/18 1/19 1/21 1/23 1/26 2/10 2/13 2/17 2/23 3/5 3/14 3/18 3/27
4/16 4/30 5/15 5/28 5/31 6/5 6/9 6/10 6/11 7/1 7/14 7/16 7/19 7/22 7/28
 7/30  8/1 8/2 8/3 8/5 8/8 8/14 8/17 8/28 9/17 9/26 10/6 10/8 10/30 11/10

11/12 11/22 11/25 11/29 

◆一番上が最新文書です。
―――2003.12.23(火)―――
もう年末。先の更新から、1ヶ月になろうとしている。
この間、様々なことがあった。
1) 犀川水系流域委員会が開催(法的に疑問が出される中、強引に開催)
2) 金沢市、工業用水検討委員会開催(なんだか変な会議風景)
3) 情報公開窓口、異議申立の受け取り拒否(大問題に発展か?)
4) 金沢市、市内農薬散布検討委員会開催(金沢市の前時代的な転換)
5) 流域委員会についての公開質問に未だ回答無し(なんでだろ〜?)
6) 流域委員会の電子情報資料が非公開となる(何でだろ〜?)


について、未だ回答無し
犀川水系流域委員会への質問と要請をしたが、いっこうに回答が届かない。
市民の声を聞こうともせず、「犀川水系流域委員会総合部会」が開催される。
平成15年12月26日(金)13:30〜16:00
◆総合部会委員
 池 本 良 子:金沢大学助教授
 川 村 國 夫:金沢工業大学教授
 北 浦 勝:金沢大学教授
 玉 井 信 行:金沢大学教授
 三 森 義 佐:石川県内水面金沢漁業協同組合相談役理事
 矢 島 孝 昭:金沢大学教授
 山 本 勝 一:石川県経営者協会副会長



―――2003.11.29(土)―――
犀川水系流域委員会の開催について質問と要請
 どうしても流域委員会の前にひとこと言っておかなければならないと、昨日河川課を訪ねた。午後4時。河川課の雰囲気は騒然としていた。週明けの流域委員会の準備なのだろう。
 よく知っている職員も、こちらを見ても、迷惑そうに目をそらすばかり。ま、「忙しくて、応対はできないかもしれない」と言われていたし、招かざる客には違いなかった。
 中田担当課長と山本課参事のお二人に会って、文書を渡した。
 午前中、記者室にファックスをしておいた。北国新聞と石川テレビが待っていた。質問を受けた。
 報道の関心は、やはり「辰巳ダム上流移転」だ。そもそも先の委員会が提言した基本高水や計画高水が過大なので、ダムなんて認められるはずはない。それに今回の質問の趣旨は、河川法からの逸脱を指摘するためでもあり、「流域委員会の開催中止を要請した」と説明した。
 ◆質問と要請の全文(こちらへ)
 今日の北国新聞朝刊石川政経に短信「犀川流域委中止を要請」。

―――2003.11.25(火)―――
河川法からの逸脱――これ以上ミスを重ねるな!
 「河川整備基本方針決定の経過がわかる資料」を請求した。「文書特定」で河川課の担当者とやりとりがあった。その結果わかったのは、石川県は河川整備基本方針を決定していないということだ。
 基本方針を決めていないのに整備基本方針を作ると言う。どこぞの流域委員会と同じように、珍問答をすることになる。
 書き出したら大きなファイルになったので、別ファイルにまとめた。
 こちらへ=「河川整備基本方針が決まっていないのに河川整備計画を策定するのは河川法からの逸脱」

―――2003.11.22(土)―――
河川整備基本方針は決定されたの??
 犀川水系流域委員会が開催される。(詳しくは県のホームページへ)
 これは、県が決定した河川整備基本方針に沿つて河川整備計画を策定するために設けられるものであるが、まてよ、県は河川整備基本方針を決定したのであろうか? 県のホームページや報道から伝わってこない。先の犀川水系河川整備検討委員会の提言が知事に提出されたことまでは承知。
 「決定」とは行政処分である。委員会が結論を提言としてまとめることと質が違う。この「決定」の経過と内容を公文書で確認する必要があろう。週が明けたら資料請求をしておこう。

 この河川整備基本方針や河川整備計画については、全国の河川で様々な動きや疑問がある。
 ある河川では、河川整備基本方針が策定されていないのに、流域委員会が開かれ、河川整備計画への意見を求められた委員から、「計画高水が決まっていないのに、整備計画をどうやって決めるのか?」という珍問答が行われている。
 また今回、犀川河川整備検討委員会の委員長をつとめられた玉井信行氏が策定に参加した「多摩川水系河川整備基本方針」は、基本高水9000t/秒、計画高水7000t/秒となっているが、整備目標高水を、4000t/秒としている(数字は概数)
 既往洪水の最大のものを調べ整備の目標としている。国はこの目標高水を前提にした整備を進めている。これが現実可能な河川整備の姿であろう。
 これを犀川で考えると、目標高水はどういう数字になるのか?
 県はこうした資料を一切委員会に提出していない。既往洪水の検討などは行っていないのだ。こうした肝心なデータを出さずに流域委員会をつくっても委員の方々からまともな意見が出るはずがない。
 明治から現在までの大きな洪水を2、3とれば、現実的な「100年に一度の洪水」と言えるだろう。実際、国交省の指針による洪水発生確率計算式を当てはめると、ほぼ既往最大洪水が100年確率洪水に近似する。(このあたりの問題は中 登史紀氏のホームページ「金沢の洪水を考える」に詳しい)
 こうした様々な問題も把握し行政に意見も言える人が「河川に関し学識経験を有する者」であって、行政から出されるデータだけを議論の対象にし、行政の結論にお墨付きを与える先生を、巷では「御用学者」と言う。(御用の役をしていないのだから、御用学者と言えないゾ、という意見もある。)
 多摩川水系河川整備基本方針については、こちらに詳しく紹介されている。
 (http://www.mlit.go.jp/river/gaiyou/seibi/tama_index.html)

 さて、犀川水系流域委員会の日程は次のとおり。
 日時:平成15年12月1日(月)15:00〜17:30
 場所:県庁 11F 第1105会議室
 主催:石川県土木部河川課

 流域委員会委員は17名で構成。ほとんどが前委員会のメンバーである。新しく参加された方は次の3名。
・三浦 敏夫(石川県林業技術協会会長)
・東四柳史明(金沢学院大学教授)
・山形 絋一(金沢市都市政策部長)

 前委員会の方で今回の名簿に入っていない方は2名。
・井幡 清生(石川県林業技術協会相談役理事)
・東  澄子(石川県文化財保護審議会委員)

 なお、この流域委員会なるものの法的根拠は、河川法16条2項3であるが、これによれば「河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。」とある。全員が「河川に関し学識経験」があるかどうか疑わしい。現に前委員会でほとんど発言していない方も委員になっている。
 河川法16条について以前まとめたものがある。(こちらへどうぞ)

―――2003.11.12(水)―――
 パソコンのトラブルの問題が解決しない。このファイルが大きすぎるのかもしれないと思い、分割した。
 少しは改善されたが、やはり日本語変換が遅い。他のファイルは何の問題もないのだ。何か悪魔が住み着いて邪魔をしているようだ。ガマンして先を急ごう。
 10月17日に終了した犀川水系河川整備検討委員会は、「犀川水系河川整備基本方針(提言)」を決めた。11月4日、知事に提出し、知事は委員会の提言を受けて、辰巳用水保全のため辰巳ダムを上流に移すとの考えを示した。
委員会の提言は、県のホームページに掲載されている。
  http://www.pref.ishikawa.jp/kasen/saigawa/teigen.html
 ダムそのものの根拠が本会や市民からの指摘で完全に崩れているのに、かたくなに建設をすすめるという。まるで談合で決められている業者からの圧力があるかのように見える。そのような噂は何度も聞いたことがある。
 河川管理(治水対策)から見ると、辰巳用水の保存はおまけだ。河川の専門家が参加しているというものの、所詮、県のデータの枠の中での議論でしかなかった。近く、委員会から提言を解説するための「Q&A」が公開される。これを待って委員会の結論を全面的に検証する。
 県には、辰巳用水保存を決めたのだから、文化財指定の措置を早急に進めてもらいたいものである。これは市民県民の長年の願いでもあった。昭和55年11月議会で奥名教育長が答弁している。 「近く文化財保護審議会へ正式に諮問したい」。これを急げ。

 この間、鞍月用水堰の資料を請求したが、市も県も保管しておらず、「非公開」処分であった。あの巨大な堰の資料を持っていないとは……。
 雪見橋や大桑橋の資料も入手。おかしな河川管理の様子が見えてくる。目下、資料を検証中であるが、不思議な雪見橋については、「河川管理施設等構造令違反」で、建設をした金沢市に対して監査請求をすることになると思う(日誌9/17参照)。一番の「悪」は県河川課なのだが、県に対する監査請求は制度上できないので、問題を明らかにする意味で金沢市につき合ってもらうしかない。
 金沢市には、別途、犀川ダムの工業用水への監査請求の準備も進めている。県への犀川水系河川整備検討委員会費用についての監査請求もあるので、年末〜年度末にかけて忙しくなる。

【内閣府より意見募集】
「放射性同位元素使用施設等から発生する放射性固体廃棄物の浅地中処分の安全規制に関する基本的考え方」に対する意見募集について
 http://nsc.jst.go.jp/box/bosyu031107/haikibutsu.htm
【国交省より意見募集】
 河川水のフレッシュ度に関するご意見の募集について
 http://www.mlit.go.jp/kisha/boshu/boshu39_.html
【環境省総合環境政策局より】
 平成15年版「子ども環境白書」を掲載
 http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo/h15/index.html


―――2003.11.10(月)―――
最近の辰巳ダム情報がチラシになった。
「戦争はいや!好きやねん辰巳用水! 市民の会」から頼まれて資料を提供したものが、選挙投票啓発チラシとなり、5万枚近く配布された。裏面を紹介します。
 ・PDFファイル(334KB)
 ・HTMLファイル


―――2003.10.30(木)―――
半月以上、ホームページが更新不能。
何とか接続までいったものの、日本語変換が不調。ホームページ作成ソフトを起動すると突然動かなくなる。
犀川水系河川整備検討委員会が終り、県への報告書が決まったことなど、いろいろあるのだが、全く進まない。
とりあえず現状報告。


―――2003.10.8(水)―――
県議会の質疑を文字化
実況中継された議会の質疑を文字化しました。【こちらへ】

鞍月用水の基礎資料を追加
鞍月用水土地改良区が昭和27年に申請した農地や用水などの管理計画書の抜粋を掲載した。【こちらへ】

平成15年度水防計画書
水防法というものがある。昭和24年に成立した法律で、何度か改正されている。( http://www.houko.com/00/01/S24/193.HTM
4年前の改正水防法は、流域市町村に対し、河川が氾濫した場合に備えて、洪水ハザードマップを作成することが「望ましい」とされている。金沢市は作成しているが、まだ公表していないようだ。
石川県は、水防法によって毎年「水防計画書」を作成している。先日県からもらってきた。この中で、犀川の危険個所として鞍月用水堰付近を指定してある。この危険個所を詳しく知るため資料を請求し入手した。「石川県金沢土木事務所重要水防箇所」という資料で危険個所の図面入りで詳細に書き入れてある。単に「危ない」というだけでなく、いろんなテーマが含まれている。後日、「水防計画書から見えてくるもの」として掲載しよう。


―――2003.10.6(月)―――
鞍月用水の資料が出てこない
先月末に鞍月用水堰の資料が出てくるはずだったが、河川課から連絡があり、「2週間延ばしたい」とのことであった。延期通知が届いた。
要するに、鞍月用水の堰について県は基本資料を持っていないのだ。犀川水系の議論をしている正に今、肝心の資料を吟味してもいない。
普通、河川内に工作物を作るとき、河川法第25条によって、県知事の占用許可が必要である。鞍月用水堰の資料を見つけるのに「相当の期間」が必要だということは、あるいは知事の占用許可を得ていない可能性もある。
さて、どうなるか……? いずれにしろこの資料は今後の河川整備基本方針や河川整備計画作成に大きな壁になるはずである。こんな重要な問題が河川整備基本方針を検討している委員会で議論もされずに素通りしている。委員の諸先生の専門性?に疑問符が付く。

延期通知―――――――――――――――――――――
【公文書の内容】
 現鞍月用水堰建設に関する資料
  (歴史経過、用水組合との関係、占用許可、市との関係など)
【延期期間】10月14日
【理由】鞍月用水堰については、昭和39年度の河川法改正により鞍月用水土地改良区から提出された慣行水利権の届出書の中で、昭和39・40年に災害復旧したとの記述があり、この資料の存在確認を行うのに相当の期間を要する。―――――――――――――――

鞍月用水の基礎資料掲載

いま、焦眉のテーマ、鞍月用水の油瀬木(堰)について手持ちの資料を掲載しました。
 @「鞍月用水慣行水利権届出書」
 A「河川台帳」記載情報
 B「本稿 金沢市史」抜粋
順次追加していきます。ファイル名=「鞍月用水と油瀬木(堰)の基礎資料」

県議会で未整備区間問題が質疑
県議会で、鞍月用水堰から大桑橋までの未整備区間の問題が質疑された(質問者、尾西県議)。
県は、油瀬木(堰)地点の流下能力について概算の数字を公表。堤防から1m下の数字で 500t/秒、堤防の高さで 1000t/秒 と説明し、犀川の基本方針が決まった後の、整備計画の中で具体化するなどと答弁していた。
質疑は、県議会のホームページで実況放送され、ファイルにもなっている。こちらから見ることが出来る。
10月1日午後のファイル( http://www.pref.ishikawa.jp/gikai/index-tv.html


―――2003.9.26(金)―――
犀川の基礎知識のまとめ
話題に事欠かない犀川の河川管理のこと。
ちょっと河川整備(工事)の歴史を振り返っておこう。これらが頭にないと、全く理解不能になる。

@犀川治水と利水目的で犀川ダムを作った(昭和41年)
  →治水は1/70年確率(計画高水 615t/秒:犀川大橋地点)
  →利水は、潅漑、発電、上水、工業用水。
A浅野川治水と利水目的で、導水路と内川ダムを作った(昭和49年)
  →主に浅野川対策(浅野川にはダム適地がないため)。
B河川管理計画の見直し作業進める(辰巳ダム検討、基本高水大幅アップ)
  →基本高水 1600t/秒、計画高水 1,230t/秒(犀川大橋地点)
C犀川中小河川河川改修事業決定(昭和47年)
  →計画高水に合わせ、流下能力を1,230m3/s にする。
  →出雲町から大桑橋までの 7km を都市河川環境整備として行う。
  →第1期計画は犀川大橋上流を昭和55年まで。
  →内容は、河床掘削、堤防改修など。辰巳ダム築造不能時も考慮済み。
  →対象となる堰の扱いも検討。しかし鞍月用水堰には触れていない。
D犀川の河川改修事業が進められた(第1期計画は昭和53年終了)
  →鞍月用水から上流は未整備のまま残され、現在がある。
E辰巳ダム計画を公表。反対運動始まる(昭和55年)
F第2期河川改修事業開始。河口まで基本的に終了した。

とりあえず、これだけ頭に入れて、次に進もう。


―――2003.9.17(水)―――
河川課は暴走を始めたらしい
 次回の河川整備検討委員会・部会の案内が記者発表されないので、どうなっているか時々、県のホームページを見ていたのだが、ついに発見。
 なんと、第3回の部会を9月4日(水)に開いていたのでした……!
 内容は、最終方針案の検討。記者発表もなく非公開で開催し、その結果をひっそりとホームページに載せていた。
●犀川水系河川整備検討委員会のページ
  第3回基本方針策定部会 平成15年9月4日(木)
  犀川水系河川整備基本方針(案)について検討 結果概要 
  http://www.pref.ishikawa.jp/kasen/saigawa/index.html
●第3回部会の報告
  http://www.pref.ishikawa.jp/kasen/saigawa/sb3.pdf
  このPDFファイルの全文は、以下のとおり。
――――――――――――――――――――――――――――――
 犀川水系河川整備検討委員会第3回基本方針策定部会開催結果
1. 日時: 平成15年9月4日(火)13時30分〜16時00分
2. 場所: 石川県庁11階1101会議室
3. 出席者: 矢島部会長、池本委員、川村委員、作田委員、敷波委員、山岸委員
4. 検討事項
 (1) 犀川水系河川整備基本方針(案)の作成
5. 議事概要
 (1) 事務局から開催の挨拶が行われた。
 (2) 矢島部会長から開催の挨拶が行われた。
 (3) この部会を作業部会として非公開とし、今回作成する「犀川水系河川整備基本方針(案)」を部会案として次回の委員会で報告することとし、議事要旨等を作成しないことについて各委員から了承を得た。
(4) 各委員により案についての議論が行われ、各部ごとに議論を行った。
(5) 事務局より閉会の挨拶が行われた。
―――――――――――――――――――――――――――――――

 なんと言いましょうか。言葉を失うが、河川課は暴走を始めたのか?
 やればやるだけボロがでてくるから、早く切り上げて、次に進みたい気持ちはわかるのだが、暴走の先は大きな厚い壁。自爆するしかない。

流下能力の話は小学校の算数の世界
 このホームページをみた知人(70代・女性)から、「流下能力は難しい」とメールが届いた。これに返事を書いた。(こちらへ紹介)

犀川にかかる新しい橋、全部に疑惑あり
 犀川の流下能力に疑問を持ち出してから、この数年新しく犀川に新設された橋が、新しく決められる計画高水と整合性があるのか疑問が涌き、橋巡りを始めた。写真を撮り、巻き尺片手に寸法を測る。
 橋は、河川管理施設等構造令なる法律(政令)で、計画高水から1mの余裕を見なければいけないことになっている。基本高水を大きくするのは勝手だが、新設の橋はどれも昔の堤防に架けられ、高さも低い。一番新しい大きな橋も、堤防兼用の道路よりかなり低いのだ。ここは計画高水 2100t/秒 の場所、川幅も広くない。
 あちこちの橋を見ていくと、どれも構造令に引っかかる感じがする。今話題の雪見橋も法律違反の疑いが極めて濃厚。一応 1,230m3/s の流下能力の計算をしているのだが、この区間は未整備区間であり、堤防も貧弱。計算図面では計画高水の線(HWL)が堤防より上に曳いてある。
 堤防管理は県の仕事で、この橋を造った金沢市は関係ないのだが、この資料のベースはおそらく県から出されたものだろう。その資料ですでに計画高水が堤防を超えている。洪水を自ら認めていることになる。しかも未整備区間を公言してはばからない。このとんでもない無頓着な河川管理とは一体どうなっているのか?
 肝心の鞍月用水堰との検討はされた形跡がない。最大のネックとなっているこの油堰(瀬木)とどのように整合性がとれているのだろうか。この堰については県の河川台帳にもほとんど記載がない。単に「堰 慣行水利届出による」とあるだけだ。これでは困る。昨日、鞍月用水の堰について資料請求した。
 雪見橋の上流に大桑橋がある。老朽化した橋をつい最近新設した。高さは元の橋と変わらない。新しい計画高水をクリアーしてはいないだろう。この橋は石川県が作ったものだ。明日、資料が公開される。


―――2003.8.28(木)―――
公開された膨大な量
 本日、公開されたもの。48の簿冊。厚さ5〜20pのものまで様々。
 昭和47年の犀川中小河川全体計画書に基づいて工事が行われたものの全てと、犀川雪見橋の資料。
 いやはや大変な量であった。ケース7個にびっしり。公開するための事務も、一応全部に目を通して、非公開すべき個人情報や金融機関関係資料に目隠しをしなければいけないから大変だったろう。
 担当職員に敬意?を表して、全部見ようと覚悟を決めた。まず年度の新しいものと年度の古いものを確認した。鞍月用水下流堰工事と犀川大橋下流の掘削などが出てきた。
 工事は、鞍月用水油堰の下流から始まっていた。
 一定の長さを持った河川工事は、水の流下を考えて下流から行うものと思っていたが逆だった。
 とりあえず、必要なコピーを頼んできた。三ケ用水や犀川大橋付近、雪見橋などの資料など。
 いろいろおもしろい発見があった。河川工事前の犀川の写真などもたくさんある。肝心の全体計画に載っている鞍月用水上流の河川工事はなかった。全体計画による河川工事ではないのだろう。別途請求してきた。

 雪見橋の資料で流下能力を検討していた。当時は未整備区間で将来計画もないのに、1230t/secの計算をしているのだ。図面では、現在の流れている河床にあわせてすっぺりと削れば 1230t/sec 確保される計算だった。堤防(道路)まで、50p。(後日、資料掲載)

 たくさんの資料を見ながらふと気がついた。こうした河川工事に係る資料は、本来河川台帳に記載されていなければいけないものだ。先日県で確認した河川台帳は、和48年調整となっていた。これはおかしい。
 河川台帳は、河川の戸籍のようなもので、施行された河川工事や認可された諸権利などを記載しておくものだ。今年の年頭、金沢市が河川台帳を作成しておらず「金沢市、おまえもか!」と書いたが、「石川県、やっぱりおまえもそうだったのか!」と言わなければいけないだろう。担当は水政係。
 工事が終わった後その内容を書き込んでおけば、台帳を見るだけで基本的な内容は分かるのだ。
 とりあえず、必要なコピーを頼んできた。
【公開された簿冊名】
犀川河川改修工事(中小)全体計画書
昭和47年度 犀川中小河川改良工事
昭和47年度 都市河川環境整備事業犀川河道整備工事
昭和47年度 都市河川環境整備事業犀川河道整備工事(2工区)
昭和47年度 都市河川環境整備事業犀川河道整備工事(3工区)
昭和48年度 犀川中小河川改良工事
昭和48年度 犀川中小河川改良工事(2工区)
昭和48年度 犀川中小河川改良工事(3工区)
昭和48年度 犀川中小河川改良工事(4工区)
昭和48年度 犀川中小河川改良工事(5工区)
昭和48年度 犀川中小河川改良工事(6工区)
昭和48年度 犀川中小河川改良工事(7工区)
昭和48年度 都市河川環境整備事業犀川河道整備工事
昭和48年度 都市河川環境整備事業犀川河道整備工事(2工区)
昭和49年度 犀川中小河川改良工事(1工区)
昭和49年度 犀川中小河川改良工事(3工区)
昭和49年度 犀川中小河川改良工事(4工区)
昭和49年度 犀川中小河川改良工事(6工区)
昭和49年度 犀川中小河川改良工事(7工区)
昭和49年度 都市河川環境整備事業犀川河道整備工事
昭和50年度 犀川中小河川改良工事(2工区)
昭和50年度 犀川中小河川改良工事(4工区)
昭和50年度 犀川中小河川改良工事(5工区)
昭和50年度 犀川中小河川改良工事(6工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(1工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(2工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(3工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(4工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(5工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(6工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(7工区)
昭和51年度 犀川中小河川改良工事(8工区)
昭和51年度 犀川環境整備(河道整備)工事
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(1工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(2工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(3工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(4工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(5工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(6工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(7工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(8工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(9工区)
昭和52年度 犀川環境整備(河道整備)工事
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(犀川転倒堰・上部工制作据付)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(大野庄用水路蓋版工)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(中村、高畠、泉用水路蓋版工1工区)
昭和52年度 犀川中小河川改良工事(中村、高畠、泉用水路蓋版工2工区)
河川占用許可 犀川城南大橋(※金沢市申請の雪見橋の許可申請)

―――2003.8.17(日)―――
 激動?の委員会を新聞はどう報道したか。
 いずれも論調は、基本高水、計画高水などを紹介し、その差への対策が基本方針の骨子だと伝えている。中にはこれをもって、辰巳ダム建設が確定したかのような記事もある。「客観的事実報道」をモットーとすれば、そう書くのも仕方ない。これまでの委員会審議で出された資料などはまったく変わっていないのだから。
 しかし、県が鞍月用水堰上流で新しい河川工事を表明したことや、多くの委員が辰巳用水保全への意見を持っている事実はまったく伝えていない。犀川を巡る今後の展開は、これらが柱になっていくことを理解していないからだ。
 記者諸君が過去の委員会と違って大勢参加した動機に、辰巳の会とナギの会が指摘した問題について、県や委員会の判断を待っていたはずだ。ならば明確な方針が示されたのだから、少なくともその事実をそのまま書くべきであった。
 こうした報道がどうして生まれるのか? 記者諸君の数字に対する不勉強もあるのだが、一番気になるのは想像力が欠けていることだろう。言葉の裏に何が含まれているかを理解するには想像力が必要だ。分析・検討など難しいことまで必要はない。想像力は記事を書く能力の大部分を占めているかもしれない。「記事は現場で書け」が鉄則だと思うのだが、おそらくこの問題が出てからも、鞍月用水や城南1丁目、大桑橋周辺を見て回った記者はいなかったのではないか?
 この日誌に目を通す記者の方、反論をどうぞ(^○^)
 「どこかで誰かが押し隠したがっていること、これがニュースだ。それ以外は宣伝さ」(ハロルド・エバンズ「ニュースとは何か」(NHK出版)より)

【更新資料】
 鞍月用水周辺の航空写真/1947年、米軍撮影


―――2003.8.14(木)―――
河川課、犀川の未整備区間の存在を認め、整備を表明
 これは事件だ……。
 12日(火)、第6回犀川水系河川整備検討委員会が開かれた。いつもと様子が違う。大勢の報道関係者がいる。テレビカメラも3台。何人かの記者が私のところへ名刺をもってくる。何事か? 「後でコメントを下さい」と頼まれる。
 会議が始まる。
 まず部会報告を矢島部会長が行う。
 部会長は冒頭、「部会を進める上で、はじめにダムありきとは考えていない。先入観を持たず意見を求めた」ことを強調。部会で出された意見を並列的に紹介し、「歴史と文化財の保存」は多くの部会員から出されたことも紹介。
 会議は淡々と進む。テレビのせいでもないだろうが、委員からの発言も盛ん。発言する委員の周辺をテレビが動き回る。これまでにない雰囲気。確認済みの数字などで目新しいことはない。200t/secのオーバーする洪水量を確認。
 3つに絞られた治水案(ダム、引き堤、河床掘削)を基本方針に具体的に盛り込むかどうかと委員から出されるが、委員長は、「基本方針は基本理念を書けばいい。具体的な対策は整備計画策定でよい」と説明し、全員の了解をとる。
 この後、事件?が起きた。
 委員長が発言。「流下能力1230t/secについて、鞍月用水上流部で市民からの心配もある」と県に考え方を求めた。これは異例のことだ。今まで市民から何度も意見書が出されているが、会議の話題になったことはない。
 説明に立った山本河川課課長と高野ダム建設室長から表明があった。パワーポイントをつかった説明の要点は、次のとおり。
 @犀川河口〜伏見川合流点、合流点〜鞍月用水堰までは、昭和44年から平成4年で終わっている。
 A鞍月用水堰から上流は、現在未整備であり、計画もない。
 B今後、未整備区間は下流に合わせて、流下能力を確保したい。
 委員長からも再確認。「流下能力1230t/sec を上流でも確保する工事をするんですね」と。
 これまでの辰巳ダムを巡る経過や、県、市の態度を知っている人には、これは大事件である。県の重大決意の表明である。なにしろこれまで犀川の治水対策といえば辰巳ダム建設で、これが最終・唯一だったのだ。突然、犀川の未整備区間の存在と確認、河川改修の方針が出されたわけだ。
 前回日誌(8/8) にも書いたが、もしこれをやろうとすると、鞍月用水堰の撤去、完成したばかりの雪見橋の扱い、新堤防を作るのか、河床掘削か、オンマ層破壊、良好な河川環境破壊など、新しい難問が待ちかまえている。自然保護団体?からも環境破壊反対の声が挙がる(かな?)
 いずれにしろ、委員会審議の最終版になって、降って沸いたように大きな壁が出現したわけです。傍聴席に金沢市の関係者の姿もあった。この職員の方、会議が終わっても腕組みをし、恐い顔をしてしばらく動かなかった。
 金沢市は、山出市長が先頭になって辰巳ダム建設促進期成同盟会で訴えてきたが、全く発想の違う問題が浮上してきたわけで、どのような言い訳をするのか見ものである。
 ちなみに紹介しておくと、犀川雪見橋は金沢市の事業として県が認可したものである。
 また、この流下能力を確保する新しい河川改修は、常識的に辰巳ダム建設前に終了しなければいけない。膨大な建設費がかかるし、新しく国土交通省との調整に奔走しなければいけない。それに、完成すれば辰巳ダム建設の声は犀川流域から消えてしまうかもしれない。「危険だ危険だ辰巳ダムだ」と旗を振る人間は、お年を考えると……ね。
 委員会の詳しい様子はテープをもとに後日まとめたい。
 とりあえず以上、速報。

台風10号で二風谷ダム決壊?
 先の台風が北海道で大問題を引き起こしていた。日本最大の掲示板=噂の2ちゃんねる=で二風谷ダム決壊の話。ダムと治水を考える好材料です。
 http://society.2ch.net/test/read.cgi/atom/1056966219/l50
【要約すると】
 「二風谷ダム、決壊の恐れ」という警報が出され、下流域はパニック。緊急放流 5500t/sec も行われ、住民6500人が避難。
 通常の避難場所ではなく、ダム決壊を予想し、より高台の小学校へ。
 後で「ダム決壊」ではなく、「ダム放水による堤防決壊の恐れ」の誤りで、職員の勘違いであったことが判明。しかし、この「決壊の恐れ情報」は6時間続いたという。
 この二風谷ダムは、7月に策定されたばかりの「沙流川水系河川整備計画」で、4300 t/sec の洪水流量を 600t/sec カットするものらしい。
 また、二風谷ダムは安全な放水量として 3850t/sec を設定しているが、緊急放水は、なんと 5500t/sec。実際に流したが下流に被害はなかった。
 この一連の二風谷ダムをめぐる経過は、ダムに頼る治水の危険性を物語っている。河川管理に携わるお役人への警告でもある。
 ご存じの方も多いだろうが、この二風谷ダムは、先住民族アイヌの聖地に建設され、裁判が提起された。最高裁は「建設は違法」と認定した疑惑ダムである。

―――2003.8.8(金)―――
第6回犀川水系河川整備検討委員会が来週火曜日
 石川県の記者発表サイトを見ると、次回の委員会の予定が載っている。先日4日に提出した委員会への申し入れはどのように扱われるか。
 また、県への公開質問の回答指定期日は、委員会の前日。ちょうどタイミング良く、かみ合ったことになるのだが、回答は如何?
 委員会や石川県は、この根本的な問題にどう対応するのか。

河川掘削工事の再開を考えてみた
 昭和47年に策定した犀川掘削工事計画は、鞍月用水堰堤で止まっているから流下能力が昔の小さいままである。昭和55年で終わっているとの説明を河川課計画係から聞いているのだが、もしこの工事を元の計画に従って大桑橋まで掘削工事を再開すると、どういう作業になるか考えてみた。
 @鞍月用水土地改良区との調整、同意を得る
 A下流用水組合との調整、同意を得る
 B漁協との調整、同意を得る
 C城南1丁目、2丁目など関係町会との調整、同意を得る
 D鞍月用水への取水可能箇所決定
 E現鞍月用水から新取水口までの導水路計画
 Fオンマ層破壊への対処(文化財保護審議会の同意?)
 G雪見橋の基礎見直し(雪見橋の改修?)
 H作業道路の確保
 I土砂の捨て場の確保
 J現堰堤から下流の堤防の総見直し
 K金沢市との調整、同意
 L国へ補助金申請
 M国土交通省へ許可申請
 N予算の議会可決
 O上流へ掘削開始
 P現堰堤の撤去作業開始
 Q新堰堤の建設
 たくさん課題があるもんだ。まあ、その多くは犀川の資料を抱えている(株)アイエヌエーに調査を委託すれば、とりあえず計画書はできあがるだろう。そして出てきた結論に従って、職員は奔走する。過去の工事のパターンを見るとそのように見える。
 しかし、このように行うためにも、現在行われている犀川水系河川整備検討委員会の結論の中で反映させる必要がある。とりあえず最初の仕事がこれだ。計画高水の数字に直接関係するのだから。
 けど、国土交通省が新しい計画を認めて予算化するとは思えない。「今更、何を言っているんだ。辛抱して石川県につき合って来たのに。これ以上はダメ!」って叱られそう。

河川法第16条研究を少し更新
 犀川水系河川整備検討委員会も大詰めだ。しかし「鞍月用水上流の河川改修は河川整備基本方針ではなく、河川整備計画の話だ。現在は安全だ」と述べた中田謙司担当課長。あの場所が現在安全であれば、犀川はまったく100年確率以上の大雨に大丈夫、ってことになる。当然辰巳ダムも必要はない。
 こうした話や犀川水系河川整備検討委員会の議論を聞いていて、どうも一番の関係者が河川管理を感覚的に理解しているようである。
 改めて、河川法第16条を振り返り、「河川整備基本方針・河川整備計画」のなんたるかを確認しておくため、昨年のファイルを少し更新した。
 →河川法第16条研究へどうぞ。末尾に政令も追加した。

犀川の河川工事資料、20日以後に
 犀川中小河川整備事業全体計画(s47)以後に行われた河川改修事業のすべてを資料請求してあるが、公開延期通知が届いた。20日以後のなるとのこと。資料が簿冊で50冊以上になり、公開するには非公開部分がないかチェックする必要があるためだとのこと。本当のところは、犀川水系河川整備検討委員会の前にややこしい資料が公開されるのを避けているのではないのかな?

【公開された資料】
s53 犀川城南1丁目地内堤外民地整理計画
s52 犀川三ケ用水路引継一件綴
s50 犀川中小河川改修に伴う犀川大橋補強工事協定書
h14 大野川床上対策特別緊急工事(設計)業務委託(その2)報告書


―――2003.8.5(火)―――
写真報告/鞍月用水周辺を掲載
 (★こちらへ。【注】写真いっぱいで重たい。)
 先週土曜日、鞍月用水を訪ね、雪見橋までを一周した。
 これまで、辰巳ダム問題というと犀川大橋を見ていたものだが、これからはここを見なければいけない。昔の犀川の姿が残されており、自然観察や生態系を考えるためにもお薦めである。
 新しく完成した雪見橋は、地元議員の奔走で「対岸へ歩いて行ける橋がほしい」という地元の要望が実現したというのだが、人が渡れるどころか、大型バスが往復で連なってもびくともしない大橋ができた。しかしその橋の両サイドは込み入った昔からの小道が続くので大型バスはここに入れない。典型的な公共事業規格の橋である。車もあまり通らないので、ゆったりと安全に観察できる。
 鞍月用水上流・城南1丁目の危険地帯を放置して雪見橋なる大橋をつくる錯覚・錯誤をどう考えればいいのか? 公共事業のあり方、議員とは何か? いろいろな資料を提供してくれる格好の場所である。
 双眼鏡があればぜひ携行を。


―――2003.8.3(日)―――
公開質問と申し入れ
 明日、流下能力問題で、県へ公開質問、犀川水系河川整備検討委員会へ申し入れをする。辰巳の会と共同で。まあ、県はとんでもないごまかしをやっているもんだ。委員会は進めようがないだろう。委員長の決断や如何。

河川課の予算ぶんどり作戦?
 とんでもないと言えば、委員会の費用が辰巳ダム建設費から出されていた問題で公開質問をした件で、回答が届いており紹介しておく。これまたとんでもない予算獲得(ぶんどり)の手口である。「辰巳ダム建設」「辰巳用水調査」のためといえば、どれだけでもお金が出てくる仕掛けの一端をかいま見る。近く監査請求をする予定。(★こちらに紹介)


―――2003.8.2(土)―――
鞍月用水堰堤から雪見橋周辺を視察
 夏の季節がやってきた。外へ出よう!
 午後、鞍月用水から雪見橋周辺を見てきた。児童館の駐車場に入り、堤防を歩く。今までなんとなく見ていた風景だが、この周辺が犀川のネックとなっているところだと思うと、まったく新鮮なものに見えてくる。
 対岸へ渡る。某所で川底から道路の高さを測ってみる。2m55cm。なんということか。堤防というのは、想定する洪水から1mの余裕をとる。国の基準にもそう書かれていた。となると、この部分は1m55cmしかないことになる。
 写真もとった。(これらは別ファイルに掲載する。)

イギリスから水利権で質問
 先日、英国に留学している若い研究者から突然メールが舞い込んだ。河川管理を調査しているらしい。法律や歴史、水利権の資料をインターネットで探していて、ナギの会にたどり着いたとのこと。文面から真剣な態度が伺える。参考資料も水利権のページから選び、日本の家族からコピーを送ってもらっていた。渡辺洋三 や森 實 の著作を読みながら刺激を受けているとのこと。質問もどんどん送ってくる。しばらくはこの方との学術談義をすることになろう。論文になって公開されれば紹介したい。
 水利権の研究者が日本では皆無なのだから、この若い研究者が新しい柱になっていただければ日本のためになるのだが……。専門家がいないから、過去の小さな先行研究や裁判資料を丹念に集め、分析し、現地調査を数年重ね、論文にまとめ、様々なケースについて的確な学術的判断が出来るようになれば、おそらく第一線の水利権学者の誕生である。期待したい。


―――2003.8.1(金)―――
公開質問と申し入れ
 来週月曜日、県知事へ公開質問、犀川水系河川整備検討委員会へ申し入れをおこなうことにした。辰巳の会とナギの会の連名である。
 辰巳の会から、県政記者室へリリースされた内容は以下の内容。
   ―――――――――――――――――――――
2003年7月31日  政記者クラブ会員各位
    兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会
                       事務局長 碇山 洋

  公開質問状・申入書の提出について

 ナギの会と当会が入手した公文書の分析により、@県は犀川大橋地点の流下能力を1,230m3/秒としてきたが、これは実測に基づいておらず、根拠がないのではないか、A城南1丁目地点の流下能力は615m3/秒程度しかないのではないかという疑問点が出てきました。
 現在、河川整備基本方針策定のための議論が犀川水系河川整備検討委員会で行われており、県は辰巳ダムを基本方針に入れようとしていますが、これらの数値によっては、基本方針の議論の前提が根本から変わることになります。
 問題の重大性を考慮し、ナギの会と当会は、下記の要領で、「犀川水系河川整備基本方針策定に関わる流下能力等に関する公開質問状」を知事宛てで、また「犀川水系河川整備基本方針策定に関わる流下能力等に関する申し入れ」を犀川水系河川整備検討委員会会長ほか宛てで提出することになりましたので、お知らせします。
 提出時に取材においでいただくことについて、ナギの会・当会側には何ら不都合はありません。

 日  時: 8月4日(月)10時
 場  所: 県土木部河川課
 参加者: 渡辺寛(ナギの会代表) 碇山洋(辰巳の会事務局長)
 応対者: 河川課長
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    【7月以前のファイルはこちらへ】