《リアルタイム》情報公開ものがたり日誌《2》
2003.1.9 再開(昨年までの日誌はこちらへ)




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 7/30

【このページは、2003年前半です。】
8月以後は、こちらへ。

―――2003.7.30(水)―――
流下能力ファイル更新
 先日書いた犀川の流下能力の話。大急ぎでまとめたためにバラバラだった。ちょと筆を入れて書き加えた(★こちらへもう一度)。
 改めて、「県や市は一体何を考えているんだ」と憤りを感じた。そのうち、「結局、何も考えていないんだ。そうだったか、やっぱり」 と妙に納得したのだ。仕事をしているのではなく、ただ動いているだけ。河川管理なんてほど遠い世界である。

委員会費用について県から回答あり
 6/5、6/9 に書いた、「委員会費用が辰巳ダム事業費から出ているのはおかしいのではないか?」との公開質問にたいして、県から回答文が届いていた。小さな封筒に入っていたので、気づくのが遅れた。これ、回答というより、事実の確認をしているだけの短文である。
 バカな息子を叱るのは本人や家族のためになり、皆んなを豊かにするが、行政のバカさにつきあうのは大変だ。叱るにも「法と道理」というムチを用意しなくてはいけないから時間がかかる。
 地方自治法の会計原則や、財務省の予算項目の指針などを参考に、河川課のやっている仕事ぶりを紹介し、近く批判することにする。

国土交通省と綿密な打ち合わせ
 昨日。県から出てきたのは、国土交通省との打ち合わせ状況を示す資料。
 盛んに東京へ出張している。出張に携行した資料など公開されないものも多数ある。項目をあげておこう。
  犀川水系河川整備基本方針(案)
  検討手法比較検討資料(治水計画)
  計画審査会(事前協議)資料
  大野川水系河川整備基本方針 資料
  大野川基本高水計算書
  大野川水系河川環境検討資料
   ……等々
 非公開理由は、「まだ委員会にも提供していないので出来ない」というもの。
 これらの資料から分かるのは、委員会に提出するために基本方針(案)をもう作っていること。大野川水系にも河川整備基本方針を準備していること。何度も東京へ出張し、国土交通省のお墨付きをもらって委員会に臨んでいる、という河川課の様子がわかる。

 河川管理は国土交通省からの法定受託事務であるから、何かある度に出張するのは当たり前ではあるのだが、正確な資料を抱えているとはとうてい思えない。お役人同士のなれ合いの世界では困るのだが、いずれ資料が公開され、実態が明らかになる。


―――2003.7.28(月)―――
犀川の流下能力に重大疑惑
 犀川の流下能力を考えるためにファイルをまとめ、辰巳ダムのページに載せた(★こちらへ)
 この問題、過去のすべての犀川の治水議論でも最大の問題かもしれない。1230t/secというのを前提に犀川水系河川整備検討委員会でも議論が続けられてきた。この基本数字に重大疑惑がでてきた。委員会は一時中断しやり直す必要がある。この委員会のために昨年度1500万円支出され、今年度1100万円が使われる予定だ。
 今、石川県職員の中に犀川全体を把握している職員がどうも一人も存在していないようである。こんな馬鹿な話があっていいはずがない!

資料公開
明日、犀川水系河川整備検討委員会への資料作成のため職員が出張などをした資料が公開される。


―――2003.7.22(火)―――
河川台帳閲覧で河川課へ
 さて、いま追いかけている、犀川の流下能力のこと。
 昭和47年策定の犀川中小河川整備事業で犀川に1230t/secの流下能力を備えるべく整備の基本をつくったのは先に説明したとおり(★)。
 この計画を元に昭和55年まで毎年、単年度事業で整備を重ねてきた(河川課説明)。その内容が河川台帳に記載されているか、確認のため河川課を訪ねた。担当は水政課。
 この河川台帳から何が見えてくるか?
 犀川だけでも何冊も台帳がある。河川管理上の施設が多いためだ。2500分の1の図面にたくさんの数字が書き込まれており、それぞれの数字の内容が台帳に記録されている。
 先に紹介した犀川中小河川整備事業の添付図面には、大桑橋から最下流(港)までの河床掘削と堤防改修方針が書かれているのだが、台帳から読める河床整備は伏見川合流点〜鞍月用水堰堤までで、他は災害対策として護岸のみを整備している。
 これは「土地の掘削等の不許可区域解除」の記録から推測することが出来る(掘削禁止指定は県告示430号/昭41)。

犀川の河床掘削工事

 次の指定解除の記録があり、河床掘削工事を行ったことが分かる。
@犀川大橋付近の工事=昭和45年(県告示306号)
A伏見川合流点まで工事=昭和46〜47年(昭46.11.12県告示773号)
B不許可区間の全面解除(昭49.9.10県告示589号)
 この全面解除で法島の鞍月用水堰堤まで工事を進めたことが分かる。期間は昭和55年まで(河川課説明)。
 鞍月用水堰堤から上流は災害護岸として昭和44年に整備している(一部は昭和49年)。(付記:河川台帳の調整年月日は昭和57年12月1日)

流下能力は分からない
 河川台帳から以上の様子が見えてきた。これが全てだとすると、鞍月用水から大桑橋までの河床掘削計画はどこに消えたのか? また堤防整備などの事業はどうなったのか? 台帳には河川断面の記載はなく、流下能力はわからない。当時の河川工事の図面を入手するしかない。明日付けで資料の請求をしてきた。

【役立つサイト紹介】
これは便利・総務省の法令データベース
 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
法案の審議経過や現状が分かります/衆議院ホームページ
 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
公文書館を考える/公文書等の適切な保存・利用等のための研究会
 http://www8.cao.go.jp/chosei/koubun/sidai/150630/index.html
環境保全型農業対策室のホームページ(更新)
 http://www.maff.go.jp/eco.htm
平成14年全国一級河川の水質現況
 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/05/050708_.html
第2回河川事業の評価手法に関する研究会について
 http://www.mlit.go.jp/river/gaiyou/seisaku/kenkyukai/right.html
事業者向けの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン試案まとまる 他
 http://www.eic.or.jp/news/index.html


―――2003.7.19(土)―――
ホームページ訪問者が10000を突破しました。昨日の夜中。キリバン申請がありません。誰だろう? 案内に気がつかなかったかな?

基礎データが揺れている
 犀川と浅野川の流下能力の資料をたくさん入手した。
 犀川については昭和47年度に作られた「犀川中小河川改修事業 全体計画書」がその基本。この計画書にもとづいて、現在まで大桑橋や上菊橋、犀川大橋、下流など、犀川全体の河川改修が行われたことになっている。
 この改修計画で、犀川ダム計画時の犀川大橋地点の流下能力 600t/sec を、2倍の 1250t/sec に引き上げた。現在言われている、「犀川の流下能力は 1230t/sec」 というものの根拠となるデータである。その後、現在まで、何度も河川工事が行われてきた。現在の犀川の姿は、この全体計画書によって決められたことになっている。
 現在審議中の犀川水系河川整備検討委員会に出された膨大な資料にある、犀川の流下能力もこれを踏襲している(2002年度(株)アイエヌエー)。問題だと思われるのは、この調査は、いわゆる「文献調査」である。過去の手書きのデータをデジタル処理しただけで、実測値ではないことである。
 計画書と完成後のデータに隔たりのあるのは世の常識。それも、S47年以後、何度も何度も河川改修が行われてきたのだ。それらが整合性をもって行われてきているのか、大いに疑問がある。現在、新河川法に基づく、犀川水系全体の整備基本方針を決めようというのに、測量もやっていない。これでいいわけがない。
 S47年当時は、内川ダム建設中である。この時、早くも辰巳ダムも想定し、「辰巳ダム築造不能の場合の計画高水」を計算し、河床掘削、堤防整備など、細かく検討している。
 計画による、「辰巳ダムなし」の場合は、計画高水量が180t/sec増、48cmの水位上昇である。
 とりあえず、この資料に添付されている図面の一部を紹介しておく。計画書全体の検討は、これからやっていきたい。
 (★図面はこちらへ/大きいファイルになりました。)

 犀川は果たして全体計画書どおりの流下能力をもっているのだろうか。ダム計画にこだわると、この数字が大きければ辰巳ダムは不要だし、少なければスーパー辰巳ダムが必要になる。浅野川の流下能力との整合性も考える必要がある。
 はっきりしてきたのは次のこと。
 犀川水系河川整備検討委員会で議論されている基礎データが揺らいでいる。このデータが動くと、計画高水が変わる。


―――2003.7.16(水)―――
日誌を逆に並べ替えました。
この日記を見るのに、一番最後に最新があるのは読みにくい、とのご指摘をいただいたので、全部逆に並べ替えました。一番上が最新情報です。
さて、このホームページも昨年1月に公開して、1年半になります。ほとんど自分の頭の中を整理するための、極めて自己中ホームページですが、もうすぐ訪問者が10000人になります。
1000人目のときキリバンキャンペーンで餃子をプレゼントしたのですが、今回も10000の方、どうぞメールでお知らせを。プレゼントは★こちらをごらんください。

開催された犀川の部会、簡単に紹介

 昨日書いた、部会の様子。
 会議の冒頭、部会長の矢島先生から「治水や利水で外堀が埋められている中で議論は大変だが、歴史や文化など議論していない問題もある。なんでも意見をいただき、まとめるのではなく、意見分布を親委員会にあげたい」と議事進行。
 前回のように県からの資料提供や説明はなし。
 前半は委員のみなさんから、川についての個人的思いが語られ、「コリャなんだ? またかいな……」と思ったのだが……。

 休憩を挟んで後半。
 これまでの委員会で出された様々なテーマについて委員の皆さんから意見がいろいろ出る。
 といっても、これまでの沈黙の委員会ではなかっただけで、傍聴者などが求めているような、徹底審議とはほど遠いものであるが、それなりに(^○^)意見が出てきた。
 「理想はA案だ。川はゆったり蛇行して流れるもの」
 「基本高水が少なくなっているから、ダムは小さくなるのでは?」
 「何百年も前から造られた風土は大事」
 「環境や景観は代替案が考えられるが唯一無二に対する代替案はない」
などなど……。
 議論の焦点は、はっきりとした言葉ではないのだが、辰巳用水の扱いに絞られていく。昭和55年の文化財保護審議会での「逡巡状態」である。
 出された意見を、部会長と事務局が意見分布としてまとめ、次回の親委員会に提出することを確認して閉会した。
 この部会の様子は、テープを元に後日、委員会のページに掲載する。

浅野川の流下能力資料を入手
 一抱えの膨大な資料が出てきた。ざっと目を通して、200ページほどコピーしてもらった。昨年調査を行ったという資料である。
 ちょっと見ただけでは分からないが、堤防・河床・基本高水などを一体にしたグラフや数字などがたくさん入っている。ここから何が見えてくるか? 楽しみである。
 浅野川の下流にわが家がある。この資料はマイ・タウンの防災にも貴重である。


―――2003.7.14(月)―――
表紙の「月下美人」を紹介
夜中まで1時間毎に写真で中継しましょう。
30年ほど前、大分県で大学の先生をしている先輩からいただいた一枚の月下美人の葉が大きくなったもの。これまで何株かに分かれ、市内の知人宅に行っている。

初めての委員会らしい委員会?
犀川水系河川整備検討委員会・第2回基本方針策定部会が開かれた。
詳細は後ほど。


―――2003.7.1(火)―――
住基ネット講演会、金山シンポジウム
 アッというまに半月も経ってしまった。
 ひょんな事から、「住基ネット・希望選択制を求める金沢市民の会」の世話人を中垣さんと一緒にすることになった。
 2日(水)、杉並区長・山田宏氏を招いて、講演会をすることになり、その準備や、ホームページづくりなどが重なった。
 また、今月末「佐渡、能登と加賀の金山・金山〜その歴史と技術」なるシンポジウムが開かれるが、なんということか、パネラーに招かれることになった。その資料をまとめたり現地視察などで時間がとられた。私の報告は、河内村・直海谷川上流にあった奥池金山。15年ほど前、何度も足を運んで、いつかまとめたいと思っていたもの。
 このシンポジウムは、7月26日(土)開かれる。主催:石川県教育委員会生涯学習課。後日紹介。(こちらへ)

公開質問に未だ回答なし
 6月9日、県知事宛提出した公開質問に、未だ回答がない。6月17日までに回答を求めていたのだが……。
 別件の情報公開(23日)の席に同席された担当者に、早急なる文書での回答を求めた。今回の問題は会計上の重大疑惑。報道関係者も回答を注目されているようで、何度か問い合わせの電話がはいっている。

国と何を相談?
 犀川水系河川整備検討委員会に関連して、国土交通省と打ち合わせをしてはずで、6月2日、資料請求したものが、23日公開された。
 @旅行命令(依頼)簿
 A復命書
 B旅費支給明細書
 C打ち合わせ内容と資料(昨年10月〜今年4月、計7回)
 これらの資料で分かるのは、委員会が開かれる前後に、作成した資料をもって国土交通省の担当者に会い、逐一報告し、了解をもらっていること。
 国土交通省側の相手は、
   河川局治水課 伊藤課長補佐、田村専門官、塚原専門官
   河川計画課 岡村課長補佐、成田係長
 内容などは、後日、委員会のページに掲載する。
 また、復命書で、東京からの帰り路に、県外の委員を訪ね、資料を渡し、レクチャーしていることが分かる。これが委員会で活発な意見の出ない理由かもしれない。

浅野川の流下能力資料等を請求
 最近、資料請求した2件は、7月3日が期限。
 @ 6/19:浅野川の流下能力についての調査、検討資料
 A 6/27:兼六園マツ保全対策委員会について 1)委員会設置までの経過の分かるもの 2)委員会への提供資料 3)会議のテープ

 @は、浅野川の流下能力を確認するためである。犀川の流下能力調査資料(4/30、5/15)から、県の辰巳ダム計画は破綻していることが明らかになっているが、この資料で補強したいのだ。
 おそらく犀川、浅野川の二つの流下能力を検討するとおもしろい結果がでるはずである。なにしろ両河川は導水路でつながり、一つの水系になっているのだから。
 Aは、今話題の話。兼六園の有名な松にセンチュウが発見され、他の松に影響しないようにとと伐採することになったのだが、兼六園の農薬散布は長年つづけられ、昨年などは百万石祭りで無料開放される前日大量に撒かれた「実績」がある。まるで「農薬真理教」に洗脳されているかのようである。

【役立つ情報紹介】
 @特定都市河川浸水被害対策法
  (平成十五年六月十一日法律第七十七号)
  http://www.mlit.go.jp/river/gaiyou/houritu/toshikasen.html
 A「川の通信簿」の実施について
  http://www.mlit.go.jp/river/press/200301_06/030626/030626.html


―――2003.6.11(水)―――
農水省が「西ナイル熱」でとんでもないガイドライン
 新聞で知り、ガイドラインの資料を探しました。農水省へ連絡すれば郵送してくれるのですが、別ルートで入手しましたので掲載します。(★こちらへ)
 兼六園の農薬漬けも相変わらずです。「人の健康より銘木が大切!」だそうです。
 アメリカシロヒトリ駆除の農薬散布について、昨年から金沢市は原則使用しない、となっていますが、かなり多くの町会で、自主的?に散布しています。わが町会もしかり。
 金沢市の方針は、「市から農薬代金を補助しない」というもので、一人ひとりの市民の意識が問われています。これ、市民や町会への啓蒙などほとんどないのだから、単に市の財政を切りつめただけですね。
 こんなことがありすぎます。
 ゴミ問題もしかり。ゴミの捨て場がなくなったから分別をやっているだけで、ゴミの発生源を止めて、ゴミを少なくしよう、という発想がありません。これに分別に振り回されている町会の係は大変です。市のいいなり―!
 「とりあえず、ああしよう、こうしよう」というレベルでは、この社会は持たないのだけどねえ。「持続可能な金沢市の姿」を考えて行くと、行政を筆頭に、抵抗勢力ばかり――(+_+)


―――2003.6.10(火)―――
昨日提出してきた質問状、意見書を掲載しました ★こちらへ

何を議論するのか―? 基本方針策定部会を傍聴
 大急ぎで設置が決まった犀川水系河川整備検討委員会「基本方針策定部会」を傍聴してきた。
 河川課から、これまでの議論をまとめた説明が1時間半延々と続いた。時間もないのだが、委員からの発言はほとんどなし。司会役の部会長・矢島先生もちょっと困っていた。
 この部会は、最終結論をまとめるためにある。これまでの委員会で確認、了承されたことが前提だ。自由な討論など出来るはずがない。部会長も委員の方々も、何を討議すればいいのか、とまどっている様であった。会議が沈黙すると川村先生が元気に発言するのはこれまでの委員会でもよくあった風景。
 これまでの討議で不足していることや、環境、文化など、新しく入れる必要があれば、提案していただきたい――などと促されても、これまでの委員会で、ずっと県の資料に圧倒され、何も言えずにきた委員の皆さんに、この場におよんで発言などできるはずがない。
 この部会でやるべきはただ一つ。たくさん届いている傍聴者などからの疑問や意見の数々を議論の俎上に載せることだ。
 過去、5回+2回の委員会・部会で、自由討議が封じられ、あるいは自主規制してきた委員の方々――。自分の精神的健康のためにも、贖罪意識を持って、自分と闘うことだろう、と思う。


―――2003.6.9(月)―――
県に公開質問
 委員会費用は辰巳ダム事業費から出されていた――どう考えても理に合わないので、県に説明を求めたいと、午後3時、県に公開質問状を持っていきました。また委員会に審議の見直しを求める意見書を提出してきました。
 新聞記者やテレビも来てました。午後1時に記者室にファックスを入れたのですが、3時にはもう河川課の入り口で待ってました。
 二つの文書の全文を後ほど掲載します。
 明日は、委員会の部会です。


―――2003.6.5(木)―――
委員会経費は、辰巳ダム事業の中から出ていた
 突然の委員長の変身で、「犀川水系河川整備検討委員会」は事実上の結審となり、あとは「判決文」作成のための作業となった――と前回(5/31)に書いた、この委員会のこと。
 6月3日、委員会資料作成のための発注、契約の資料を入手した(5/15請求)。
 この日、資料をもって現れたのは辰巳ダム建設事務所の職員。
 公文書の名称は次のように書いてある。
 ………………………
平成14年度 犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)検討委員会(犀川水系河川整備検討委員会)資料作成業務委託に係るもの
 ・業務委託設計書及び業務委託変更設計書
 ・契約締結に係る支出負担行為伺及び前金払実施伺
 ・業務委託内容変更に係る契約締結及び支出負担行為伺
 ………………………
 つまり、これまで本委員会が5回、専門部会2回開かれたが、この委員会はまるごと辰巳ダム建設事業費の中で運営されているのが分かったのだ。
 犀川水系河川整備基本方針作成は、河川法16条に基づいて、国が県に作成を命じているもので、辰巳ダム建設と直接関係はない。個々の河川工事計画の上位に位置する作業で、この方針の内容によっては、辰巳ダム建設が廃棄されるかもしれないのだ。辰巳ダム建設事業のなかで検討すべき事ではないのだ。断じて!
 このあたりが、全く河川課の諸君は分かっていない。本来、「河川整備基本方針・河川整備計画作成のための業務委託事業」として新規予算を得て進めなければいけないのだ。
 真剣に?委員会に参加して議論している諸先生のテーブルにおかれているお茶の経費も、おそらく辰巳ダム事業費から出ているのであろう。
 この問題は大きい話に発展するのではないか?
 公開された資料の中には、まだまだ問題も多いが、とりあえず、ビッグニュースとしてここに書いておく。


――2003.5.31(土)―――
お粗末な環境問題の審議
第5回、犀川水系河川整備検討委員会を傍聴した。
環境問題がテーマで、県から犀川の環境のデータをあれこれ提供し、話し合われた。
ところが、県からの資料は、簡単なもの。辰巳地区に営巣が発見された絶滅危惧種のミゾゴイ(サギ科)の話も、大桑町にある希少な地層・オンマ層の話も出てこない。
肝心なことに触れないで、県から文献調査をもとにした説明が、ダラダラと続いた。
例えば鳥。「こういうものが過去に見られた」という程度で、経年変化や最近の資料など一切なし。資料がないのなら文献資料からの抜粋で済むだろうが、辰巳地区では、ダム建設に関連して、かなり濃密な調査がされているし、また環境省の全国レベルの調査の一環として、県でも動植物や植物群落のレッドデータブック作成のため、県内の専門家が参加した調査が行われている。
この委員会に提供された河川課からの資料では、環境保護という河川法が求めている基礎資料にまったくならない。
当日、傍聴者も多かったが、みなさん異口同音に「おかしいなあ」と言っていた。

委員会は事実上の結審! 委員長の不思議な変身
もう一つ、見過ごせないことが起きた。この委員会は、事実上「結審」したのだ。こういうことだ。
委員長は、これからのすすめ方を明らかにした。
まず、9名からなる専門部会を選任した。
これは、次回の委員会で審議する、県に提出する基本方針の案をつくるためだという。
この専門部会の案をもとに、次回の第6回委員会で議論したいという。委員長がこれまで表明していた審議方針を転換させた。裁判で言えば、事実上の結審である。後の作業は、判決文案の作成、判決公判ということになる。
これまでの委員会の中身を振り返ると、初回から、委員長は、文化財・辰巳用水のことを議題にするように言っており、委員会の最後はこの問題が議題になると委員を含め、誰もが思っていただろう。
前回・第4回委員会の最後に委員長は、@環境の専門部会は外部から入れず、委員会のメンバーで作ること、Aそれを受けて、委員会で話し合う。
委員会の最後は辰巳用水の話をすると思っていたはずである。
それが、突然、話がすり替わって、専門委員会は整備基本方針の案を作る部会になり、第6回委員会が原案を決める最終会になると言ったのだ。
これでは、辰巳用水の文化財的側面の議論が行われずに、河川整備方針が決められてしまう。
これまでの審議経過を、県の委員会資料や、テープを元に近々に掲載する予定。


―――2003.5.28(水)―――
今日、犀川水系河川整備検討委員会
 今日午後、第5回犀川水系河川整備検討委員会が開かれる。
 犀川水系の環境がテーマだとのこと。

またも公開期限切れ!
 さて、起きてはならない面倒事が一つあった。
 昨日夕方、県河川課から2人の幹部職員が訪ねてきた。
 去る5月9日請求したものが2件あるのだが、公開決定期限日の23日(金)を過ぎてしまったことに関してお詫びの話だった。

 これまでは、期限当日までには連絡があった。当然のことであるのだが、今回はどうしたのか? 昨日、ちょっと気になり、情報公開センターに電話し、しかるべき対処を求めたのだ。
 昼、河川課の担当者から電話があった。
 曰く、「金曜日、公開日の相談で電話したが不在だった。土曜でも、月曜にでも連絡すればよかったのですが、結果として公開日が条例の期日を過ぎてしまった。申し訳ありません」
 なんともはや……(+_+)。
  その結果、幹部職員の訪問となったわけだ。昨年の都市緑化フェア資料でも同様のことが起きたが、この時は担当職員が陳謝にやってきた。
今回の訪問は管理職なので、県も陳謝の仕方に去年から進歩があったのかもしれない(+_+)
 さて、二人の管理職とは、河川課ダム建設室の高野室長と山本課参事。
条例では、公開請求されて14以内に文書を特定し、請求者に文書で知らせなければいけない。延長の必要な場合も同じである。
 今回、またもや条例の手続きを踏み外してしまった。
 一般に行政は、市民からどれだけ強く疑問が出されても、法に従って仕事をすることで事業を進めることが可能となる。こうした初歩的な手続きを怠って、その事業の妥当性を訴えても誰も納得はしない。
 「役人は、休まず、遅れず、仕事せず」という格言がある。たとえ仕事をしなくても、決められた仕事に対して、「休まず、遅れず」やっている以上、懲罰などの対象にはならないのだが、今回の事件についてこの陳謝だけで終わっていいのだろうか? 担当職員や監督の立場にたつ幹部職員の責任はどうなるのだろうか?
 格言について一言付け加えておこう。
 「仕事せず」とは、ボーっと一日椅子に座っていることではない。無駄な仕事をしていることを意味するのだ。本来しなくてもいいことを旧来の役所の習慣で、仕方なくやっていることだ。仕方なくという意識があるうちは改善の余地はある。しかし次第に見えなくなる。今おこなっている自分の仕事の意味を考えることなく惰性で動き、これを仕事と勘違いしているのだ。県も行政改革を旗印に掲げた。しかし他県の見よう見真似では、新しい仕事せず職員をつくるだけだろう。
 それにもう一つ。この間、1階の情報サービスセンターの姿がいっこうに見えないのが気になる。市民からすれば、情報公開の窓口は1階のセンターである。当然、日程の管理などもしている。公開期日の遅れについて把握しているはずである。請求書を所轄の担当部局に回すだけなら、正職員などいらない。緊張感が欠けているとしか思えない。

味噌も糞も区別できない?
 訪問者二人の肩書きにも疑問がある。
 ダム建設室の室長と課参事である。なんでダム建設室がこの公開事務に関係しているのか? 訪問するとしても、本来、河川課を代表したしかるべき人が来るべきなのだ。ダム建設室ではないだろう、と思う。

 これは、現在継続している犀川水系河川整備検討委員会を傍聴していても疑問を感じていたことだ。
 この委員会は、河川法16条にもとづいて、河川整備基本方針を策定するための一環と説明されている。その会議の席上、河川課の資料説明や答弁をダム建設室の職員が行っている。ダム建設室は、ダム建設のための部署である。ダムに関する質問には技術的説明はしてもいいだろうが、ダムに関係のないことについて、ダム室が堂々と説明をしている。河川課には計画係、治水係、水政係、企画調整係など色々ある。こうした人たちが連携して説明に当たるべきなのだ。ダム建設が決まれば、ダム建設室が粛々と仕事をすればいい。どう考えてもダム建設室が委員会の席で大きな顔をしているのはおかしい。恐らく河川課は、味噌も糞も区別がつかなくなっているのだろう。
 こうした問題を、近く県に申し入れるつもりでいる。
 一般市民が、常識的な意見を言い続けていかないと、行政というところは、閉鎖性水域と同様、次第に腐敗し酸欠に陥る。自然回復力なんて期待はできないのだ。

パワーポイント情報は不存在……なぜ?
 今回請求したものは、犀川水系河川整備検討委員会で県が行ったパワーポイントの電子情報だったが、これは文書不存在として非公開となった。県の説明によれば、「パワーポイントは成果品として発注の範囲に含まれていないので、持っていない」というのだ。
 しかし、この説明は妥当か? 公文書でもない電子情報=パワーポイント=が委員会で公開・演出されたことになる。
 パワーポイントは一種の紙芝居である。大げさな表現も可能で、使い方によっては会議を誘導する。本来厳密な検討には必要のないものなのだ。写真の使い方で演出なども可能だ。巷では、このパワーポイントはプレゼンテーションの手段として多く使われている。要するに自説を補強し説得するための手段として使うのだ。
 事実、先の委員会で、河道拡幅案を説明するとき、県はパワーポイントで、堤防・法面をのっぺらぼうにコンクリート様に塗り固めた加工写真を大きく写し、「例えばこういうイメージになります」と、あたかも河道拡幅は環境を台無しにするというように使っていたのだ。
 この、パワーポイント情報の不存在・非公開処分は、別途、吟味し検討してみたい。必要なら処分に対して異議申立をすることになろう。
 そのために、先日、委員会資料作成のため外部へ発注した資料などを請求してある。

 さて、委員会の時間が迫ってきた。傍聴へ今から出かけよう。


―――2003.5.15(木)―――
辰巳ダム計画はすでに破綻していた
  「犀川中小河川改修事業全体計画書(昭和47年度)」なる文書に「犀川河川改修計画報告書 河道編」が綴じてあり、「犀川河川改修計画の概要」に縷々説明がある。この計画書は、内川ダム完成後の河道改修計画であるが、次の記述がある。
  「昭和38年、本川上流見定地内に洪水調節を含む多目的ダムが築造されたのをはじめ、左支川内川に同様規模のダムを現在建設中で、昭和58年以降には、できれば辰巳地区にもダムを作りたい方針でいる。」
 この記述は何だ?
 また、この資料に「巻末計算書」があって、次のものが添付されていることになっている(資料が抜けていて分からないが目次にある)。

 水面追跡計算アウトプットデータ(ケースG)
 ・ケース1 1/2超過確率流量による水面追跡計算
 ・ケース2 計画高水流量による水面追跡計算
 ・ケース3 辰巳ダム築造不能の場合の高水量による水面追跡計算

 これらの資料で分かるのは、内川ダム完成後の河道改修計画に、辰巳ダム計画が織り込まれ、辰巳ダムが出来ないことも考慮した計算が行われていることだ。この計画によってその後、河床底の掘削が行われ、現在の犀川の姿がある。

 この計画書には詳細な図面も添付され、川幅・堤防高・計画高水・河床高の比較検討がされ、辰巳ダムの位置も記載されている。
 この図面で分かるのは、辰巳ダムの有無に関係なく、前回(4/30)書いた堤防の低い部分2カ所から洪水が発生することだ。
 この河道改修計画に、河床掘削と同時に2カ所の堤防補修を入れるべきだったのだ。なぜこれを入れなかったか不思議である。辰巳ダムを作るため? いや違う。辰巳ダムが完成しても2カ所からあふれるのだから。「河川管理者の怠慢」としか言う言葉が見つからない。「辰巳ダム計画はすでに完全に破綻した」と断言してもいい。これ以上の計画推進のためのあらゆる施策は税金のムダである。
 これらは、別ファイルとしてまとめたい。

最近の資料請求文書をまとめておく。
 5/8「かたつ工業団地造成事業の起案から計画決定、内容、入札などの資料(金沢市へ)
 5/9 @犀川水系委員会に提出された部会報告の訂正される前のもの
 A各委員会でパワーポイントで説明された電子情報
5/13 2001年8月に行われた河北潟西部承水路の植生調査記録
5/15 犀川水系委員会用の資料作成の発注、納品、契約などの資料
5/15 @河北潟の2つの水門の管理規定(マニュアル
  A津幡川の河口水門(堰)の管理規定(マニュアル)

 明日、請求しようと思っているのは、次のもの。
 @S42年・内川−浅野川治水ダム建設事業実施調査委託工事成果報告書(第3回) A同(第4回) BS42年・洪水解析についての資料
これらは、保管文書の簿冊bP01〜103のもので、かつて行方不明だった永年保存文書である。


―――2003.4.30―――
新資料から、またまた新発見!
 中さんのホームページの表紙が一新した。
 話題の「金沢の洪水を考える」シリーズに、11と12が追加され、新しく、「犀川の渇水」シリーズも始まった。
 「金沢の洪水を考えるNo.11」で犀川の流下能力を検証している。曰く――、
 「(素人の追及)「犀川大橋地点の実際の流下能力はいくらなのだろうか?」と、友人の素人(固定観念にとらわれない人)に尋ねられて小生(いちおう玄人、固定観念にとらわれている人!)は答えた。「県が言っているように1,230m3/秒だろう。そんなことまで、疑っていては話が前に進まない。県の技術屋がまとめたのだろうが、技術屋はまじめだから、いい加減に決めるわけもないし、明確な根拠もあるはずだ。」 ところが、疑い深い!友人の弁に、若干、気がかりになり、県へ説明と根拠となる文書を公開請求することにした。」
 ――とある。
 この素人なる人物は、私のことのようだ。
 2年ほど前から、この流下能力なる数字の根拠を探していた。県の河川課に聞いても、「分からない」とのことだった。これでは、資料請求しても「不存在」として出てこないことが考えられ、資料請求を躊躇していた。県の担当者は「数字が書かれている以上、その根拠となるものはあるはずだ。探してみたい」と言っていたのでわずかに期待していた。
 しかし犀川水系河川整備検討委員会が始まったものの、担当者からは「探している……」の返事ばかり。こうした基本数字の根拠が曖昧なままで、委員会の審議が進められていいはずがない。「これでは困る」と資料請求したのだ(中さんも同様に資料を請求していた)。その結果、なんと2つの流下能力計算資料が出てきた。
 2000(H12)年度作成「犀川現況河道の流下能力評価」なる資料は、県の公共事業評価監視委員会が「辰巳ダム計画は理解する」と結論を出した翌年、県が調査委託していたもの。知らないはずがない。県はこれらの存在を曖昧にし、隠していたことが分かる。
 以下は、公開された2つの資料である。
 @「犀川中小河川改修事業全体計画認可設計書/添付図面」(S47)
 A「犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)犀川水系河川整備計画作成業務委託参考整理資料/犀川現況河道の流下能力評価」(H12)

1000万円の工事で100年確率の洪水に安全である

 Aの資料は、基準点・犀川大橋を中心に、河道断面と堤防の高さ、計画高水の関係をグラフ化した、現状の解析資料である。堤防の低い部分で計画高水が超えるのだが、この低い堤防部分はごくわずかで、雪の捨場として堤防の一部を切り下げた部分もある。
 この堤防の低い部分を嵩上げする簡単な補修工事で、流下能力は、1,460m3/秒に高まることが分かるのだ。この数字は、犀川水系河川整備検討委員会で検討している基本高水が、流下能力の範囲に収まることを示している。

 中さんは、この工事費を1000万円だと試算した。(県の計画高水を仮に妥当なものとしても)わずか1000万円の費用で、犀川は100年確率の洪水に安全であり「ダム建設案が安上がりで最適」とする結論など出るはずがないのだ。
(付記=中さんの1000万円に対し、私は10万円で十分!と主張している。犀川ダム・内川ダムの遊休水利権を治水に転用するための調整会議を開く費用である……(^-^)

 これら流下能力の資料は、もし素人の私が、犀川の流下能力に疑問を持たず、情報公開の申請もしなかったら、陽の目を見なかった資料で、こんなにも重大なことがヤミに葬られるところだった。
「行政とは疑ってかかるもの、常に監視すべきもの」
『ミシェル 城館の人』(堀田善衛)は真理である。
   ………………………
 詳しくは中さんのホームページ「★金沢の洪水を考える」へどうぞ。

最近の目次を下に紹介します。
 ★No.11 犀川大橋地点の流下能力は?
 従来,県は1,230m3/秒と説明していた.その根拠を尋ねると、県の担当者はよくわからない風であった.やっと出てきた資料では,!
 ★No.12 石川県の犀川河道改修案は500〜900億円だが、筆者の犀川河道改修案は1千万円!
 県の河道改修案はやはり、抜けていた. 最も簡単で容易な案!
 ★No.13 昭和36年の第二室戸台風で犀川大橋地点の右岸が決壊した!
(近々に、掲載予定)犀川の氾濫をふせぎ、県民の生命と財産を守るために辰巳ダムが必要と、県は主張するが,
 ★No.14 もし氾濫するとすれば犀川大橋地点ではない!
(近々に、掲載予定)
犀川の流下能力を制限するのは犀川大橋地点ではなく、鞍月用水を取水する「油瀬木」の上流の城南川上で発生する?
  ………………………

―――2003.4.16(水)―――
県議会選挙終わる
 久しぶりの更新になります。この間、仕事や部屋の大整理、「住基ネット・希望選択制を求める金沢市民の会」の発足、パソコンのトラブル…など、いろいろ重なった。あっという間に県議会選挙も終わった。
 選挙と言えば、特設ページに書いた「議会とは何だ? 議員とは何だ?」の小文が意外に反響があった。あちこちからメールを頂戴。感謝。

住基ネット・希望選択制を求める金沢市民の会が発足
 (ホームページ開設 ★http://juki.popolo.org/)
 金沢市議会議員選挙が行われる。「住基ネット・希望選択制を求める金沢市民の会」(世話人:中垣たか子・渡辺 寛)が、市議候補にアンケートを実施した。まだ集計はできていないが、これまでの市議会の議事録を見ても、この問題では議員も市側も、ほとんど問題意識を持っていない。モノを言わない金沢の風土に一石を投じることが出来るか?

犀川の流下能力資料を請求
 先日、犀川の流下能力の計算根拠を示す資料を請求した。犀川の流下能力は1230t/秒とされているが、その根拠を示す資料を今まで見たことがない。また、過去からさまざまに流下能力を拡大するための工事=河床掘り下げや堤防補強=などが行われている。先の犀川水系河川整備検討委員会では、この数字を前提にして議論されているが、この数字は妥当なものかどうか? 疑問があったのだ。
 犀川で、過去100年で最大の洪水とされる、昭和36年の第二室戸台風で、どれだけの被害が出たのか? この時の破堤状況はどうだったのか? この時、犀川の流下能力はどれだけだったのか? 運良く(?)知人がこの洪水被害を池田町で体験していた。中さんを誘って、4月3日、知人を訪ねた。洪水は「破堤」であった。濁流が堤防を乗り越えたのではなかった。つまり当時の流下能力を超えてはいなかったことがわかる。昔からの石積みの堤防が濁流に洗われて決壊し、ここから市内に濁流が流れ込んだということである。もしこの堤防が頑強なものだったら破堤はなく、市内への浸水はなかったと考えられる。この洪水の経験から石川県は堤防の補強や、流下能力を高める河床掘削などを実施し、現在では大幅に流下能力を高めているのだ。過去100年の既往最大洪水にも十分対応可能になっているはずなのだ。
 県の資料などでは、過去の洪水の説明で、「破堤や越流など」と簡単に書いてあるが、破堤と越流は根本的に原因が違う。
 いずれ、中さんが詳細に検証してくれることと思う。
 なお、中さんのホームページで「金沢の洪水を考える」シリーズが話題である。あるメーリングリストに紹介したら、感謝のメールが何通か届いた。彼のHPのアクセスカウンターも「ウナギ登り」である。良かった良かった(^-^)

河北潟関連資料請求
 河北潟の農薬空中散布中止の資料、河北潟西部承水路のホテイアオイ除去工事の資料などを請求し入手。前者は石川県津幡農林総合事務所、後者は石川県津幡土木事務所へでかけた。いずれも情報公開されたのは初めてだとのこと。大勢の幹部職員に取り囲まれた……(^○^)
 それぞれに様々な問題がある。いずれファイルにまとめる予定。


―――2003.3.27(火)―――
緑化フェアの「文書索引」を入手
 懸案の緑化フェアを調べるための準備が出来た。索引だけでもかなりあるから、ここから緑化フェア全体像を理解するのは、これまた大変である。

選挙・議会・議員・調査権…などを考える
 選挙が迫ってくると、わが家にも色々な人が訪ねてくる。候補者を紹介したパンプレットを配り、お願いしますと頼まれる。角を立てないため、分かりましたよ、と返事する。どのパンフレットもお金をかけ、カラーである。人間性を紹介し、候補者のやる気をアピールしている。しかし今の地方政治に対してどういうスタンスをとるか? 何を重点にやるのか? 肝心の政策部分がほとんど書かれていない。こうした疑問をもって、「議員とは何か」を考え、特設ページに掲載した。
【★こちらへ】


―――2003.3.18(火)―――
「都市緑化フェア文書索引」が公開されることになった。午後4時、県情報  サービスセンターへ出向いた。
 全部で170ページ。1700円也。
 この中の文書が全部公開されるとは限らない。請求があれば、その都度、公開すべきものかどうか判断するのだとのこと。以前は文書起案すると同時に「公開・非公開・一部公開」の区分けをして管理していたのだが、やり方が変わって、請求があった時点で決めるのだとのこと。このあたり、ちょっと調べる必要がありそうだ。
 公開請求書を3枚書いてきた。
 ・緑化フェア文書索引作成についての指示等の伺書一式及び文書引継に関する資料
 ・河北潟の農薬空中散布中止に関する資料一式(専門家の調査報告、内部伺書、説明資料など
 ・河北潟西部承水路工事についての部内伺書、工事内容の分かるもの

戦争へ! アメリカ帝国の設立宣言
 今日は歴史に刻まれる日になった。2003・3・18。
 午前10時。ブッシュの声明を聞いた。フセインを批判する理由が、そっくりそのままアメリカに当てはまる。
 かつてアメリカがパナマへ侵攻し、一国の大統領を麻薬を理由に逮捕したことがある。アメリカの裏庭を掃除したのだが、今回は裏庭掃除と質が違う。世界中の世論を敵にまわした。歴史的には、スペイン帝国、イギリス帝国に続くアメリカ帝国の設立宣言である。日本は惨めな姿であった。帝国の玄関先にホウキを持って立っている。
 「★特設のページ/アメリカ開戦・その時」を更新した。


―――2003.3.14(金)―――
脳天にガーンと一発
 金沢市役所へ電話した。国民健康保険の金額を確認するためだ。わざわざ市役所へ出向くのも面倒だから、近くにある市民サービスセンターで教えてくれるかと思ったからだ。ところがびっくり。信じられないことが起きた。
 保険年金課へ電話が回された。
 女性職員「ここでお教えできます。住所とお名前をどうぞ」
私「便利でありがたいが、疑問がある。この電話が本人かどうか、どうしてあなたはわかるか。本人確認をしないで電話で答えてもいいのか。個人情報の 保護が問題になっているのに……」
 女性職員「お待ちください」
  男性職員「これまで電話で名前と住所を電話で確認し、お教えしています」
 私「他人が本人を名乗っているかもしれない」
 男性職員「他人を名乗ればそれは犯罪です」
 私「しかし住所と名前だけで教えている。本人確認なしで」
 男性職員「役所にきて正規の手続きをすれば300円かかりますよ」

 以上のようなやりとりがあった。男性職員は「保険年金課担当課長補佐」と肩書きを名乗った。管理職ではないとのことなので名前は伏せる。
 この職員の説明は明らかにおかしいのだ。
 金沢市には「金沢市情報公開及び個人情報保護に関する条例」があって個人情報の公開には厳しい手続きがある。
 それに300円の手数料などは必要がない。無料である。明らかにおかしな説明を担当課長補佐なる人物がやっている。
 たかが保険料と思ってはいけない。この数字からあらゆる情報の取得が可能だ。こうした情報が簡単に他人に知れる。
 情報公開の窓口へ電話をして聞いた。
 担当職員「それはおかしいですね。調べてみます」
 さて、どうしたものか? この金沢市という役所!!
 河川台帳が38年間も常備されていない河川課や、今回発覚した保険年金課のことなど……。やはりこの金沢市という役所は腐っている。長年の「百万石同族意識」が生み出した結果なのだろうか。「脳天にガーンと一発」が必要なのだ。


―――2003.3.5(水)―――
大荒れ?の犀川水系河川整備検討委員会小委員会
 今日は犀川水系河川整備検討委員会小委員会がある日。
 午後1時半。参加した。
 大荒れ?となった。★詳細はこちら。

金沢市ピッカピカの河川台帳。これまでの責任は誰にあるのか?
 今日は忙しかった。朝10時、金沢市の水利台帳の公開。本来河川台帳は常備され希望者に閲覧義務のあるものだから、情報公開条例にはなじまないのだが。
 見ると、しっかり「水利台帳」として新しい紙に書式がいっぱい綴じてある。作ったばかりの新品だ。しかし法的に常備が義務づけられているものが、なんでこれまでなかったのか?
 「今まで作っていなかったのは違法になるが、この責任は誰にあるのか? 市民への謝罪などすべきだと思うが?」
担当者は無言。
 「今日は情報開示で来た。この問題と性質が違うから近日中、市長への公開質問をすることにする」と、この問題の重大性を訴えて、必要な書類のコピーをもらって帰る。


―――2003.2.23(日)―――
河川台帳の請求が取り下げになっていた……なんで???
 金沢市へ河川台帳を請求した件。河川法で定められた台帳がないことがはっきりした(1/9参考)。
 こうしたことを資料で明確にするために資料請求した(3/3)件で、公開指定期日が過ぎても連絡がない。先週金曜日(3/21)、市の公開窓口へ連絡を入れた。担当者は出張だと言う。請求書の確認をしてもらった所、「請求を取り下げたことになっている」とのこと。
 これは変だ。
 ファックスで資料請求をし、確認のため電話を入れた時、担当者から、「河川課で台帳がいくつかできている。見に行かれたらどうですか」と言われた。以前、河川課と話したとき「早急に作らないといけない」と要請し、河川課も「作る」と答えた話だから、台帳が出来ているのは結構であるが、その話と、請求の取り消しとは違う話だ。担当者は何か勘違いをしていたのだろう。
 明日、確認をしなくてはいけない。

住基ネットで小集会
 昨日、知人宅で、住基ネットの小学習会が開かれた。私も招かれて参加。なかなか住基ネットの仕組みもややこしく、個人情報が漏れる事件などが全国で起きており、ほとんどの国民にまったく役に立たないこの住基ネットであるが、制度が出来てしまった今、地方自治体は、せめて横浜市のように選択式にすべきだと思うのだ。国立市のように離脱が正解であるが、必要を感じる人だけが利用できる登録制という道もある。
 杉並区や横浜市など既に離脱している5つに、国立市の7万2000人を加えると、不参加者数は、6自治体で計約445万人に上る。
 今日、昨日参加されていた人から電話があった。「どうも宿題を抱えているようで後味が悪い。この問題で声を挙げるべきではないか?」と。賛成した。後日相談のため集まることになった。

更新情報もここに入れます。
 あれこれファイルを整理しているが、このホームページ、思いつき(無責任?)で様々更新している。更新履歴をたどることが困難なので、この日誌に作業報告?として載せておこうかな。
 最近のものでここに載せていないのが、
 
★基本高水とカバー率を考えるリンク集
 これにはダム問題の基礎情報がいっぱい入っている。


―――2003.2.17―――
県へ「辰巳用水・兼六園・潅漑面積と水」の要請に行った。
 河川課の会議室で、幹部へ要請。様子や要請書などは、別ファイルにしてあるので参照を
(★こちらへ)
 中さんも同席。彼の弁を借りれば――
 「問題をぶつける先が間違っているのかもしれない。あなたたちと話していても当事者という感じが全くない。一体どうなっているのか。いつもいつも上へ上げて検討していきたいだったら、来年もまた同じこと。このまま問題を放置したままずっと行くのか?」
 毎回同じような話が続くので気疲れしてしまうのだが、
対面している等身大のお役人たちは、それこそ無限大の権力と資力を背にした巨大な壁だ。
 今日の「ご対面」を通して再確認出来たことが一つ。「行政は過ちを認めない。誰よりも速く正確に知っているが口に出さない」。哀しい行政組織の宿命でもある。
 16日(日)から鬱状態(?)だ。犬虐待の現場を見て以来、頭から離れない。これは特設ページで追いかけることにするが、気が重い。


―――2003.2.13―――
県から連絡があった。
 犀川ダム管理規則でダムから放流している水量が細かく決まっている。その中に潅漑用水のための水量を細かく決めている。その数字の根拠を請求したものだが、どういう資料が出てくるのか? 以前別の請求でどうしても出てこなかったもの。公開日は2月19日午前10時である。

 資料請求をした。
 @明治河川法において、辰巳用水が水使用の許可を受けたとする申請、許可資料
 A石川県規則第40号「石川県河川取締規則」(s29年制定)
 これらは、昨年11月1日に河川課から回答のあった辰巳用水と兼六園の水使用についての批判文を作っていて、確認のために請求した。それぞれが重要な資料なのだが、果たして出てくるか? 県庁移転ですっきり掃除されているかもしれない。


―――2003.2.10―――
大阪のシンポジウム無事終了
 2月2日朝、大阪へ出向いた。春に大阪で開かれる「世界水フォーラム」に関連して市民グループが企画したものだった。100名くらいの参加者で、なかなか熱気のある会議だった。
(★講演録 と ★資料)

ため池等整備事業(湖岸堤防工事)

 1.16に書いた「河北潟の堤防工事」についての資料を入手。この工事の名称、正式には「ため池等整備事業(湖岸堤防工事)」という。200枚ほどの資料を見ているが、何故「ため池」なのか、よく分からない。河北潟はため池なんかじゃない。れっきとした2級河川大野川水系の一部になった湖沼なのだが……。
 河川と農林の協議資料もある。この中でどういうふうに考えられているのか? 土地改良法はまるで伏魔殿のような法律体系である。農村環境改善や農地整備のために作られた法律であるが、この法律によって何兆、何百兆の補助金が国や県から投入され、全国の農村が荒廃したのではないかと思っている。これを調べるのは大変である。その端緒がわかるかもしれない。


―――2003.1.26―――
専門部会傍聴メモ
  「専門部会」へ行って来た。長時間、難しい用語が飛び交い、聞くのもなかなか大変なのだが、部会長の辻本先生が、べつに素人の傍聴者のためにやっているのではないのだが、議事進行のため上手にまとめてくれる。これが大変参考になる。
 とりあえず、翌日の日曜日をつかって議論のテープおこしをしてみた。全部は大変なので、部会長の発言だけをとりだしてみた。大筋の流れとか、考える基礎とか、基本数字などがよくわかる。前編として休憩までの議論を「辰巳用水と辰巳ダム」のページに紹介した。
(★こちらへ)
 議論の中心は、降雨と流量を決める「基本高水」だったが、後半では、ダムなど河川工事などの対策で流量が抑制され、実際に洪水となって出てくる「計画高水」の話も出てきた。県は洪水対策のためいくつかの案を紹介していたが、一つ重要な対策を提案していないのだ。私がずっと追いかけている「既存ダムの有効活用」という問題。つまり昭和40年に完成した「犀川ダム」に金沢市が持っている工業用水の遊休(未利用)水利権のことだ。
 休憩後の後半質疑の中で、浅野川の洪水問題が出てくる。両河川は導水路でつながっている。浅野川から流入してくる170t/秒を前提にした今回の基本高水の計算だから、両河川の流域上流で同時に洪水が起きる確率は、1/100どころか、1万年に1回あるかどうか、という話も飛び出した。内川の上流の洪水発生も加味しなければならない、という話も出てくる。今後、3つの河川の上流域の流量なども検討されることになる。3流域で同時に洪水が発生して始めて県の計画が機能するのだ。少なくとも計画上はそうだ。そんなことは天文学的微少確率じゃないの? 素人目にそう思う。技術専門部会ならではの、おもしろい話である。こうして出される委員からの疑問や質問に、県河川課は答えなければいけないのだから河川課の担当者は大変だ。今後の議論には目が離せません。
 県のホームページに開催発表が昨日だったことを、事務局連絡のとき、「お願いしま〜す」と手を挙げ、傍聴者からの要望として話した。河川課長から「手違いがあり、申し訳ありませんでした」と陳謝。これからしっかりするだろう。……そうかな?
 これからますますおもしろくなります。大勢でこの議論を傍聴に行きましょう。
 隣で一緒に傍聴していた中さんと、「この辰巳ダム問題がなければ市民もこんなに学習はしなかったろうし、あんたとも知り合えなかったなあ」と顔を見合わせた(^Q^)


―――2003.1.23―――
農林の資料が来週公開
 来週28日(火)、河北潟堤防改修の資料が公開される。敵対関係?の河川と農林がどのように「協議」したか? 土地改良法による様々な工事が農業環境を破壊してきた実態に触れることができるかもしれない。

犀川水系河川整備検討委員会
 「河川計画専門部会」が開催されます。公開です。
  1月25日(土)第1回委員会
   午後1時半、地場産業振興センター

中村高畠用水の資料掲載

 「中村高畠用水/根拠のない錯誤申請」としてまとめました。なかなかおもしろい問題だと思っている。
(こちらへ)


―――2003.1.21―――
河川指定とは施設管理のため?
 「河川指定」とは、国が直接管理する河川を「1級河川」、都道府県知事が国の法定受託事務として管理する河川を「2級河川」、市町村長が管理する河川を「準用河川」として指定する。指定されない河川を普通河川と言う。
この指定の文書(告示)を見ると、「左岸、×××町○○番地から○○番地、右岸、××町○○番地から○○番地」というふうに書いてあるだけである。
【参考 → ★石川県2級河川指定の告示】
 昭和河川法(S40.4.1施行)は、水系一貫管理が原則だから、指定した河川全体を支流も含めて管理するものだと思っていたが、違うのだ。本流だけの話であった。河北潟に注ぐ森下川、涌波川の資料を見て分かったこと。
涌波川から金沢市営工場団地・テクノパークの工業用水を取水しているため調べてみたのだ。
 この涌波川は複雑な河川指定がされている。この川は、河北潟に注ぐ2級河川指定の森下川の支流。この指定は上流の釣部町で切れる。この上流は金沢市指定の準用河川となっている。しかしこの指定も約2km上流で切れる。その上流は指定なしの普通河川である。本流だけみてもこのように指定が変わる。何本もある支流は指定なしの普通河川。 涌波川周辺の地図を参照下さい。【★こちら】
 地図上の上涌波町から下涌波町の谷が涌波川である。
 これらから見えてくるのは、河川指定とは、堤防の管理=お金の出所=であって、水の管理でないことが分かるのだ。


―――2003.1.19―――
二つの資料を作った。
 ◆犀川七カ用水では潅漑面積が激減(★こちらへ)
 ◆犀川七カ用水の慣行秩序と水利権行政の混乱(★こちらへ)
 これをまとめながら、改めて行政がこうした問題を放置してきたかを実感した。
 1級、2級河川など「河川指定」をみてもわかるのだが、「河川管理者」は、河川堤防など施設を管理しているだけで、水を管理していないのだ。


―――2003.1.18―――
大阪から講演依頼
 「APECモニターNGOネットワーク」という会から「水利権」について講演とパネラーへの参加依頼があった。
 この会は、APEC(アジア太平洋経済協力)やWTO(世界貿易機関)が目指す貿易、投資の自由化が、人々の生活、生態系などの環境に及ぼす影響について研究し提言することを目的に、関西を中心に活動しているNGOである。経済のグローバリゼーションの影の部分に目を向けている日本でも数少ない団体だとのこと。かなり硬派のネットワークである。
 この会がなんで私に依頼を?と思った。テーマは「水利権」だという。ホームページに紹介してある過去の資料を見ていて、なるほどと思った。
 環境問題に関わる団体には、総論と自分たちだけの思い語るところが多いが、この団体は関西で水問題、ダム問題に直接関わっている。問題解決のキーワードとなっている「水利権」を学ぼうと今回の企画になったようだ。
 関西と言えば琵琶湖と淀川。淀川河川整備検討委員会が「淀川では今後ダムを作らない」と大きなニュースになっていた。今回のパネラーにも関係者が参加する。
 詳細はこちら。
  『水の自由化・商品化を考える連続学習会』2月2日(日)午後1時
  第4回「流域から水を考える=水循環の中から見えてくる水=」
 APECやWTOについては、次の報告が参考になる。
  中部の環境を考える会例会報告  ジャパン・ウォッチ報告


―――2003.1.16―――
河川法と土地改良法の狭間――20条協議
 河北潟周辺で地盤沈下が進んでいる。様々な工事がおこなわれている。
 その一つ、競馬場近くの堤防を補修する工事のこと。1月14日、この工事の全体像を知りたくて資料請求のため県に出向いた。
 工事担当の職員が来て、工事名などを教えてくれた。
 正式には「石川県河北潟湖南地区県営湖岸堤防事業」という。
 河北潟は県指定の大野川水系、2級河川である。堤防工事は河川課の担当だと思っていたが、担当課は農林水産部農村環境課農地保全係という。なんともややこしい。全額国や県からの補助事業だという。補助の名目は、土地改良法による「ため池整備事業」だとのこと。河北潟はため池か……??
 河川法で義務づけられている「河川整備基本方針・河川整備計画」もなく、洪水量(基本高水・計画高水)も明確でないのに何を根拠に堤防の高さを決めるのか? この堤防周辺は「圃場整備」と称して、田圃の嵩上げ工事(盛土80〜100p)が進んでいる。田圃を高くすると集落は穴状になる。浸水が心配だ。整合性のある工事なのだろうか? いろいろ疑問が残る。

 河川法20条に「河川管理者以外の者の施工する工事」の手続きが書いてある。今回のような工事は県の農林部の事業だから「農地整備の工事をなす知事」が「河川管理者たる知事」へ許可を求めるというややこしいことになる。こういう場合、農林と河川が協議をおこない、その協議の結論をもってこの許可に変えるとなっているらしい。この協議を「20条協議」という。
だから、この協議の内容を見ると、いろいろ分かってくるはずだ。2週間で、資料が出てくる。これを吟味したい。

土地改良法については、岡山市総合政策審議会のサイトがわかりやすい。こちら→「★土地改良事業とは」


―――2003.1.9―――
県庁移転・文書廃棄・公文書館
 昨年末〜新年、石川県新庁舎に職員総出で引っ越し作業。新聞やテレビなどが大々的に取り上げた。
 一連の報道の中で特別に光っていたのが、北陸中日新聞の記事。12/8 と12/11 の2度取り上げている。
 「天下の書府」が泣いている。公文書館なき県庁移転。歴史的価値見過ごされ廃棄……」
 と警鐘を鳴らす。
 また、記事は、全国の公文書館を紹介し、石川県と三重県の2県に公文書館がないことを指摘し、歴史を軽視する石川県の姿勢を批判している。

 移転の際、大量の「公文書」が廃棄された。職員が個人的に収集している文書や、保存期限が切れ規定上保存が義務づけられていない公文書が廃棄されるのは違法ではない。しかしこれは正当かどうか? 大いに疑問が残る。

 確かに県の文書管理規定に則った文書の廃棄であるのだが、保存期限を過ぎた文書であっても、歴史的価値があるものも多いはずなのだ。県も一応これを認める。
 「公文書を歴史資料として保存し、県民の利用に供することの重要性を認識している」
 「庁内説明会で不要文書の廃棄を指示した際、併せて重要な文書の保存も注意を喚起した」(12月議会)
  昨年4月改定した文書管理規定で「廃棄すべき文書の歴史的価値を持つものの取り扱いは別に定める」とある。
 この別途の措置とは、県立公文書館の設立以外にない。石川県でいえば、郷土歴史博物館を活用すれば簡単である。
 資料を紹介しておく。
 ●「近現代史料の管理と史料認識」(鈴江英一著)
    A5判/上製/636頁/10000円
 ●「文書館運動の周辺」(高橋 実著=茨城県立歴史館首席研究員)
    B6判/254頁/並製本/2800円(残部僅少)

 こうした手だては一切取られることなく、県庁は移転し、文書が廃棄された。
私が、98年9月、初めて公文書公開を石川県に請求してからずっと感じてきたことと共通する問題である。

 私が直接関わった問題を紹介する。
辰巳ダムの認可課程の資料を請求したときのこと(98.9.22)。当時、保存期限が過ぎており「不存在」との処分だった。
 しかし後で分かったのは、請求時点で文書庫に残っていたのだ。本来なら手続きを踏んで廃棄、あるいは保存すべきなのだが、ホコリにかぶったままだった。資料請求があってはじめて倉庫を見に行って分かったのだ(これは当時の河川課長から最近聞いた話だ)。
 河川課はどうしたか? なんと300件を越える文書を一斉に廃棄したのだった。これらは「廃棄文書一覧」という公文書で判明した。文書はいったん廃棄されてしまえばオシマイだが、廃棄そのものは手続きに従って行われるため、手続きの決済文書は残り、この決済文書を請求して分かったのだ。

 当時、情報公開制度に詳しくなく、情熱?もなかったため、「昔のもので不存在ならしかたがないな」程度の意識だったが、実際は倉庫に眠っていた。
この詳細は別途資料でまとめたい。

金沢市よ、おまえもか!
 昨年、金沢市へ請求した資料がある。「金沢市指定準用河川の河川台帳」なるもの。これは河川法にもとづいて、全国統一の書式で台帳をつくることを義務づけられているものである。
 さて、年末仕事納めの27日、金沢市河川課を訪ねた。
 「***川 河川台帳」と書いたたくさんの冊子状の資料が積んである。しかし、法が求めているものが一切ない。
 課の担当者がいろいろ言い訳する。
 「金沢市ではこれを河川台帳として作成し、公開している」
 当然、こちらも反論する。
 「これは河川法が義務づけている河川台帳ではない。なぜ作らないのか」
 押し問答のような話が続いたが、結局、幹部職員が何人か相談し、「早急に作ります」との話になる。
 「正月休みを返上して作成する必要があるのではないか?」
 と強く要請。
 「年度内には作りたいが……」との話になる。
(なお、ちょうど市役所前でバッタリ出会った中登史紀さんもこの席に同席した。)

 この河川台帳の問題は、ちょっと歴史的な経緯や深〜い意味がある。
 旧明治河川法から昭和河川法(1960.4.1施行)への移行にも絡み、現在の河川管理に直接関係する。
 ひょっとして、金沢市は作成する必要のない「冊子」なるものを作るため、毎年多額な支出しているかもしれない。だとすれば監査請求の対象になる。
 この問題も、別途資料として整理したい。

昨年からの懸案整理
 石川県>河川課から追加回答(潅漑面積減少問題)をもらうこと。
 金沢市>犀川ダム工業用水への監査請求は資料整理中。近く請求。
 石川県>都市緑化フェア資料の件。
 石川県>犀川水系河川整備検討委員会への意見書提出の件。
 調 査>犀川周辺の潅漑面積調べ。
 その他、河北潟のホテイアオイ問題、辰巳用水樋口調査隊、犀滝現地調査、河川指定問題……。まあ、今年も問題山積みです。
 今年は選挙の年だ。どうするか??