8月4日、犀川の流下能力を巡って、県へ公開質問、犀川水系河川整備検討委員会へ申し入れを行った。
内容は、以下のもの。
2003年8月4日
石川県知事 谷本正憲様
兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会
事務局長 碇山
洋
ナ ギ の 会 代 表 渡辺
寛
犀川水系河川整備基本方針策定に関わる流下能力等に関する公開質問状
犀川水系河川整備基本方針策定に向け、現在、犀川水系河川整備検討委員会での審議が進行しています。私たちは、委員会の審議を傍聴し、県が委員会に提出された資料を拝見してきましたが、犀川の流下能力について、大きな疑問をもつところとなりました。
犀川の流下能力がどのようなものであるかは、基本方針策定のための議論の前提です。この数字の大きさによっては、議論の焦点となっている辰巳ダムは不要であるかもしれないし、あるいは逆に辰巳ダムをつくっても対応しきれないことになるかもしれません。
(1) 石川県が犀川水系河川整備検討委員会に提出した基本高水計算資料では、犀川大橋基準点の計画高水流量は1,230m3/sとなっています。私たちがこれまでに入手した資料を見る限り、この1,230m3/sという数次はは実測にもとづくものではなく、根拠が曖昧なものではないかとの疑問があります。この1,230m3/sという数字の根拠について、以下のものをお示しください。
@犀川大橋基準点における、河川断面、河床勾配等の測量を行った年月日、および測量結果を示す図面など
A上記@から1,230m3/sを算出した計算式
B計画高水流量が1,230m3/sであることの根拠となるその他の資料など
(2) 私たちが入手した県の資料「犀川ダム計画書」や「中小河川改修全体計画書」あるいは河川の現状を示す「河川台帳」をみると、犀川の鞍月用水堰上流(大桑橋〜城南1丁目付近)は、1972年当時とかわらず、流下能力は過大に見積もっても615m3/s程度であり、現在の犀川全体でもこの付近がもっとも流下能力の小さい部分であると思われます。
もしこの地点の流下能力が615m3/s程度であれば、県が委員会に示した案では辰巳ダムをつくってもこの地点で毎秒数百立方メートルの水が犀川からあふれることになります。その場合、ここで溢れた分だけ犀川大橋地点の負荷は小さくなり、県の想定する百年に一度の大雨が降ったとき水が溢れるのはこの地点であって、犀川大橋地点ではありません。この地点の流下能力の大きさによっては、辰巳ダムつくってもここでの溢水は防げないこともありえます。
@この地点の犀川の流下能力の大きさを、県は毎秒何立方メートルとお考えでしょうか?
Aその数字の根拠を(1)@AB同様にお示しください。
以上の諸点を曖昧にしたまま委員会での審議を進め、基本方針をつくっては、将来に大きな禍根を残すことになります。委員会での審議の素材とするため、8月11日(月)までに、本質問状に対する回答を文書でいただけるよう求めます。
なお、本状は公開質問状とし、本状および県の御回答は、記者会見や私たちのホームページなどで公開するとともに、犀川水系河川整備検討委員会にも提出する予定であることを申し添えます。
2003年8月4日
犀川水系河川整備検討委員会 会 長 玉井信行様
同 河川計画専門部会 部会長 辻本哲郎様
同 基本方針策定部会 部会長 矢島孝昭様
兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会
事務局長 碇山
洋
ナ ギ の 会 代 表 渡辺
寛
犀川水系河川整備基本方針策定に関わる流下能力等に関する申し入れ
犀川水系河川整備基本方針策定のための御活動に敬意を表します。
私たちは、この間、河川整備検討委員会、基本方針策定部会の審議を傍聴し、県が委員会に提出した資料を拝見してきましたが、犀川の流下能力について、大きな疑問をもつところとなりました。
犀川の流下能力がどのようなものであるかは、基本方針策定のための議論の前提です。この数字の大きさによっては、計画の焦点となっている辰巳ダムは不要であるかもしれないし、あるいは逆に辰巳ダムをつくっても対応しきれないことになるかもしれません。また、この数字は、ダム計画の是非にとどまらず、犀川の治水計画全体、ひいては流域住民の安全に関わる重要な問題です。
そこで私たちは、石川県知事に対し、別紙のとおり公開質問状を提出いたしました。
この質問状で質問した項目を曖昧にしたまま委員会での審議を進め、基本方針をつくっては、将来に大きな禍根を残すことになります。
つきましては、犀川水系河川整備検討委員会ならびに同基本方針策定部会に対し、以下の3点を申し入れますので、よろしく御対応いただけるようお願いいたします。
(1) 委員会ならびに部会での審議において、私たちの質問状と県の回答について、十分な時間をとって御検討ください。
(2) 質問状・回答についての十分な検討が終わるまでは、県の原案承認など、犀川水系河川整備基本計画策定作業をつぎの段階に進めないでください。
(3) 私たちは、委員会や部会に出席して、質問状の趣旨・内容、県の回答に対する私たちの見解を述べる用意があります。私たちを、委員会および部会に参考人として招致してください。
以
上
昭和55年から放置されてきた鞍月用水堰堤上流。
★犀川の流下能力に重大疑惑あり
★犀川縦断図面(昭和47年作成、全体計画書より)
★洪水は鞍月用水、大野庄用水に沿って流れる(標高をたどる)
★写真報告・鞍月用水の周辺
|