「水利権実務一問一答」


2002.9.14 掲載
2004.10.4 更新

水利権について質問歓迎
―― 国に代わってお答えします(^-^)――

「水利権実務一問一答」は、大成出版社から発行されている「水利権実務ハンドブック(加除式)」のうちの第三章である。
個々の設問に対して、建設省の答えを述べ、地方自治体の水政行政の標準となっている。(実際に地方でこのとおりにやっていないから問題百出なのであるが。)
この資料は、一般図書館にもほとんどなく、入手はきわめて困難である。

★この資料を「現在絶版になっている」と書いたところ、大成出版社の担当者から次のような連絡がありましたので、「絶版」を訂正し、「一般図書館にもほとんどなく」としました。実際各地の図書館を蔵書検索で調べると、国立国会図書館だけに収蔵されていた。(02年9月現在)

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現在「水利権ハンドブック」(加除式)は本書をお持ちの読者に追録として発行しており、絶版ではありません。
また、現在増刷中であり、近日中にできる予定となっております。
つきまして、今後購入予定の読者に誤解を与えかねませんので絶版の表記を訂正して頂きたくご連絡いたします。(大成出版社編集第2部 K)

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【参考】大成出版社のホームページ
 http://www.taisei-shuppan.co.jp/

★なお、04年現在の再版状況を大成出版に確認したところ在庫あり、とのことです。
 ¥16310円(年に3,4回別料金で追録あり)
 「水利権実務ハンドブック」の詳細はこちら


水利権が、公共事業の様々な問題と関係していることもあり、行政とのトラブルに直面したとき、水利権についての基本的知識を押さえておくことは問題解決の第一歩である。
偶然(?)この資料を入手したので、水利権についての疑問をお持ちの方、どうぞ質問してください。国に代わってお答えします(^○^)
(私の意見も付け加えさせていただきますけれど。)

この章「一問一答」の部分は、独立して「水利権実務一問一答」として出版されているが、これも入手困難である。
「水利権実務一問一答」の編著者は建設省河川局水政課水利調整室。
                             (渡辺 寛@ナギの会)

以下、質問部分を目次にしたので、参考にしていただきたい。
 第1節 河川の管理
 第2節 水利権
 第3節 水利使用の許可権者
 第4節 水利権の申請
 第5節 水利権の許可、条件、変更等
 第6節 河川の流量
 第7節 かんがい用水利権
 第8節 水道用水利権
 第9節 工業用水利権
 第10節 発電用水利権
 第11節 雑用水利権
 第12節 関係河川使用者
 第13節 ダムの管理等
 第14節 費用負担、水源転換
 第15節 河川への排水
 第16節 河川占用料等
 第17節 渇水調整


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第三章 水利権実務一問一答



第一節 河川の管理

・河川管理行政および水利行政とは何か。
・水利権の許可を受けなければならない河川にはどのような河川があるか。また、その河川の管理者は誰か。
・占用について許可が必要とされる河川の流水の範囲いかん。伏流水の取り扱いいかん。
・ダムおよびその貯水池の河川区域はどのように決められるか。
・水利台帳ほどのように整備されているか。その閲覧は可能か。
・許可申請にあたり、ダムの占用面積はどのように算出するのか。
・水利使用における公水論、私水論とはどのようなものか。
・流水の占用という行為に該当するものはどのような行為か
・河川管理施設等構造令はどのような工作物に適用されるか。
・河川の管理者とその管理区分いかん。

第ニ節 水利権  

・水利権とはどのような権利をいうのか。
・水利権の法律的性格いかん。
・水利権は他の河川の使用関係と性格上どのような違いがあるか。
・水利権と呼ばれるものにはどのような種類があるか。
・慣行水利権とはどのような水利権か。
・安定水利権とほどのような水利権か。
・豊水水利権とはどのような水利権か。
・暫定水利権または暫定豊水水利権とはどのような水利権か。
・貯留権とはどのような権利か。水利権との関係はどうか。
・遊休水利権とはどのような状態の水利権をいうのか。
・水利権はどのような場合に消滅するか。
・水利権の優先順位についての原則的考え方いかん。
・許可は得ていないが、河川で長期にわたり取水の事実が継続している場合に水利権は成立するか。
・合併、相続等による水利権の承継は可能か。その申請手続きはどうなるか。
・水利権は譲渡することができるか。その申請手続きはどうなるか。
・水道法、電気事業法等他の法令・制度と水利権との関連はどのようになっているか。
・普通河川に水利使用が計画された場合の取扱いいかん。
・河川区域で温泉を採取する場合、河川法第二十三条の許可は必要か。
・同一の地点に二以上の水利使用の申請がなされた場合、先に申請した者に許可がなされるのか。
・河川指定が行われた場合に以前から行われている水利使用の取扱いはどのようになるのか。
・多目的ダムに参加している利水者の一部に対してのみ水利権を与えることは可能か。
・渇水対策ダムの水利権の取扱いいかん。
・異常渇水時にダムのデッドウォーターを緊急的にポンプアップして利用する場合の考え方いかん。

第三節 水利使用の許可権者

・特定水利使用とはどのような水利使用か。その処分はどのようになされるのか。
・準特定水利使用とはどのような水利使用か。その処分はどのようになされるか。
・水利権の許可権者は誰か。申請はどの機関を経由して行うのか。
・地方建設局長が建設大臣の委任に基づいて行う水利使用に関する処分のうち、建設大臣の承認を要するものはどのようなものか。
・都道府県知事の水利使用に関する権限のうち、建設大臣の認可または承認を要するものはどのようなものか。
・二級河川における特定水利使用等建設大臣の認可または承認を要するものは、地方建設局長を経由するのか。
・沖縄における水利使用手続きの特例に該当する事例はどのようなものか。
・関係地方公共団体の長の意見聴取はどのようになされるか。
・水利使用許可の手続きにおける農林水産部局長との協議はどのようになされるか。
・単純更新時の協議、意見聴取等はどのようになされるか。
・一級河川の指定区間を特定水利使用に係る工作物が横断する場合、河川法の許可権者は誰か。
・一級河川から二級河川へ注水し、二級河川から取水する場合はどのように取り扱われるか。
・二級河川における水利使用で、ダムの貯水池が二県にまたがる場合の水利権許可は、どのようにするのか。
・建設大臣に対して提出される調査意見書とはどのようなものか。

第四節 水利権の申請

・水利使用の申請はどの時点で行うのか。
・同時申請、分離申請とはどのような申請をいうのか。
・水利使用の申請にはどのような書類が必要か。
・水利権を変更する場合の申請手続きはどのょうになるか。
・水利使用の許可の更新とはどのようなもので、その申請手続きはどうなるか。
・許可権者が二以上にわたる場合の申請はどのようになるか。
・申請手続、許可手続の簡略化はどのような場合におこなわれるか。
・国営土地改良事業など国が行う水利使用の特例とは何か。
・特定多目的ダムに係る水利使用の手続きはどのように取り扱われるか。
・特定多目的ダムにおける不特定用水およびかんがい用水の取扱いと水利使用との関連はどのようになるか。
・水資源開発公団が行う事業に関する水利使用ほどのように取り扱われるか。
・補助多目的ダムに係る利水者の水利使用はどのように取り扱われるか。
・既設取水施設を利用して新たに水利使用の申請を行う場合はどのように取り扱われるか。

第五節 水利権の許可、条件、変更等

・水利使用の許可はどのような基準によりなされるか。
・水利使用の許可はどのような河川の流況を基準にして行われるのか。水(収支)計算とは何か。
・水源の確保がダム等の建設により先行投資として行われる場合など、水利使用の実行の確実性の判断はどのようになされるか。
・流水の占用に伴い必要となる工作物の新築・改築等の許可基準いかん。
・一つの事業で複数の取水口を設置するょうな場合、水利使用の許可はどのような単位で行われるか。
・一級河川上流部の普通河川の水利使用を廃止して、同一水系内の法河川からの取水に振りかえる場合はどのように取り扱われるか。
・取水地点が水源施設の下流以外の場所にある場合、水利使用の許可はどのように行われるか。
・河川の河口付近を締切って流水占用を行う場合の取扱いはどのようになされるか。
・複数のダムにより水利使用を行おうとする場合の取り扱いいかん。
・ダム等により新規利水を行う場合、ダム等の設置者と取水を行う利水者が異なる場合の取り扱いいかん。
・許可の期間にはどのような意見があるか。
・ある河川から取水し他の河川管理者の管理する河川へ放水する水力発電について、水圧鉄管、導水路等の河川区域外の工作物の検査は誰が行うか。
・水利権使用の許可に際して付される条件は、どのような性格を有するものか。
・管理規定はどのような水利使用の場合作成するのか。また、その内容いかん。
・取水規定は、どのような水利使用の場合作成するのか。また、その内容いかん。
・既設ダムかさ上げ工事中に従前の取水を継続しようとする場合の取扱いいかん。
・水利施設の新築に伴い不用となった旧施設の取り扱いいかん。
・水利使用の許可に伴う義務にはどのようなものがあるか。
・すでに許可を得ている水利使用の変更に該当する事例はどのようなものか。
・水利使用が廃止された場合に当該廃止により生じた水はどのように取り扱われるか。
・ダム等により先行的に水資源の開発が行われる場合の水利権の許可内容いかん。
・水利使用規則において、取水口、注水口はどのように記載されるのか。

第六節 河川の流量

・河川の流量にはどのような種類があり、どのように測定されているか。
・取水地点の流量資料がない場合、取水地点の河川の流量をどのように算定するのか。なお、流量表が十ケ年存しない場合の取扱いはどうするのか。
・河川維持用水とは何か。それはどのように定められているのか。
・河川維持用水は通年同量でなければならないのか。
・水利権を許可する際の基準年の内容いかん。

第七節 かんがい用水利権

・かんがい用水のための取水量はどのように決められるか。
・減水深はどのように決定されるのか。
・有効雨量および水路損失量はどのように決定されるのか。
・ため池、渓流水、地区内反覆水おょび河川還元水はどのように取り扱うのか。
・農業用水の水利使用において最大総取水量の表示はどのように扱われるか。
・畑地かんがいのための取水量はどのように決められるか。
・国営、県営および団体営の土地改良事業が水計算上相互に関連を有する場合に水利使用の許可はどのように行われるのか。
・国営農業ダムを水源として団体営受益地に補給または注水する場合の取扱い(いわゆる補水事業の取扱い)いかん。
・ポンプ等による時間運転による取水の取扱いいかん。
・農業用の取水施設の所有権および管理権と水利権は同一の者に帰属するものか。
・取水施設の所有権を留保したまま水利権を土地改良区に譲渡できるか。
・営農形態の変化等により取水時期、内容が変化した場合の水利権の取扱いいかん。
・農地の減少などによつて余剰が生じた農業用水の転用の取扱いはどのようになされているか。
・かんがい用施設の途中から流水を他に転用する場合の水利使用の取扱いいかん。
・土地改良事業の実施に伴う水利使用に関する事前協議はどのようになされるか。

第八節 水道用水利権


・水道用水の必要水量はどのように決められるのか。
・計画一人一日最大給水量等はどのようにして決定されるのか。
・計画給水人口はどのようにして決定されるのか。
・水道用水における計画目標年次および計画給水区域はどのように決められるのか。
・一つの水道事業で複数の取水口または水源に依存する場合の取扱いいかん。
・目標年次の異なる水道用水供給事業と水道事業の水利権の許可方法いかん。
・水道用水に係る暫定豊水水利権について再申請を行う場合、需要見通し等の作成方法いかん。

第九節 工業用水利権

・工業用水の取水量はどのように決定されるのか。
・工業用水道の水利使用許可申請にあたり、供給先はどの程度具体的に定まっていることが必要か。
・業種の変更、工業用水道の供給先の変化があった場合には改めて水利使用の許可は必要か。
・工業用水水利権を有する企業が当該水利使用に係る生産部門の一部を子会社として独立させる場合の水利使用の取扱いいかん。
・工業用水道により用水の供給を受ける企業なり工場からの排水はどのように規制されるか。
・経済情勢の変化に伴い工業用水が余っている例がみられるが、これをどのように取り扱うか。
・余剰工業用水を暫定的に雑用水として供給する場合の取扱いいかん。
・工業用水道事業者が需要未発生の他の工業用水道に係る水源施設を利用して暫定取水を行うことができるか。

第十節 発電用水利権

・発電のための使用水量にほどのようなものがあり、いかなる意味をもつものか。
・最大使用水量、常時使用水量はどのように決定されるのか。
・流量と発電機の関係から常時一定量の発電を行わない場合でも常時使用水量、常時理論水力を定めるのか。
・更新時における常時使用水量の変更はどのような場合に行われるのか。
・発電のための水利使用の許可に際して常時使用水量を定める意義は何か。
・水車・発電機の改良等により出力を増加しようとする場合の河川法上の取扱いいかん。
・出力が極めて小さい発電計画についても水利権の許可は必要か。
・ダム管理用水力発電に係る水利使用許可等の取扱いいかん。
・発電後の放水を他に利用する場合には、水利使用はどのように扱われるか。
・かんがい用水路の落差を利用して発電する場合には水利使用の許可が必要か。
・農業用水を利用して行う発電の許可期間および工期の取扱いいかん。
・水力発電における取水制限または義務放流とはなにか。
・逆調整を必要とするのはどのような場合か。
・河川法の許可と電気事業法との関係はどうか。

第十一節 雑用水利権

・消雪用水や流雪溝用水の取水について水利使用の許可を得るためには水源手当が必要か。
・養魚用水の必要水量算出方法いかん。
・養魚のための水利権の取扱いについて。
・養魚用水の排水について行われる水質規制の内容いかん。
・工事(作業)時の一時的な取水の取扱いいかん。

第十ニ節 関係河川使用者

・河川法では水利調整の手続きはどのように定められているか。
・水利使用の申請にあたって調整をする必要があるとされる関係河川使用者の範囲いかん。
・水利使用の申請にあたり関係河川使用者に対する協議ほどのように取り扱われるか。
・関係河川使周者の同意は撤回することができるか。
・関係河川使周者の同意に条件が付されている場合の取扱いいかん。
・排水施設の設置について下流水利権者の同意を義務づけることはできるか。

第十三節 ダムの管理等

・多目的ダムにおける容量にはどのようなものがあり、その配分はどのようにして決められるか。
・多目一的ダムの水位にはどのようなものがあるか。
・利水ダムを設置すると河川の従前の機能にどのような影響を与えるか。
・利水ダムの操作に必要な水位、流量等の観測ほどのように行われるのか。
・利水ダムでは、河川管理者等に対する洪水時におけるダム操作の通報はどのようになされるか、
・利水ダムの操作規程とはどのようなものか。
・ダム放流に伴う危害防止のためダム設置者がとるべき指置にはどのようなものがあるか。
・ダム管理主任技術者とは何か、その資格要件はどのようになっているか。
・ダム管理主任技術者の資格として建設大臣が独自に認定する場合の基準はどうか。
・ダムの操作の方法等についての河川法上の規定はどうなっているか。
・ダム等工作物の設置により上流部に堆積した土砂の除却が許可条件となることがあるか。
・ダムの種類とその構造はどのようになっているか。

第十四節 費用負担、水源転換

・多目的ダムの建設費の負担ルールいかん。
・特別水利使用者負担金とはどのようなものか。
・用水の転用等に伴い既存水源施設に参加する場合の費用負担方法いかん。
・ダムに乗っている水利権の減量にあわせて、その範囲内で新たな水利権を許可(転用)する場合の取扱いいかん。
・水源の振替え(水源転換)はどのように取り扱われるか。

第十五節 河川ヘの排水

・水利使用の許可にあたって排水の規制はどのように扱われるか。
・河川法に基づく排水の届出を要しない場合でも水利使用許可の条件として排水の水質の測定、報告を義務づけられることがあるか。
・水利使用の許可の条件として排水の規制を行う場合には、どのような項目が対象になるか。
・各種用水の水源として許容される水質の基準いかん。
・流域別下水道整備総合計画と水利使用との関連はどうか。
・中水道、下水処理水の再利用と水利使用との関連はどうか。

第十六節 流水占用料等

・流水占用料の徴収権者は誰か。また、どのような事業から徴収されているか。
・流水占用料等を免除したり減額したりできるのはどのような場合か。
・流水占用料の額はどのように決められているのか。
・発電のための流水占用料等の算定および徴収にあたっての留意点いかん。
・北海道における流水占用料等の徴収に関する特例とはどのようなものか。
・流水占用料の納付はどのような方法で行うのか。

第十七節 渇水調整

・渇水調整とは何か。そこでの河川管理者の役割ほどうか。
・渇水調整協議会とはどのような組織か。
・渇水調整協議会の設立状況いかん。



なお、「水利権実務ハンドブック」全体の構成は以下のとおりである。

第一編 水利実務編
 第一章 水利用と水資源の開発
 第二章 水利権申請事務の手引き
 第三章 水利権実務一問一答
 第四章 水利使用の許可の申請等の様式記載要領
 第五章 水利使用規則の解説と標準事例
  第一節 標準水利使用規則の解説(案)
  第二節 水利使用標準事例
   T 水道用水標準事例
   U 工業用水標準事例
   V 発電用水標準事例
   W かんがい用水標準事例
   X 雑用水標準事例
   Y ダム管理用発電用水標準事例
   Z 暫定水利使用標準事例
 第六章 低水計画(建設省河川砂防技術基準(案)・計画編)
  第一節 低水計画の基本
  第二節 河川の低水管理について 平成六年渇水を契機に
 第七章 行政実例・判例
  第一節 行政実例
  第二節 判  例
 第八章 水利使用関係用語・略語

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