衝撃事実! 昭和36年の片町水害は人災だった!


2004.12.15 掲載


県の調査で明らかになっていた水害の原因

昭和36年の9月16日、第二室戸台風によって発生した金沢中心部・片町の水害は県の調査で「人災」だったことがわかった。

この水害は、犀川大橋上流100m右岸・伊藤病院前の堤防が崩れ、片町一帯が浸水、床上浸水約1,000戸、床下浸水約500戸という甚大な被害が発生したもので、以後の犀川の河川整備のきっかけになったものである。

水害というものは、「大雨があったから起きた」という単純なものではない。大雨が必ず被害を発生させるとは限らないからだ。これは長年の住民や行政の治水への努力が堤防や遊水池を発達させ、簡単に集落側に氾濫が起きないよう、あるいは氾濫が起きても被害がでないよう、様々な英知をふり絞ってきたからだ。個々の水害の原因を探ることで、対策を考え手持ち資金と相談しながら、将来の備えを準備してきた。こうして暴れ川・犀川を治めてきた。

水害の発生には必ず原因がある。この究明なしに対策はない。しかし、不思議なことに、この昭和36年・第二室戸台風時の犀川氾濫(以下「第二室戸水害」と呼ぶ)の原因=なぜ堤防が崩れたか?=はどこを捜しても不明で、小生も行政資料の公開請求をおこない解明の糸口を探ってきたのだが、いつも「公文書不存在」とされてきた。

この水害が今日まで延々と続く犀川の河川整備の起点となっていることを考えると、以後の河川整備計画の中心は、何をおいてもその原因究明が先決だと思うのだが、いずれの計画も堤防決壊の原因には触れず、「大きいことはいいことだ」という大風呂敷を広げたような河川整備が推進されてきた。辰巳ダム計画もそういうたぐいの一つである。

「第二室戸水害」が起きた原因は三箇堰の改修
最近、ある資料が公表されたことを知った。「第二室戸水害・堤防決壊」の発生原因を県自らが調査していたことを示す資料である。

「第二室戸水害」の後に石川県が作った「犀川河川改修計画」によれば、この災害の原因として、
 (1) 三箇堰をそれまでの木製からコンクリート固定堰化したこと。
 (2) 泉堰を三箇堰と合口化しないで、上流側に堰を設けたこと。
 (3) 二つの堰により、上流側河床が大きく上昇したこと。
 (4) その堆積土を除去することがないままに放置されてきたこと。
等を挙げている。

ということは、三箇堰の改修工事や周辺の河道管理のずさんさが犀川の堤防を決壊させたこと、つまり人災であることを県自らの調査からあきらかになっていたのである。
その後の経過を見ると、本来なら三箇堰の改修や運用、河道管理など常識的な対処で、第二室戸台風時規模の洪水に対処できたとを示している。
この第二室戸台風時の洪水の流量は、犀川における史上最大級の洪水であることは既に中 登史紀氏の調査・研究で明らかになっているから、堰の補修、改修という極めて安上がりの工事で史上最大級の洪水に対処できたはずなのだ。

なぜこうした重要な資料がこれまで公開されなかったか? 恐らく答は一つ。延々と続くであろう犀川の河川改修事業として膨大な税金を投入させたいという 「力」 が働いたからであろう。堰の改修ではお金にならないからだ。

上記の問題は、これを公表された山本氏のホームページへ飛んでいただきたい。

【山本 修 氏のホームページ】
◆犀川の流れを基礎資料から検証している。
  http://www.spacelan.ne.jp/~kikugaw.s/saigawa.htm
この中に、貴重な資料が収められている。
  No.1 昭和53年6月27日の緊急放流水害
  No.2 昭和36年9月17日の大水害
  No.3 昭和42年 内川ダム建設に伴う河川改修計画
  No.4 昭和47年 犀川河川改修計画
  No.5 犀川の流量観測結果 11月20日
  No.6 昔々のお話  11月20日
  No.7 このお話の始まり 11月21日
  No.8 このお話の始まり-2 11月23日
  No.9 このお話の始まり-3 11月26日
  No.10 犀川の現況の流下能力 12月 4日
    →「第二室戸水害」問題は、「No.2」 をご覧ください。

なお、このホームページは、地質の専門家で自然愛好家らしい山本氏の話題が一杯である。
 表紙:http://www.spacelan.ne.jp/~kikugaw.s/

【参考】金沢の洪水を考える中登史紀さんのHP
 第二室戸台風の状況について詳しい。
 http://www.nakaco.com/mizumon/flood/kanazawakouzui/no13/no13.htm

【参考】犀川の流下能力に重大疑惑(ナギの会)
 ◆流下能力が一番小さいところは犀川大橋地点ではなかった!
 http://homepage3.nifty.com/nagi/dam/sai_ryuuka.htm

【参考】古文書から考える犀川の水害と堤防(ナギの会)
 ◆暴れ川・犀川がこうして治められてきた。
 http://homepage3.nifty.com/nagi/dam/data/sai_teibo_komonjo.htm