index
9/1 9/7 9/8 9/10 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17 9/18 9/19 9/20 9/21 9/22 9/23 9/29 9/30 10/2 10/3 10/5 10/9 10/10
2002.9.1(日)晴れ――――――
9月になった。このツバメ日記を読んだ読者?からメールをいただいた。
・・・・・・・・
(9月1日付)今朝、未明から葦原に出かけ、そっとツバメの「出勤」を見てきました。明るくなるとチュンチュンと騒ぎ出し、一斉ではなく間隔を置いてグループで飛び立っていきましたよ。
ほとんどが南東へ飛んでいったけど、旅立ちなのかな〜、わかりませんが。
・・・・・・・・
夕方にネグラを見ようという人は割と大勢いるが、明け方の様子を見ようなんて、この方が始めてではないでしょうか。ツバメ情報、感謝です。
2002.9.7(土)晴れ――――――
河北潟を訪ねた。たくさん飛び回っている。まだ旅立ちではなかった。
写真でツバメはよく写らない。暗くてシャッタースピードが遅いからだ。
左は、上空を舞うツバメ。右は葦原の上スレスレを舞うツバメ。
【◆参考:ビデオ記録あり=河北潟鳥図鑑=】
2002.9.8(日)晴れ――――――
9月8日の昼過ぎ、ツバメが数羽、わが家前を飛び回っていた。
さては、旅立ちか?
2002.9.10(火)晴れ――――――
昨日は所用があり、河北潟へは行けなかった。
10日夕方、現場へ。果たしてツバメはいるか? たくさん群れていた。まだ出発ではなかった。なぜか安心。しかし、8月末に比べると、全体に統制がとれている、って感じ。
群れて葦原の上を飛び回っている時間が短い。ほんの5分間。数千が固まりになって、順に葦原に入り、すぐ静かになった。8月末は、15分間は楽しむことができたのに。しかし薄暗くなっても数千の一団が、空高く舞っている。
高いので気をつけないと見えない。これを肉眼で追いかけるのだが、葦原に入ったのかどうか、暗くて分からない
2002.9.11(水)快晴――――――
ラッシュで遅くなり午後6時半に現場に着いた。陽が落ち薄暗い。静かである。虫の声だけがする。
さては、今日が旅立ちだったのか? 明日、確認にこよう。
2002.9.12(木)快晴――――――
旅立ちの確認のため、早めに来た。
普通なら、途中、何羽かのツバメに出会うのだが、見えない。現場に着く。5時50分。まったくツバメがいない。6時の時報。数羽のツバメが空から沸いたかのように葦原の上にヒラヒラしている。これからどうなるか?
6時15分。だんだん多くなる。
数千? 数万? ツバメがあちこちから集まってくる。周辺の畑の上スレスレに飛行し、葦原めがけてくる。
時々、目の前をドドドッ、サササッと数百が通り過ぎる。空を見上げると、無数のシミのように、ツバメが舞っている。大きく輪を描いているように見える。
6時25分がピーク。
数千の集団がいくつも出来ているように見える。
それぞれの集団が葦原の上を舞ったかと思うと、一羽づつ、スッ、スッ、と葦原に消える。
急に静かになる。虫の声だけ。ツバメの声もしない。静寂。
2002.9.13(金)雨――――――
この日は一日雨。6時現場着。
かなり薄暗い。晴れの日と、30分ずれている感じ。それほど多くないが、上空に群れている。
6時15分。いつものようにどこからともなく集まってきて、葦原に消える。
数は変わっていないように見える。
静かになっても、やはり数千の一団が空高く舞っている。
暗くなっても、空中の一団が舞っている。
葦原は静か。上空の一団は肉眼で次第に見えなくなる。
どこへ行ったのか? あるいは旋回して葦原に戻ったのか。
見えないので確認できない。
2002.9.14(土)小雨――――――
夕方、友人のKさん夫婦が訪ねてきた。一緒にツバメを見に行こうという。
彼らも数日前、河北潟に見に行ったという。
私と会わなかったので、9日だったのだろう。
「たくさん飛んでいた。その後どうなったか確認したい」という。
小雨が降っている。雲も厚くたれている。
午後5時半出発。午後5時50分到着。
もう既に葦原の上を飛んでいる。数千単位の群だ。
昨日と比べても時間が早い。どんどん増える。
隣の畑から低く滑空して葦原めがけてつぎつぎ集まってくる。
目を空に移すと、ゴミのように舞い、低く降りてくるツバメ。数千だ。
6時。南から低く入ってくる。
空高くから入ってくるのは東からだ。
空高くに数千はいるだろう。少しずつ葦原の中に消える。
友人は「前より少ない」と言う。
どんどん入ってくるのを見ると、私はそれほど変わらないと思う。
6時10分。葦原は静かになる。
空を見ると、2,3千の集団が高く飛んでいる。葦原の上空、およそ100メートル。小さく見える。昨日と同じだ。暗くて肉眼では見えない。
双眼鏡を取り出し、この集団を追うことにした。
双眼鏡の中にたくさん見える。8倍のものだが、それでも小さい。
だんだん小さくなる。形も分からないほど小さい。
高さは分からない。大きく旋回する。
旋回しながら、南西の方向に移動する。
何度も何度も旋回する。高く高く小さく小さくなる。暗くなり見えなくなる。
もしかしたら葦原に舞い戻っているかと考え、葦原を監視する。
何度も確認するが、葦原は静か。戻ってきた気配はない。
これまで見てきた観察結果では、次のように言える。
「ツバメは、2〜3千の集団で、夜、高い空を、南に渡る!」
これはまだ中間報告だが、この確認のため、河北潟へ通う日が続く。
ツバメの最後の渡りの状況も見届けよう。
2002.9.15(日・祝)曇り――――――
午後5時45分。到着。ツバメの姿はない。
50分。南から20羽低く飛んでくる。すっと葦原に消える。
55分。東から30羽同じように、消える。
6時ちょうど。南から、東からたくさん集まってくる。
次第に大群となり葦原の上を舞う。これらは、到着するとすぐ葦原に消える。
消えても消えても集まってくる。
6時5分。いつまでも葦原に消えない2,3千の集団がいる。
双眼鏡で、この集団を追う。大きく高く舞っている。
6時10分。小さな雨がポツリポツリ落ちてくる。暗い。
雨を合図にしたように、集団の動きが急に高くなる。
しばらくすると、南に消えた。正確には南西の方向へ。
昨日の中間報告と同じように、消えたのだ。
「ツバメは、2〜3千の集団で、夜、高い空を、南に渡る!」
明日は、集団を大野川で待ち伏せしてみよう。
これを確認できれば、中間報告は確かなものになる。
2002.9.16(月・振休)曇り――――――
今日は、ツバメの待ち伏せである。
金沢市のようなストーカーではない。為念(^○^)
(この話、市町村合併のページを参照ください)
昨日と同じように、今日も1つの集団が移動するだろう。
この集団を待ち伏せるため準備した。
半袖は寒い。長ズボン、長シャツなどで簡単な防寒対策。
場所は、ねぐらの南西方向にある大野川にかかる新川橋。
午後6時45分。わが家からほんの2,3分のところ。
ねぐらから直線距離で南西に9q。
この大野川上空は、よくカモなどの北帰行や南下が見られるので、ツバメもこのルートを使っているのかもしれないと思ったからだ。
上空を広く見渡せる場所を捜す。橋の中心部に街灯があり、ここに決めた。
この橋は狭く、車もかなり通る。人はほとんど通らない。
街灯の下は通る車から視認ができる。我が身の安全のためだ。
5時50分から双眼鏡で河北潟方向を監視する。
6時。ねぐらにはかなりのツバメが集まっているはずだ。
6時10分。ねぐらの上では、出発の一団が群れているはずだ。
6時15分。もう出発しているはずだ。
双眼鏡を構え直す。
来ないぞ。何も視界に入らない。
双眼鏡は集光性があるため、実際より明るく見える。
双眼鏡でも暗くなってきた。
6時30分。網膜の「虫」がウヨウヨしてきた。双眼鏡から目を離す。あたりはもう夜。
結局、ツバメは見なかった。見込みは失敗。
明日は、ねぐらの近くに移動してみよう。
2002.9.17(火)曇り――――――
5時40分着。周辺を回り、葦原を遠くから観察出来る場所を捜す。南側300mに観察場所を決め、葦原にもどる。
今日は曇っているが、落ちる夕陽が雲間から覗き、明るい。
5時50分。15羽、南からやってくる。葦原に入らず、舞っている。
5時55分。20羽、東から飛来。これも葦原に入らない。
これはちょっと異例のことだ。
6時。南から100羽単位で、いくつかの群がやってくる。これも葦原に入らず舞っている。
その後、北からも次々に飛来する。
葦原上空は、数千の集団になり、大きく舞っている。
陽は落ち、暗くなる。
6時5分。かなりの大集団になる。
葦原に飛び込むような感じではない。
一昨日までの様子と違う。大集団だ。
ここまで見て、南300mに移動する。
遠くから、集団を観察する。
6時7分。葦原上空を大集団が舞っている。
この集団が、観察地点上空を通って南に移動するかどうか?
6時10分。集団はかなり高くなる。位置は50mほど南に移動。
かなり小さくなる。高いからだ。
羽ばたきも見えなくなる。この集団は数万羽になるだろう。
南へ移動するのではなく、そのまま高くあがる。だんだん小さくなる。
暗くなっていることもあり、この集団は雲か煙のように見える。
ちょっとはずすと見つけるのが容易ではない。
それほど薄く、小さいシミだ。
250m先の上空。双眼鏡で見る仰角は45度。
集団までの距離は、斜め上、350mとなる。
左右は、双眼鏡で見える視野の2.5倍。
上下は、ほぼ視野内。
双眼鏡の視野角は8度。
このデータから単純計算すると、この集団の大きさがわかる。
幅:120m/上下:50m
巨大な雲のような円盤が回る。全部ツバメだ。
今まで見た中で最大の集団である。
数万の集団だろう。左右に揺れながら高く昇っていく。
そして今日の結論――。
数万のツバメが、高く高く昇って、消えた!
2002.9.18(水)快晴――――――
久しぶりの快晴。昨日消えた大集団が南方へ帰ったとすると、今日、ツバメはねぐらにどれだけ集まるのか?
この透き通った空にツバメはどのように舞うか?
5時45分着。5羽が葦原のすぐ上をヒラヒラしている。
50分、南から8羽飛来。素通りして北へ。
55分、東から30羽飛来。葦原の上で舞う。
6時10分。南と東から20羽、10羽と集まってくる。
これまでと勢いが違う。小さな単位でやってくる。
6時15分。かなりの数になっている。
陽も落ちた。およそ、5〜6000羽。
これだけでも、知らない人が見ると、「すごい」という数だ。しかし、ずっと集団を見てきたから、この集団は小さい。どうも、昨日の大集団が、移動の本体だったようだ。
さて、この集団がどのように青空に舞って消えるのか?
快晴だから、ずっと追いかけることもできる。これは観察にいい。双眼鏡を構える。
ツバメは相変わらず、グルグル葦原の上を大きく回っている。
6時20分。そろそろ暗くなる。
今までの観察から、このまま高く昇っていく、と思っていたのだが、高く昇らない。葦原の50mほど上を回っているだけだ。おかしいな。
そのうち、舞っている下部から順に葦原に向かって急降下。どんどん葦原に飛び込むのだ!
なんてこと! ちょっとセオリーに反するぞ!
あれあれと驚いているうちに、全部葦原に消えた。ほんの1分くらいの時間だった。
これをどう解釈すればいいのだろうか?
こんなに天気がいいのだ。風も強くない。
遠出をするには絶好の日よりでないか!
首を傾げるだけだ……????
快晴にはツバメは帰らない……????
この疑問の答えを捜して、明日もまた河北潟へ通う。
明日の天気予報も快晴である。
2002.9.19(木)快晴――――――
昨日と同様、河北潟へ。簡単に書こう。
結果は、昨日と全く同じである。
旅立ちはない。
???……どうなっているのか?
気の付いたことが一つある。
昨日も見られたのだが、多くのツバメが葦原や周辺の畑をスレスレに飛ぶ。
これをじっと見ていたが、エサを捕っているのだ、と思う。
遠方へ旅立つための体力がまだないのかもしれない。
あるいは、飛び出す勇気がないのか? 謎ばかりだ。
2002.9.20(金)晴れ――――――
快晴が2日続いたが、今日は少し雲がある。晴れ。
5時50分着。20羽葦原を舞っている。
55分。南と東から、10〜30羽、次々と来る。
6時、時報が合図にように、四方八方から集まってくる。
6時10分。数千羽だろうか。
昨日と同じほどの数だ。
葦原に入る様子もない。舞っている。
このまま高く昇って消えるのか?
ここまでの様子は、昨日と同じ様なのだが、よく観察すると、
数千の群にいくつかのグループがあることが分かる。
一つは、葦原や畑を舐めるように飛びまわる一団。
上空高くを回っているグループ。
中間で群れているのが2グループ。
それらが時々交差したり、混じって分かれたりする。
これらが、直径300mほどの中で乱舞する。
さて、旅立ちはあるのか?
中間で舞っていたのが、葦原に次々飛び込む。
このグループは旅をあきらめたらしい。
低く飛んでいたグループが葦原に舞い上がり、何度か舞う。
そして、これも葦原に飛び込む。
2000羽ほどが、高く舞っている。
これが旅立つのか?
双眼鏡で追う。かなり小さくなる。
6時15分。どうしたことか、だんだん低く回り出す。
上空50m。何度か葦原の上を大きく回る。
5時17分。2,2羽が斜めに葦原に突っ込む。
それが合図のように、全員が次々と続く。
ほんの10秒間。全部、葦原に消えた。
どうなっているのだろう? 首を傾げるだけだ。
明日は中秋の名月。
わずかに左に陰のある月が東の空に輝いている。
2002.9.21(土)――――――
今日は中秋の名月であるが、加賀市で開かれた無声映画「滝の白糸」を観にでかけた。
「ツバメ帰る」も最終版を迎えるので、友人のKさんにお願いした。
以下は、Kさんからのファックス情報。
……
17:15 現地着く。角の農園でトマト買う。無人店舗。
帰ろうとしたら奥さんが出て来て歓談。
「主人が農業をやりたいと大阪から脱サラで来たのです。
ここは3年程前からツバメがたくさん来るから、また来てね。
皆さんに知ってもらうためにマスコミにも、と思ったのですが、
静かにしておいた方がツバメに良いと思って、止めました。
一度、朝日新聞の研修生が来てましたね。
しかし、誰に聞いたのか毎日一人来ておいでる。白いライトバンで。」
ありゃ……。「その人、今日来られないので、替わりに来たのですよ」と。
この葦原は、以前7枚の田んぼで米作りをしていたが、
止めてからツバメが来るようになった。(※注)
17:52 そろそろツバメが東の山の方から来る。
18:01 ツバメのご一行様一同、空中ショーの、始まり始まり……。
18:09 ショーが終わるかと思ったら、最後の1羽、不器用にヒラヒラとアシの中に入る。
18:13 もう終わったと思ったら、別の一団が来て、空中ショーを見せる。
18:16 帰る道で、また角の農園売店の近くで低空頭スレスレに……。
一瞬でビックリ。こんな近くで見るとは、やっぱり前に川があるから。
こちらから見る方が多いような気がした。
……
以上がKさん情報である。
電話で確認したが、この日のツバメ君たち、
みんなが葦原に入ったとのこと。渡りはなし。
雲はでていないが、おぼろ月だったという。
※注 河北潟干拓地は、当初の稲作を目的に造成したのだが、減反政策のため、稲作は認められていなかった。
石川県は、農家の強い要望で、「試験耕作」を国に働きかけ、稲作に門戸を開いた。
この葦原がその場所だった。なぜ葦原になったのだろうか?
詳しく調べてはいないのだが、昨年、稲が植えられていないのを見て、近くで雑草を刈っている人に聞いたことがある。
「あの方は、亡くなって、田んぼすることが出来なくなった」
とのことだった。正確な情報ではないので、調べてみたい。
|
2002.9.22(日)晴れ――――――
秋の空である。高く薄い雲がでている。
5時50分。現地着。もう数100羽が群れている。
6時。東と南からたくさん低空からやってくる。
数千の単位だろう。葦原の上を舞っている。
6時10分 結局、みん葦原の中に入ってしまった。
数羽のコウモリだけが、ヒラヒラと舞っている。
2002.9.23(月・秋分の日)晴れ――――――
今日午前、津幡川をカヌーでゴミ掃除をしよう、との情報。
出来たばかりの「津幡の水辺を守る会」が呼びかけたものだった。津幡初の本格的?環境保全グループだ。
応援と運動不足解消を兼ねて参加することにした。
総勢4名が、2qの区間の川縁の草の間に留まっているゴミを集めた。
ゴミの量は、カナディアンカヌー1杯半。
ゴミは総てスーパーと農協で売られているものばかり。人間の仕業だ。
津幡川は河北潟へ流入する重要河川である。
津幡川最下流の河口には堰が作ってあり、川水は止まっている。
数日前に水門が開けられ、ゴミが流れ出て今日は少ない、との話だった。
河北潟は、ゴミの集積場と化しているのだ。
夕方になる。節々が痛い。
3時間カヌーに乗っての午前中の作業が効いたのだ。
ツバメが待っている。
「いつ帰ろうが、そんなことツバメの勝手でしょ」と、お笑いメールも届く。
5時45分着。かなり寒い。
低い雲も出ているので、あるいは最後の部隊が出発か?と期待した。
簡単に書くと、今日も昨日と同じ。
6時10分。昨日と同時刻にみんな葦原に突っ込んでオシマイ。
この間、いろいろ渡りの情報も集めた。
ツバメにとって、渡りは生きる本能だとはいえ、危険な長距離飛行だ。
一番の敵は、天敵の猛禽類に狙われること。
だから、渡りは天候のいい時ではなく、雲が低く垂れ、見晴らしの悪い日に旅立つのだそうだ。
人間の感覚とはかなり違う。ツバメにとって渡りは遠出の観光旅行ではないのだ。自己と種の生命を守る危険承知の旅なのだ。
だから、なるべく多くの集団で天敵の目をくらますように渡る。
しかし、こんなに寒くなっているのにね。
これに雨などが降ると、凍えるのも出てくるだろうに。心配ではある。
2002.9.29(日)曇り→小雨―――
さてさて、しばらく河北潟に行けなかった。
県に出かけたり、資料の整理やらで、手間がかかった。
(この間の動きは、情報公開日誌に書いた)
行けなかった日は、いい天気が続いていた。
この日、日中は曇り。
県森林管理課が企画した「里山オーナー」の現地説明会に参加、申し込む。
夕方から小雨。ひょっとしたらまた渡るか?
5時30分着。もう数十匹が飛来。
6時までの間、ドンドン増える。
数百羽の群が5つほどになって葦原の上を舞う。
高く飛ぶもの、低く飛ぶもの、葦原スレスレのもの、周囲の畑を舞うものなど。
飛び回りながら、集団が交差したり、合体したり、分かれたりと、いろいろに動く。
今日はこれらの集団の関係を注視することにした。
漠然と見ていてはわからないが、観察にある工夫をした。
まず、ある集団の1羽に目を付け、これから絶対に視線をはずさない。
このツバメを追いながら、全体に注意する。
こうすると、全体の集団の動きが分かってくる。
今日見た空中乱舞では、それぞれのグループは、交わらない。
同方向に移動しても、離れていくのだ。
一方は葦原に飛び込み、一方は飛び回っている。
大集団になっていても、微妙なグループの別があるのだ。
今日の渡りは、結局なかった。皆んな葦原に隠れた。
2002.9.30(月)晴れ――――――
「どの様に旅立とうが、ツバメの勝手でしょ――」
そう言われてしまえばそうなんだが、ここまで追いかけたからには、最後の一羽が帰るまで確かめないと落ちつかない(^○^)
それに、「ツバメ日記を楽しみにしています」、
なんてメールが届くと、終わるわけにはいかないし……(^_^メ) 妙に責任感を感じてしまう。
さて……。今日は見事な夕焼けだ。
夕焼けの空の色をバックにツバメが群れるのは美しい。
5時20分着。早く着いたので、葦原近くの無人店舗で野菜を買う。
トマト、タマネギ、ナス。それぞれ200円、計600円をボックスに入れる。
9月21日の日記に、Kさんが書いていた店だ。
トマトは真っ赤。小さいがとても甘い。ナス、これもしっかりと固い。
タマネギも大、中とりまぜて、みんなずしりと重い。
ツバメを見に訪れる方にお勧め。この店で野菜を買いましょう。
量もたくさんあります。スーパーの倍以上ある。
では、今日の観察結果。
昨日と同じ。みんな隠れた。渡りはなし。
いろいろ考えてみる。
河北潟は、日本海側の渡りの中継基地と言われている。
9月17日、金沢市内など河北潟周辺の本体が旅立った。
そうすると、昨日の報告で書いたように、数百から2〜3千羽のグループが交わらないということは、北方各地からのグループが河北潟で滞在しているのだろう。栄養の補給をして、また南に飛び立つ――。
そう理解すればいいのではないか?
いま飛び回っているツバメ達は、旅の途中だ。
新潟や東北、あるいは北海道からやってきたツバメ達だろう。
ツバメに足輪などをつけることができれば、分かるのだろうが……。
そう言えば、9月初旬、東京の某研究所の調査だという人がいた。
ツバメを捕まえて足輪をつけるのだとのことだった。
私がカメラを構えていたからか、「今日は中止」と帰っていった。
本当に真面目な調査だったのだろうか?
2002.10.2(水)晴れ――――――
一日快晴だったが、夕方から薄く雲がかかる。
5時半着。霞がかかったような感じ。
40分頃からツバメが集まりだす。
1000〜2000が1つのグループで、4つの集団が飛び回る。
5時50分、次々に葦原に入る。
一つのグループが残って高く回っている。上空100mほどだ。高い。
しかし、これもスッと低く降りてきて葦原に入る。
6時。終り。
2002.10.3(木)晴れ――――――
今日も昨日と同じ様な天候。
河北潟一帯が霞みがかかったようになる。
5時20分着。今日はゆっくり観察できる。
5時30分。数羽飛来。
昨日と同じような感じ。いくつかの集団が葦原に入る。
55分。一つの集団が残り、高く舞う。
これを双眼鏡で追う。何度も上空を舞う。
だんだん高くなる。一羽一羽は区別できない。薄い煙だ。
暗い霞空に煙が薄く移動する。肉眼ではまったく見えない。
双眼鏡で追いかけるだけで必死となる。
はずすと二度と捕まえられない。
だんだん薄くなる。葦原の真上だ。
空にとけこむように、消えた。6時ちょうど。
一つの集団が旅立った。
1グループの旅立ちは初めてみた。
この集団はどこから来たのだろう、と思う。
2002.10.5(土)曇り――――――
小雨が少し降る。寒い。
旅立ちにぴったりの天候ではないか。
5時45分着。2,3の集団が舞っている。
50分。葦原に飛び込んで終り。
空高くに別の集団がいないか丹念に見る。
見つけられなかった。
55分。すでに周りは夜だ。暗い。
2002.10.9(水)晴れ――――――
県とややこしい話があったので、しばらく河北潟にいけなかった。
夕方、のび放題の髪を切りに散髪へ行こうとしたら、県の職員が訪ねてきた。
戸を開けると「どうも申し訳ありません」と頭を下げられる。
ややこしい話の続きだった。情報公開日誌に書いた。
二つの日誌を掛け持ちしているのは大変だ。
これで日程が30分狂った。
お陰で、河北潟に着いたのは、6時。
あたりは静か。1羽のツバメも見ない。
昨日、一昨日と暴風や雨が続いたので、気になっていた。
遅く着いたから、状況は不明。明日に期待しよう。
散髪で、頭が涼しい。
2002.10.10(木)晴れ――――――
さて今日はどうか?
5時30分着。まだかなり明るい。
いつもだったら、この時間から少しずつ集まってくる。
なのに、どうだ。だんだん暗くなるのに、ツバメの姿はない。
6時。すっかり夜の気配。葦原も薄明るい空に黒いシルエットになる。
ずっと双眼鏡を覗きながら待っていたが、ツバメはなし。
ということは、日本海側を南下するツバメの渡りは、昨日だったのだろう。
今頃は、九州を南下しているのかもしれない。
ずっと河北潟の葦原をベースにツバメの旅立ちを追いかけてきた。
ホームページ冒頭の中間報告――をしよう。
◆ツバメの渡り中間報告
その1「ツバメは、2〜3千の集団で、夜、高い空を、南に渡る」
その2「ツバメは、天候の悪い日に、雲を隠れミノにして渡る」
これに付け加えると、
その3「金沢市内や河北潟周辺のツバメは、大集団で9月17日に旅立った」
その4「日本海側を南下するグループは、河北潟に2,3日留まる」
その5「日本海を南下するグループの最終旅立ちは、10月9日」
ということが言えるのではないか。
これで、この「ツバメ帰る日誌」を、ひとまず終了としたい。
「ツバメ来る」から「ツバメ帰る」までおつき合いいただいた皆さま、どうもご声援?ありがとうございました。
ツバメに関する情報などありましたら、どうぞお知らせ下さい。
インターネットの各種サイトでも貴重な情報が色々載っていました。
別途、「ツバメ情報リンク」として紹介します。
ではまた。
|