佐渡、加賀と能登の金山・銀山〜その歴史と技術


2003.7.30 掲載

 7月26日、あるフォーラムが開かれた。
 佐渡の金山を研究されている、小菅徹也氏が「加賀と能登の金山、銀山」との関係を基調講演された。石川県教育委員会生涯学課主催の自然史資料館設立準備の一環となる、フォーラムであった。
 石川県にも金山や銀山は多い。
 代表的な金鉱山は宝達山の金山。その他、鞍ケ岳金山、犀川上流の倉谷金銀山、河内村直海谷川上流・奥池銀(金)山、金平金山、尾小屋金山、九谷金山……等々がある。

 15年ほど前、河内村の知人の縁で、河内村奥池銀(金)山を調べたことがあり、今回のフォーラムに紹介者として参加した。15年前の資料を探し出してきたが、最近の現地の様子を見に、6月某日、知人にお願いし、同行してもらった。深山渓谷を登るかなりの強行軍である。時間がなく下流から一番近い、涌谷の坑道口まで行って帰ったのだが、この坑道口から上流1km の間に、坑道は308個あると伝えられている。私の知っている数は5個。

 おそらく多くの坑道は埋まっていると思われるが、今の内に調べないておかないと永久に閉ざされてしまう。

 資料や写真を少しずつ紹介していく。

入り口から奥を見る 中間ほどから入り口を見る
 これらの写真は、直海谷川・涌谷(ワクタニ)にある坑口の跡である。幅1.3m、高さ1.8m、奥行き44mの立派なものである。今回のフォーラムのために訪ね、写真にとってはじめて気づいたのは、運搬車を使った跡があること(左上の写真)。これは意外だった。
最深部の様子である。
知人と一緒に入った。事故に遭うと恐いため、一人では行けない。

コウモリが飛び出しビックリする

涌谷坑口前で渡辺