河北潟問題/最近の県会質疑から(2000〜)



最近の県議会でも、河北潟をテーマに様々な議論がされている。
このコーナーでは、県議会事務局から公開される議事録を順次紹介していきます。
通常、議事録は次の議会が開催される直前にできあがる。だから議会を傍聴しない限り、新聞報道などでしかわからない。IT環境が進んでいる現在、議会開催中に議事録が公開されるようにできないものだろうか。
これは議会関係者の「やる気だけ」で可能なのだが……。


●平成12(2000)年9月議会 9/20
朝倉忍議員質問―――――――――――――――――――――

 次に、河北潟の浸水対策についてであります。
 石川県地方は去る十日、一日の最大降水量としては金沢気象台始まって以来の激しい雨を記録いたしましたが、幸いなことにことしは大きな豪雨の被害も少なく、まずは一安心といったところであります。しかしながら、今後の台風シーズンに思いをはせますと、一昨年の河北潟・大野川周辺地区の浸水被害が再び思い起こされるのであります。

 昨年の議会で土木部長は、「内水をポンプで排除すれば二百億円程度で済むが、河北潟から強制排水をする大型ポンプを設置すると一千億近くもかかるので慎重に比較検討し、平成十三年度までに大野川水系の河川整備基本計画を立てる」と答弁されていたのであります。

 また、暫定的な対応については大野川左岸の土のうによる堤防のかさ上げ等で対処するということでありましたが、河北潟連絡協議会では調査の結果、金沢競馬場から森下川の区間の堤防が約一メートルも沈下をしていたこと、また堆砂による貯水量の減少が見られることなどが報告されたのであります。

 河北潟周辺地区については、土質の関係から地盤沈下しやすいところであることは十分承知しておりますが、こうしたことをお聞きすると脆弱な堤防で本当にダムになるのか懸念されるところであります。

 この周辺にはたくさんの県民が住んでおり、昨今の局地的で集中的な降雨がある状況も考え合わせますと、大野川水系の河川整備基本計画はやはり根本的な対策が必要不可欠かつ急務でありまして、私は大型ポンプにより水をはくことでなければならないと思うのであります。大野川水系の基本計画の検討状況と基本的な考え方について、いま一度お聞きしておきたいと思います。

 また、計画を立ててもその完成にはまだまだ歳月がかかるわけでありますが、あの忌まわしい浸水から二年間で暫定的な対策としてどのような手だてを講じてこられたのか。ことしの秋は本当に心配がないのかどうか。湊工業団地からの企業撤退といううわさも耳にするだけに率直なところをお聞かせ願いたいと思います。

知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟の浸水対策についての御質問でございます。この大野川水系の治水対策につきましては、河川改修事業で堤防の築造や河川の川幅の拡幅などの対策とあわせて下水道事業とか湛水防除事業、内水排除ポンプの設置、こういった内水対策も実施をしてきたわけでございます。

 そして、大野川水系における河川整備基本計画の策定でございますけれども、百年確率規模の降雨を想定をして洪水流量の算定をする作業を今行っておるところでございます。

 この算定をされました洪水流量に対して具体的な外水対策として堤防の築造あるいは河道の拡幅なども検討していかなければいけませんし、議員御指摘のように河北潟から直接ポンプで日本海へ排出をするというのは、これは極めて大型な排水場の設置も必要になってくるわけであります。

 これには当然膨大な予算が伴うわけでございまして、現在の治水対策の予算の枠の中でおさまるのかどうかという現実の問題もあるわけでございます。今、治水事業はとりわけ公共事業の見直しの中でも猛烈なアゲンストの風が吹いている分野でもございます。その辺のところも十分見きわめていく必要があるんではないかと、このように思うわけであります。

 いずれにしても、平成十三年度中には建設大臣の同意を含めまして、この大野川水系河川の整備基本計画、この策定を完了いたしまして抜本的な治水対策というものを確立をしてまいらなければいけない、このように考えているところであります。

中島浩土木部長答弁―――――――――――――――――――――
 続きまして、河北潟の暫定的な浸水対策についてお答えいたします。議員御指摘のように、河北潟連絡協議会において暫定対策を取りまとめたところでございますが、その目標といたしましては一昨年の台風七号による降雨や水位の上昇に対して、この地域の浸水を大幅に軽減できるようなものであるということを目途としたものでございます。

 具体的な対策内容といたしましては、大野川及び第一貯木場周辺においては大型の土のうによる築堤をいたしまして、河川からの市街地への溢水を防止する。それから、大野川及び河北潟に流入する各河川の河口においては堆積土砂の除去等を行いまして、河川の流下能力の確保を図るということでございます。

 また、御指摘のように金沢競馬場から森下川までの河北潟堤防の破損箇所についても補強してまいりましたし、金沢市では湊地区において排水ポンプ四カ所十三基を設置するなど、当面の内水対策につきましてはほぼ対処を終えたところと考えているところでございます。

 しかしながら、全国各地で大変予想以上の強い雨が降っておりますので、これまで以上に気を引き締め、水防に対する早期かつ機敏な対応に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。


●平成13(2001)年12月議会 12/11
中村県議質問―――――――――――――――――――――

 次に、河北潟についてであります。「平成十二年度の河北潟の水質はCOD七五%値で一リットル当たり九・五ミリグラムと依然として環境基準は未達成となっており、対策が必要な状況にあります」という公的な文書があります。一リットル当たりの環境基準が窒素〇・六ミリグラム以下のところ河北潟では一・一ミリグラム。燐〇・〇五ミリグラム以下のところ河北潟では〇・一一ミリグラムと数値は大きく基準値を超えています。こんな状況がなぜ生まれたのでありましょうか。

 宇ノ気川を初め五つの河川から流れ込む土砂や生活排水、その堆積により底が浅くなっていること。それに海水の還流がなく、水の浄化がなくなっているために死の湖、潟と化しているのが今の河北潟の現状と指摘する人がいます。昔はカワギス、アカフナ、ボラ、イシゴイ、シジミ、ハネ、アマサギ、アミブリ、シラウオ等のたくさんの生き物がいました。そして、子供たちは唇が真っ青になるまで泳いだとも聞いており、それくらい水が澄んでいたからだと言います。

 そんな河北潟に戻すために、また水害対策にと浅くなっている底を深くするためにしゅんせつ、議会で再三にわたり要望してきたものでありますが、いまだに実現していないのであります。なぜなのでしょうか。

 県事業として予算的に難しいのであれば、国に対して強力に要望していくことも重要なことでありましょう。また、水質汚染が進んでいる水を使用して稲や畑の作物用の水利として問題がないのかどうか、大変重要な問題であります。また、現在既に水稲の農業用水としての基準値をはるかに超えている現状をどう見ているのか、お尋ねをしておきたいのであります。

 根本的に河北潟を救う方法があるとしたら、それは湖面を広げること。それには大きな資本投下が必要との試算があります。県民の財産を守り、命と暮らしを守るためには選択肢の一つと思いますがいかがでしょうか、お尋ねをしておきたいのであります。

 次に、指名問題についてであります。青木建設の破綻は建設業界に深刻な影響を与えています。特に経営が不安視される建設会社の株価が急落、五十円割れの銘柄が十四銘柄に達したとのことであります。また一方では、順調な企業は株価の上昇が見られるなど企業、業界の再編、淘汰が一層進む状況となっているようであります。さらに大手銀行の株価にも影響が出るなど事態は深刻であります。

谷本知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟についての御質問がございました。水害対策としてのしゅんせつという御質問がございましたが、森下川とか金腐川が河北潟に流入する付近では土砂の堆積が見られるわけでありますので、河川の流下能力に支障を来すということでもございますので、必要に応じてしゅんせつもいたしておるところでございます。

 河北潟の水深調査をいたしました。潟の深い部分が幾分浅くなっているということが確認をされておるわけでありますけれども、治水ということになりますと海抜〇・四メートル以上ということになりますと治水対策をしなきゃいかんということになるわけでありますが、それ以下のところは利水にはプラスになり得ましても治水容量には直接影響しないということがございますので、今私どもは河北潟の治水対策としては、沈下した堤防の補強とかかさ上げ、こういったものを今実施をしておるところでございます。

 そして、水質浄化対策としてのしゅんせつということになりますと、平成九年度から平成十三年度まで、この河北潟の環境保全対策の調査を実施をいたしました。河川からの汚濁流入量が大変多い。むしろ底泥からの溶出量が少ないということでございますので、しゅんせつによる水質改善の効果は相対的に小さいということになるわけであります。

 限られた財源をどの対策に最優先に充当するかと、こういうことになってまいりますと、やはり公共下水道とか生活排水処理施設、こういったものを整備を進めていくことによりまして河川からの汚濁流入量を減らすということが基本ではないかというふうに思いますし、これが最も効果があるのではないか、このように受けとめておるわけでございます。

伊丹光則農林水産部長答弁――――――――――――――――
 続きまして、河北潟の水を農業用に使うことについてのお尋ねがございました。環境安全部の平成十二年度の水質測定結果によりますと、河北潟の水質は水稲の農業用水基準六項目のうちpH、COD、それから全窒素の三項目で基準値を超えております。しかしながら、現状の汚濁の程度であれば、pHについては土壌の緩衝能力が高く影響が緩和されること、またCODについては間断通水により根に十分な酸素が供給されれば障害は出ないということ、窒素についても土壌に吸着されることや減肥等の施肥改善で影響が緩和できることなどから、農作物の成育及び品質に実質的な影響はないものと考えております。

 なお、河北潟の水質は望ましい農業用水基準を超えていることは事実であり、水質の改善には流入水質の改善など関係部局が密接に連携した総合的な対策が必要であると考えておりますが、農林水産部といたしましても農業用水を取水する揚水機場が堆積汚泥を吸い込まないような吸い込み口に改造する工事を実施中であり、さらに揚水機場に水質改善装置を設置することも検討しており、今後とも農業用水の水質改善に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

福本俊明土木部長答弁――――――――――――――――――
 次に、河北潟につきまして、抜本的に河北潟を救う方法として湖面を広げることも選択肢の一つであるかどうかという御質問でございます。河北潟周辺の治水対策につきましては、河北潟の湖岸堤の補強、かさ上げと大野川の掘削、築堤が経済的で、かつ早急に対応できることと考えておるわけでございます。また、閉鎖性水域の水質改善対策としても、流入する汚濁水の水質改善が最も重要と考えておりますが、湖水を直接浄化する場合、一般的には清浄水の導入、生態系を活用した水質浄化施設の設置、強制循環施設の設置などが考えられるわけでございますが、湖面拡張による水質浄化対策につきましては全国的に実績がなく、なかなか難しい課題であると考えておるところでございます。


●13年(2001)9月議会 9/26
八十出議員質問―――――――――――――――――――――

 次に、河北潟ゆうきの里についてであります。
 この河北潟ゆうきの里につきましては、当初からその計画、先行きの見通しの甘さに多くの指摘がございました。しかし、県当局は十分に採算がとれるんだ、大丈夫だと胸を張って答弁をされておったわけであります。

 ちょうど一年前の九月定例会にも、このゆうきの里は黒字が見込まれているという答弁があったわけでありますが、その後の決算では六千六百万円の大きな赤字を計上をいたしているのであります。

 そして、今期定例会にこのゆうきの里の水質処理の補助金として五千五百万円が計上をされております。ゆうきの里というのは株式会社であります。県が出資している法人では全くないわけであります。そのゆうきの里に今大きな赤字が膨らんだからといって、悪臭と水質汚濁を防止するという、こういう公共性を前面に出してこれに補助金を出そうとするやり方というのは、ルールがあってないようなものであります。しかも、この補助金が昨年度の赤字補てんということになりますとなおさらのことであります。

 今日までのこの経緯を見ておりますと、この計画というのは余りにもずさんではなかったのか。そして、この計画に対して、この本会議場において、あるいは委員会において、これを指摘する声が議員からたくさんあったわけでありますが、この計画は間違いがないんだと正当性を主張して、それに耳を傾けることがなかったのであります。その自信とおごりが結果的には大きな赤字となりました。そして、それを家畜農家に押しつける格好になったわけであります。その被害者は家畜農家でありますだけに、これを助成しなければならないと、このようにも思うわけであります。

 しかし、みずからの反省もなくして、それから企業努力もなくして、ただ何とかして補助金を出すために、公共性を何かこじつけた、そんな理由でもって出そうとする、そういうプロセスには納得ができないわけであります。
 計画と実態とになぜこのように大きな違いが生じたのか、その理由についてお尋ねをいたします。

 また、当初計画にはこの補助金の支出については全くなかったはずでありますが、今回のこの支出意義についてもまたお聞かせを願いたいと思っておりますし、また将来のこれからの見通しについてもあわせて御所見を伺っておきたいと存じます。

谷本知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟のゆうきの里についての御質問がございました。このゆうきの里は、あの河北潟で酪農を営んでおる皆さん方、その酪農から出るふん尿についての問題がこれまでたびたび指摘をされていたわけであります。これらふん尿の適正な処理を行うと、そういった悪臭防止、そして河北潟の水質保全、こういったことも目的の一つとしてあるわけでございます。

 河北潟は閉鎖性水域でございますから、この排水基準は一般の地域よりも特に厳しい基準が設けられているわけでありますので、他の処理施設には見られないその浄化処理施設も設置をするということに相なったわけでございます。

 このゆうきの里では、当初、生産した堆肥を西川物産に販売をするということでお願いいたしておったわけであります。私どもも今振り返ってみますと、西川物産の経営状況の詳細に至るまで把握をしていなかったということになれば、これは少しじくじたる思いがいたしておるわけでございますが、まさか西川物産がああいう形で撤退をされるとは私ども夢にも実は思っていなかったわけでございます。そういった意味では、西川物産の取り組みを全面的に信頼を申し上げておったと、こういうことに相なるわけでございます。

 この西川物産の撤退によりまして、施設の適正な運営の継続が危惧される状況に相なったということでございます。さはさりとて、このゆうきの里は河北潟の環境保全の観点から必要不可欠な施設でもございます。もちろんゆうきの里には一層の経営改善努力をお願いをする、そういったことを前提として汚水処理というのは河北潟の水質浄化のためには不可欠でございますから、その汚水処理に要する費用については助成をすると、こういうことにいたしたところでございます。

伊丹農林水産部長答弁――――――――――――――――――
 河北潟ゆうきの里について二点お答えをいたします。
 まず、計画と実態に違いが生じた原因についての御質問でございますが、先ほども知事が答弁をいたしましたように、ゆうきの里の当初の計画段階では生産した堆肥を西川物産に販売した収入により汚水処理に要する経費を含め、全体の採算を確保する前提で事業を推進してきたところでございます。

 しかしその後、予想していなかった西川物産の撤退により、販売ノウハウや販売網がないゆうきの里がみずから堆肥を販売することとなったこと、また最近の景気低迷により当初見込んでいたゴルフ場などの大口の需要が冷え込んできていることなどから計画どおりの販売ができなくなってきており、現時点では採算が得られない状況になっているものでございます。

 次に、ゆうきの里の今後の経営状況についてでございますが、ゆうきの里はまだ堆肥市場での知名度が低いことなどから、販売面で伸び悩んでおり、その経営状況は依然厳しい状況にございます。

 このため、ゆうきの里に対し一層の経営改善努力を厳しく求めていくこととしておりますが、県といたしましても例えば販路の開拓のための大口需要先などの情報提供あるいは農業総合センター等における実証栽培による効果判定と施肥技術の確立、また小袋等によるユーザーニーズに対応した商品づくり、さらには各種イベントや広報等によるPRなど、販売面でのバックアップをするとともに、生産技術面でも汚水処理経費や資材費の削減など、コスト低減に向けた技術指導を行い、できるだけ早く安定した経営となるよう指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。


●平成13(2001)年9月議会 9/28
宮下源一郎議員質問―――――――――――――――――――――

 次に、河北潟干拓地の今後についてお伺いをいたします。
 河北潟干拓地は、干拓事業が完了して既に十五年が経過しているにもかかわらず、採算性が見込める作物と流通システムが確立せず、いまだに先行きが不透明で、将来に大きな不安を残しております。

 安価な輸入農産物や麦、大豆の価格流通システムの変化あるいは乳価の低迷などは干拓地農家を大きく圧迫し、生産意欲を減退させることになっています。このような状況から、干拓地内では近年かなりの離農があると聞きますが、実態はいかがでしょうか。部長にお尋ねいたします。

 次に、干拓地農地の将来を展望するには幾つかの課題があると思いますが、思い切った提案と実行が求められるのではないでしょうか。大都市金沢に隣接、千ヘクタールを超える広大な農地は効率的な農業を可能にする日本でも例の少ない優良農地であり、この特性を生かした干拓地のあり方を考え、実行に移すことが求められております。

 まず、安定生産品目の確立として、水田転用が求められています、住宅地周辺の既成の水田は畑地や住宅地等多目的の利用に供し、その分干拓地を水田として転用する大胆な施策が求められております。

 国家予算への新規要望に、河北潟干拓地における農地の水田利用への転換が提案されていますが、今日まで困難とされていた水田転用への道筋が見えてきたと理解してもよいのでしょうか。今後の見通しについて部長にお尋ねいたします。
 高品質の麦、大豆の生産の見通しはどうなっているのでしょうか。大麦の培煎工場の進出が予定されているようですが、加工により付加価値を高め、農産物をブランド化することは極めて重要な課題であります。培煎工場の建設計画並びに生産計画をお聞かせください。

 次に、金沢に隣接した広大な水辺空間と農地を有効に生かした潤い空間の整備が課題ではないでしょうか。市民農園を拡大、ビオトープや公園などを整備し、市民が気軽に農業に触れ合える、水辺に憩う環境を創出、さらにその周辺に加工工場や販売所を配し、市民が集える空間を整備することが干拓地のあすを展望することになると思うが、知事の御所見をお聞かせください。

 さらに、水辺空間で忘れてならないことは調整池等残存水域の環境保全です。残存水域では、アシが生い茂り、よどみを形成。流入汚濁物質と大量に発生するプランクトンの堆積により富栄養化が進行。本年は魚の大量へい死も見られ、用水設備や生息魚類などに悪影響を与えかねない状況となっています。

 流入汚濁物質の大部分は家庭排水が原因で、現在、下水道の普及が急ピッチに進められております。そのほかに、農地から流入する汚濁物質も見逃せません。畜産ふん尿の農地への直接投入は汚濁物質の流入原因になります。

 ゆうきの里で畜産ふん尿を処理、堆肥を製造することは、畜産ふん尿の農地への直接投入がなくなるのみならず、近年求められている有機栽培など付加価値の高い農業を推進させるとともに、残存水域の水質保全に対しても大きな役割を担うことになります。

 ゆうきの里は、当初予定していた販売商社の撤退により、適正な運営が危ぶまれる状況となっております。しかし、酪農に伴う悪臭防止や残存水域の水質保全に必須の施設であり、何としても軌道に乗せ、採算のとれる事業に成長させる必要があります。

 そこでお尋ねをいたします。九月補正で平成十二年の汚水処理費に五千五百万円、一方で堆肥製造施設追加工事への助成に五千万円余を計上しております。堆肥の製造はさらにふえるものと考えられるが、製造計画はどうなっているのでしょうか。

 生産された堆肥は、当初ゴルフ場への販売を見込み、運営計画を策定していたが、現時点ではゴルフ場への販売は余り期待できないと聞いております。また、大口の取引先がなく、在庫がふえ、大変なことになると危惧されているところでもあります。ゴルフ場以外の販売戦略があるのか、明確な計画を示すべきと思うが、部長のお考えをお聞きいたします。

 次に、西日本ジェイアールバス撤退についてでありますが、昨年の西日本ジェイアールバス撤退通告から今日まで、地元の市町村長、県の方とともに西日本ジェイアールバス本社等に要望を繰り返し、この二十日の最後の返答にも立ち会った者として、地元の思いを訴えたいと思います。

 正式に来年三月三十一日をもって撤退する旨返答してまいりました。これを受け、撤退後の路線バスの維持に焦点が移行することになります、受け皿としては、別会社移転や自治体バス等が考えられ、今後検討されることになると思いますが、この際地域の雇用対策の一環として位置づけ、地元バスを育成することが必要であると考えます。

 北陸鉄道系列の会社はもちろんですが、地域に根差しているバス事業者や自治体バスを育て、路線バスに限らずスクールバス、福祉バスなど多面的な利用が可能となる事業形態を模索することも重要な課題であると思いますが、部長のお考えをお聞かせください。いずれにしても、初期投資は相当な額になり、バス会社や自治体を圧迫することになります。運転経費も、ジェイアール時よりも節減が可能といっても採算ベースにないことは明白です。さらに、拠点都市の通過を求める国で定める基準に達していないことから国庫補助が受けられず、県と関係市町村の単独補助になります。

 そこでお伺いいたしますが、バス会社か自治体が経営する場合、初期投資及び運転経費等をどの程度に見積もっているのか。さらに補助のあり方についても、あわせて部長のお考えをお聞かせください。

谷本知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟の干拓地についての御質問がございました。干拓地はまさに御指摘のように金沢の近郊にあるわけでありまして、大変広大な農地もございますし、ある意味では豊かな自然環境にも恵まれておるというところでもございます。

 農業的利用というのが本来の目的ではございますけれども、これに限らず都市の住民にも開かれた干拓地の利用ということについて関心も高まっておりますし、我々もそういう方向に向けての対応をしていく必要があろう、このように考えているわけでございます。

 そういう意味では、都市の住民の皆さん方にとりまして触れ合いの場、憩いの場としての整備ということも大事でございます。市民農園、今農業開発公社が市民農園を幾つか開放いたしておりますけれども、大変この市民農園も好評でありまして、今一〇〇%の利用がなされておりまして、順番待ちという話もお聞きをいたしておるわけでございます。

 こういった市民農園とか自然観察や教育の場としてのビオトープなどの利用、こういったことも当然考えていく必要があるだろうと思いますし、干拓地の農家の皆さん方と都市の住民の皆さん方との交流の場の設定、そういった意味では直売施設の導入、こういったものも必要になってくるのではないかと、このように考えているわけでありまして、ひとつこれから多様なニーズを我々もしっかりと調査をしたいというふうに思いますし、国へもそういう多様な活用についての働きかけを行っていかなければいけない、このように考えておるわけであります。

 この干拓地を狭い意味での農業利用だけにとどまらず、幅広く有効活用というものを今考えていかなければいけないんではないか、このように認識をいたしておるところであります。

伊丹農水部長答弁――――――――――――――――――――
 河北潟干拓地につきまして五点お答えをしたいと思います。
 まず、近年の干拓地内での離農の実態についてのお尋ねでございますが、畑作では近年、価格変動の大きいキャベツや白菜等の栽培農家を中心に離農が見られますが、一方、小松、七尾の施設園芸や、ナシなどの集約的な作物の分野では新たに経営を開始する農家も出てきております。その結果、全体で農家数では平成二年の百九十八戸に対し、平成十二年には二百三十四戸とふえてきております。

 一方、一戸当たりの経営面積は減少してきておりまして、経営する農地面積では平成二年の六百二十九ヘクタールに対し、平成十二年には六百十四ヘクタールとわずかに減少しております。

 また、酪農では乳価の低迷や飼料価格の高騰により経営環境が厳しくなり、農家数は平成二年の二十戸に対し、平成十二年には十八戸と二戸減少しております。

 続きまして、干拓地での水田転用について今後の見通しについてのお尋ねでございます。御案内のように、河北潟干拓は当初水田造成を目的に事業は開始されましたが、コメ余りの状況から計画変更され、現在は畑作及び酪農が行われております。

 御指摘のように、干拓地の農家には根強い稲作願望がございますが、一方で過去最大規模の生産調整を行っている状況のもとで、無条件で干拓地に水稲を作付けることはコメの生産増につながり、生産調整を行っている県内の他の農家の理解が得られにくいと考えております。
 このため、国に対しては田畑交換を前提に河北潟での水稲の作付を認めるよう政策提案を行ったところであります。国では、河北潟干拓地の営農上の位置づけや干拓事業等の経緯、生産調整の推進に及ぼす影響等を総合的に勘案の上、検討するとしております。

 いずれにしても、国の今までの政策が直ちに変わるとは考えにくいところでございますが、国が検討するとしていることは一歩前進であり、県としてはこれを出発点として国に対し粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。

 三点目に、大麦の焙煎工場の建設計画並びに生産計画についての御質問でございます。河北潟干拓地では、麦と大豆を組み合わせた一年二作の輪作が畑地面積の約四〇%、三百ヘクタール余りを占め、重要な作物となっております。

 今回、河北潟産大麦を求めて進出した麦茶用焙煎工場については、先般、河北潟干拓地において着工したところであり、十二月下旬に完成、一月下旬に本稼働となる見込みでございます。また、この焙煎工場の大麦年間処理量は約千二百トンであり、その大半を河北潟産大麦で供給する計画となっております。

 続きまして、ゆうきの里の堆肥の製造計画についてのお尋ねでございます。ゆうきの里の既存の堆肥化施設におきましては、現在一日約十トンの堆肥が生産されており、年間では約三千八百トンの生産が見込まれております。この堆肥は通常の牛ふん堆肥より水分が低く、取り扱いやすい特性を持っており、形状も粉末状のほか、散布しやすいように粒状化した製品も生産しているところでございます。

 一方、追加施設では、牛ふんにもみ殻を混ぜて発酵させた安価な堆肥を一日約十一トン、年間では約四千トン生産する計画であり、現在本格的な生産に向け、試作品の製造に取り組んでいるところでございます。

 次に、ゆうきの里の堆肥販売戦略についてのお尋ねでございます。御指摘のとおり、ゆうきの里にとっては販売先の確保が急務の課題となっており、現在ゴルフ場のほか肥料卸問屋や農協などの大口代理店、造園業者等の大口ユーザー、果樹、野菜、花卉等の農家あるいは家庭園芸用として販売している量販店などに対し懸命に売り込みを行っているところでございます。

 県としても、これを促進するために、例えば販路の開拓について大口需要先等の情報提供、農業総合センター等における実証栽培による効果判定と施肥技術の確立、小袋等ユーザーニーズに対応した商品づくりに対する指導、あるいは各種イベントや広報誌によるPR等によりバックアップをしているところでございます。

 また、追加施設の製品の販売先は主に河北潟及び周辺の農家を予定をしており、ゆうきの里が農家にかわり散布することとしているほか、販売促進を図るために河北潟生産組合連合会など関係機関と堆肥利用促進協議会を立ち上げることとしているところでございます。いずれにしても、これらにより安定した販売先が確保できるよう、県としても引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


●平成13(2001)年2月議会 3/5
八十出泰成議員質問―――――――――――――――――――――

 環境行政の二つ目は、河北潟の水質浄化についてであります。
 生活排水による水質汚濁が進んでいる河北潟流域は、平成七年三月に県が生活排水対策重点地域の指定を行って以降、河北潟周辺一市五町が平成八年三月に生活排水対策推進計画を策定をされました。

 以来、この計画に基づいて公共下水道、農業集落排水及び合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の整備やホテイアオイやヨシなどの水生植物の生態系を利用した水質浄化施設の設置、さらに水質浄化推進指導員の養成などの普及啓蒙活動など、行政や市民団体がともに取り組んでまいりました。しかしながら、河北潟の水質は環境基準値であるCOD七五%値が依然として高くよい方向にならないまま推移をしているわけであります。

 遅々として進まない河北潟水質浄化を県としてどのように判断されているのか。いかに対処すべきかをこの際お示しをいただきたいと思います。

 また、金沢でヨシやショウブ、内灘町ではホテイアオイやカナダモなどの水生植物を利用しての水質浄化の実験が行われていますが、その成果は一体どのようになっているのでしょうか。

 さらに、昨年、木場潟で水と緑のふれあいパークとして整備されたビオパークが河北潟での整備が有効なのかどうかもあわせてお聞かせいただきたいと思います。

 次に、農業行政から河北潟干拓地の活性化について伺います。
 この問題については、これまでにも何度となくお尋ねをしてまいりました。県としても河北潟干拓地農業については、さまざまな形で振興策に取り組んでこられたわけですが、未利用農地も減らないようですし、農業開発公社保有地の売り払いも進んでいないわけであり、なかなか実を結んでないのが現実であります。

 そのため、これまでにも活性化策の策定、実施や観光農園といった他用途についても何度も提言したわけであります。そんな河北潟干拓地でありますが、先日ようやく大きな変化がありました。

 去る二月十三日に、京都グレイン株式会社が河北潟干拓地内に麦茶用の大麦焙煎工場を建設する旨の意向表明を行ったことでありました。河北潟干拓地の大麦の作付面積は、潟の畑地面積の約四割を占めており、その安定的な販売先が確保できることは当然願ってもないことでありますし、私としても河北潟干拓地に工場の立地が実現したことは極めて意義あることだと思うのであります。
 もちろん、県も地元町である津幡町も、この工場が河北潟農業の振興に大きなメリットがあるとの判断のもとに誘致に踏み切られたと聞いておりますが、いずれにしても河北潟干拓地の活性化にとって大きな一歩が記されたのではないかと思います。

 仄聞するところによりますと、河北潟干拓地にはほかに養鶏施設や養豚施設などについて立地の話も出ているとのことであります。こうした立地には、環境上の十分な配慮が前提であることは言わずもがなでありますが、河北潟干拓地の浮上につながるものであれば、農地としての利用にこだわることなく、製造施設、加工施設を問わず、通常の企業誘致と同様に積極的に立地を図るべきだと思いますが、知事の考えを改めてお聞かせいただきたいと思います。

 さらに、活性化対策についてでありますが、何度も提言しております観光農園の立地であります。金沢市近郊に位置するとともに、能登観光の入り口にも当たる河北潟干拓地であります。通俗的な意味での観光施設ではなく、農業や畜産との触れ合いや体験がある農園、農家にとっては貴重な産直の場ともなる農園、そういった観光農園が河北潟干拓地にぜひ欲しいと思うのであります。

 地元農家がグループをつくって経営してもよいと思いますし、地元産品の優先的仕入れを前提に企業的規模の農園を誘致してもよいと思います。百ヘクタール以上に及ぶ未利用地があり、公社保有地もあります。特に酪農関係では、離農を検討すべき段階の方々もおられるのではないでしょうか。

 前世紀からの負の遺産をプラスに転ずる、そういうことを考える時期に至っていると考えますが、いかがでしょうか。もちろん直ちに手をつけるというわけにはいかないと思います。まず、河北潟干拓地活性化策の中にしっかりと位置づけることからぜひ始めていただきたいと思いますが、知事いかがでしょうか。

 次に、同じ農業行政から河北潟のゆうきの里についてお尋ねいたします。これにつきましては昨年九月議会でもお尋ねしましたが、その後も大変困難な状況が続いているようであります。

 昨年の十二月議会では、農業開発公社に一億円の融資枠を設定するとともに、現施設では処理し切れない部分について補完施設を整備するとの報告がなされております。当面の運転資金が確保されたことによって酪農家はほっとしておるわけでありますが、施設の補完整備の方はどういう状況にあるのでしょうか。

 また、当面の運転資金は確保されていますが、長期的に見た場合、やはり製品堆肥をいかにして販売していくかが課題であります。

 今は需要期ではないことでもあり、実績を尋ねるわけにはいきませんが、どのような見通しを持っておられるかをお伺いしたいと思います。

 販売を担当することになっていました西川物産の撤退という厳しいスタートに加えて、畜産ふん尿の適正処理に関する法律の施行により、今後畜産ふん尿の堆肥化がますますふえてくるでしょう。また、いわゆる食品リサイクル法も施行され、食品廃棄物も相当量が堆肥化されるものと思います。

 ゆうきの里にとって、経営環境は大変厳しいものになるわけでありますが、施設自体、河北潟周辺の環境を守るという大きな役割を担っているものであります。長期的に見て採算が困難となっても決して酪農家に負担が転嫁されることのないよう強く要望しておきたいと思います。

 次に、土木行政からプレジャーボートの不法係留船問題について伺います。
 県民のマリンレジャーへの関心の高まりなどにより、プレジャーボートが普及する一方で、漁船との事故や漁場をめぐるトラブルが発生しております。また、河川や港湾における不法係留船は早朝の騒音など身近な住民生活にも影響を及ぼしているようであります。
 先般、犀川河口付近においては、プレジャーボートの不法係留が河川改修工事の進捗に影響を与える心配があるとの報道もありました。さらには、ことしの一月に大雪により金沢の大野川、弓取川で十隻を超える船が沈没するという事態が発生をし、この一部が他の船の通航の支障となったり、河川に燃料が流出するなど事態の深刻さが伝えられておりました。

 県におかれましては、これまでも警告看板の設置など取り締まりや指導を行っているところではありますが、実態として取り組みに対する効果はほとんど上がっていないような気がしております。

 この原因の一つには、私がかねてから申し上げてきたとおり、五トン未満の小型船の所有者を特定する制度がないため、積極的な取り締まりを県ができなかったためではないかと考えております。

 現在、国土交通省では新たにモーターボートや水上バイクなど五トン未満の小さな船にも登録義務を課して所有者を明確にし、小型船舶を利用した諸活動の健全な発達に寄与することを目的とした小型船舶の登録等に関する法律の制定を目指しているとのことであります。

 具体的には、この法律はプレジャーボートなど小型船舶を対象に国土交通大臣が所有者を登録して船体に船舶番号の表示を義務づけ、さらにはだれもが登録事項の証明書の請求をすることができることになると聞いております。

 この法律が成立し、施行されれば、不法係留船に対する指導監督が徹底をされ、秩序ある海や河川の利用が図られると大いに期待しているところであります。
 そこでお尋ねいたしますが、このような状況を踏まえた県の今後の不法係留船に対する新たな取り組みについてお伺いいたします。

 最後の質問になりますが、土木行政の二つ目に能登有料道路の白尾インター以南の四車線化と河北潟放水路以南の直線化、金沢外環状道路海側幹線までの延伸について伺います。

 御存じのとおり、能登有料道路は加賀地区と能登地区を結ぶ大動脈として本県の経済活動、社会活動を支える極めて重要な道路であり、今後県庁舎が駅西へ移転をし、副都心が形成されることとあわせて、能登地域と加賀地域が一体となってさらなる発展を遂げるためにも欠くことのできない道路であります。

 県におかれましても、本道路の重要性を十分に認識をされ、平成六年には白尾インターから柳田インター間の四車線化、さらには平成七年度からは柳田インター以北のゆずりレーンの設置など順次整備が進められております。
 しかしながら、表玄関である内灘町においては市街地部を通過するなど、残念ながら十分に整備がなされているとはいえない状況であり、白尾インター以南の四車線化と河北潟放水路以南の直線化、さらには金沢外環状海側幹線までの延伸は、能登地域住民の長年の悲願でもありました。

 こうした中、昨年十二月二十日に地域高規格道路金沢能登連絡道路の七塚町から金沢市間の十五キロメートルが調査区間の指定を受けたことは、悲願の実現に向け、大きな一歩を踏み出したものと大変喜んでいるところであります。

 そこで、調査区間の指定を踏まえ、今後の調査内容と事業化に向けての取り組みについてお聞きをしながら、私の質問を終わりたいと思います。

知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟の水質浄化についての御質問がありました。木場潟でビオパークを整備をさせていただきました。積雪寒冷地域では初めてということでありまして、昨年四月に開園をいたしまして、この水質浄化の効果でありますけれども、浄化をします前の水と比較をしますとCODで約二五%、水中の微粒子濃度、いわゆるSSで七五%が除去されているということでありますので、専門家からも大変高い評価を得ておるわけでございます。

 ただ、このビオパークそのものは浄化施設としての効果はございますが、潟全体の水質改善に対しては当然これは処理能力が小さいということでございますから、本格的には下水道施設などが主流だというふうに思いますけれども、このビオパークはこういった水質浄化に対する教育啓発施設としてこれからもぜひ位置づけをしていきたい。そういう意味では、河北潟におきましても大変有効な機能を発揮するのではないかと、このように思うわけであります。

 そして、河北潟の干拓地の活用についての御質問がございました。干拓地につきましては、昭和六十年ころに一応干拓が終わりまして約千四百ヘクタール弱の干拓地が生まれたわけであります。大変その後、いろんな曲折をたどってまいりました。コメをつくるために干拓地をつくったわけでありますが、おコメをつくることを国が認めない。そして、酪農とか野菜を入れておりますけれども、おコメほどに価格保証、所得保障が十分ではないというような問題もあるわけでありまして、まだ完全な形での活用がなされていない。未利用地もその一割を占めておるという状況にもあるわけでございます。

 基本的には、農地として干拓をしたわけでありますから、農地として活用するというのが基本であろうと思います。そういう方向で私どももう十五年にわたりましてそういう取り組みをしてきたわけでありますけれども、いかんせん現在におきましても議員御指摘のようになかなか一〇〇%活用という状況にはほど遠い状況にあるわけであります。

 そして先般、京都グレインという工場の立地があったわけでございます。ですから私ども、何といいますか、農地として干拓をしたわけでありますから、余り農業とかけ離れた活用というのはまだ今すぐに決断をするというわけにはまいらないと思いますけれども、余り国の意向どおり狭い意味での農地に縛られた形での活用というのは、せっかく干し上げた土地の活用という面では、やはり少し不十分ではないのかなと。

 もう少し枠を広げた活用というものをそろそろやはり考えていく必要があるんではないかというふうに思いますが、ただこれは今地元の市町村でここが農業振興地域の整備計画というのが策定をされておりまして、狭い意味での農業上の利用を行うということになっておりますので、これは市町村の意向も当然これは聞いていかなきゃいけませんし、農業関係者の考え方もこれは聞いていかなきゃいかぬというふうに思いますけれども、十五年間こういう取り組みをしてまいりましたけれども、まだ先が少し見えないという状況があるわけでありますし、これからも恐らくここでおコメをつくるということは恐らく認めていただけないんではないかと、このようにも考えておるわけでありまして、農業というたがを少し緩めて、もう少し広範囲な活用ができるような考え方がやはりあってもいいのではないかと、このように考えておるわけでありまして、この河北潟の現状を率直に見詰めながら、市町村とか農業関係者の意向も十分踏まえて少し幅広に考えていきたいと、このように今認識をいたしておるところであります。

 そして今、観光農園等具体的な御指摘もございました。河北潟は金沢の近郊にあるということでございますので、いわば都市の住民との交流の場としても、私はそれなりの役割、機能を果たすのではないかというふうにも思いますし、今市民農園というのも一部開放しておりますが、順番待ちという状況のようでもございます。

 そういった意味では、今御指摘がありました点も踏まえまして、観光農園という形になるのかどうかよくわかりませんが、少し柔軟に弾力的な対応というものがあってしかるべきではないかと、このように考えておるわけであります。
 次に、プレジャーボートについての御質問がございました。石川県では、平成十一年の二月にこの不法係留船の実態調査を行いました。その結果、千百二十隻を確認をいたしまして警告看板とかチラシを配布してこの撤去に努めたわけでありますが、いかんせんよりどころになる法令等もないということで、その解消までには至っていないということであります。

 今般、小型船舶の登録等に関する法律がどうも制定をされるやにお聞きをいたしておるわけでありまして、そういたしますとすべて登録をされる、持ち主がはっきりするということでありますので、この不法係留対策もより効果的に実施できる、いわばそういった制度的な裏づけがこの法律によってなされるということでございます。

 私どもこの法律まだ成立はいたしておりませんけれども、この成立を見込みましてぜひ平成十三年度、国あるいは市町村、関係行政機関と連携を強化してこの不法係留船の対策に取り組んでいかなければいけないと、このように考えておりまして、平成十三年度早々にもプレジャーボート対策協議会というものを新たに設置をいたしまして、マリーナの利用とか運営の実態調査をぜひ詳細に行っていきたいと、このように考えておりますし、利用者団体も今ございますので積極的に意見交換も行っていきたいと、このように考えておるわけであります。

 不法係留船対策を強化してまいりますと、この取り締まりと合わせてこの保管係留施設の確保という受け皿の問題が出てくるわけであります。陸のプレジャーボートとも言われておりますマイカーについては車庫法という法律がありまして、この受け皿は各オーナーが責任を持って、自分の責任で整備をすると、こういうことに相なっておるわけでありますが、プレジャーボートの場合はなかなかそういうわけにも実際問題いかないということでございますが、この受け皿には用地の確保もございますし、膨大な経費の負担という高いハードルがあるわけであります。

 これは、ボートをお持ちの皆さん方のいわば趣味を実現をするということでございますから、その受け皿ということになりますと受益者負担という考え方は当然あって私はしかるべきではないかと、このようにも思いますので、意見交換とか調査結果も踏まえながらぜひ対応していきたいと、このように考えておるところであります。

畑中建治環境安全部長答弁――――――――――――――――
 河北潟の水質浄化につきまして二点お答えをいたします。
 御指摘のとおり河北潟の水質につきましては、十一年度の測定結果によりますと一リットル当たりのCODが九・七ミリグラム、全窒素が一・一ミリグラム、全リンが〇・〇九六ミリグラムと、まだかなり高い水準にございます。ここ数年横ばいの状況となっております。

 河北潟の浄化対策といたしましては、県は平成六年度に流域を生活排水対策重点地域に指定いたしました。これまでに公共下水道の整備あるいは合併処理浄化槽の設置に対する助成など、水質浄化に努めてきております。

 また、流域市町では河北潟クリーン作戦や水質浄化指導員の育成など啓発事業を積極的に推進していただいておるところでもございます。

 県といたしましては、今後とも流域市町や環境団体と連携しながら、より一層流域住民に対する意識啓発を行っていきますとともに、公共下水道等の面的整備の一層の推進あるいは窒素やリンを処理する高度処理型の合併処理浄化槽の普及により河北潟の水質浄化に努めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、水生植物の実験の成果でございますが、平成八年度に金沢市と内灘町がそれぞれ水生植物でございますヨシやホテイアオイ等を利用した生活系活用水質浄化施設を設置いたしました。

 湖沼富栄養化の原因物質であります窒素、リン等の除去率調査を継続して実施しております。平成九年から十一年度の三年間の調査結果でございますが、金沢市のヨシにつきましては窒素の全除去率が四二%、リンの除去率が三六%、それから内灘町のホテイアオイ等につきましては窒素が三一%、リンが四六%となっております。それぞれ一定の除去効果が確認できたというふうに考えております。

 今後の実用化に向けましては、刈り取った植物の利用方法の検討あるいは湖岸での実証試験、その他の水生植物を用いました浄化試験などデータの蓄積が必要だというふうに考えております。


●13(2001)年9月議会 9/28
中村勲議員質問―――――――――――――――――――――

 質問の第三点は、河北潟に関する問題であります。
 去る十六日、河北潟放水路をまたぐ内灘大橋が開通いたしました。サンセットブリッジと名づけられ、この橋は夜間になるとライトアップをされ、対岸の金沢市側からもよく見渡せるその美しい景観は、まさに新たなる名所として長く県民から親しまれるものと思っております。

 さらに、この橋の完成は美しい景観で人を魅了するということのみならず、県民が改めて河北潟に注目をし、そのあり方を考える契機となり得るという意味でも画期的であり、まさに河北潟にとって新たな歴史の一ページが開かれたと申しても決して過言ではございません。

 申し上げるまでもなく、現在の河北潟はかつて潟の干拓の際にその調整池としての従来の湖水面の三分の一が残されたものであります。その面積は八・九平方キロメートルに及び、石川県中央部に存在する最大の湖水面であります。これに直接接する沿岸の市町は、金沢市を初めとして一市三町にまたがり、生活に自然の潤いを与えるなど、沿岸住民にさまざまな恩恵をもたらし、また生活面での深いかかわりを持ち続けてきております。

 しかしながら、これまで湖水につきましては生活という視点から意義が余り顧みられることがなく、さらに県民が自然に親しむという観点からの施策としては、これまで全く手がつけられてきていないのが実情ではないでしょうか。

 金沢市では、こなん水辺の郷など子供からお年寄りまでが広く水辺の自然に親しめる空間の整備が進められているところでありますが、河北潟が県中央部の最大の湖水面であり、また多数の市町とかかわっているというそのありようを踏まえ、県としても広く県民の憩いの場として、また沿岸の子供たちの生きた教育の場として、水辺の自然や潟に親しめる施設等の整備を進めることが必要と思うものでありますが、この点、知事はいかがお考えか、御意見を承りたいのであります。

 さて、この河北潟といえば避けて通ることのできない課題として、周辺沿岸地域における浸水対策と水質浄化対策があります。浸水対策につきましては、本年は幸いにも今のところ大きな被害をもたらす台風の来襲や大雨がなく安堵いたしているところでありますが、沿岸周辺地区で毎年のように繰り返される浸水被害については抜本的な対策が必要であるということはかねてより指摘されているところであります。

 県や金沢市におかれましては、排水ポンプを設置するなど当面の対策は実施しているところでありますが、干拓以来一度もしゅんせつがなされていないということから、潟の底が浅くなってきております。さらに、流入する河川の数が多い等の形状から、総合的かつ長期的視点での抜本的な浸水防除対策が不可欠であるということは明らかであります。このことは、さきの金沢開発協議会からも要望されているところであり、県御当局においても十分承知されていることと思います。

 水質浄化対策につきましても、河北潟流域生活排水対策として関係する一市五町において推進計画が立てられ、生活排水対策が進められているところでありますが、下水道普及率の比較的低い自治体もあること等から、なかなか水質の浄化が進まないのが実態であります。

 いずれにいたしましても、これらの課題は複数の市町にかかわる問題であり、個々の自治体の対応のみで解決に至るものではありません。このような課題こそ県が主体となり強力なリーダーシップを発揮して、関係の市町が広域的な連携を実現し、一致協力して取り組まなければならない事業でありましょう。その中で国は何をするのか、県は何をするのか、市町が受け持つ部分は何なのか。それぞれの役割分担を明確にして、県が果たすべき責務については誠心誠意これを行っていく姿勢が強く望まれているのであります。知事の御所信をお聞かせいただきたいのであります。

知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟についての御質問がございました。河北潟、先ほどお答えもいたしました。農地であると同時に貴重な水生動植物、野鳥が生息をする場所でもございます。身近に自然と触れ合える場ということでもございます。

 我々、そういう意味では河北潟の治水対策と並びまして、そういった親水空間というんでしょうか、そういった意味での整備も今積極的に進めておるわけでございます。一つの例としては、内灘大橋を眺望できる内灘町の大根布地内で、今内灘町の公園整備事業と連携をしながら階段状の護岸とか木製の浮き桟橋、こういったものの整備も今進めておるところでもございます。

 平成十三年度は、堤防を活用した遊歩道の整備というものにぜひ取りかかっていきたい、このようにも考えているわけでありまして、いずれにしましても県民の皆さん方あるいは子供さん方が水辺の自然に親しめる場としての受け皿の整備、こういったことについて関係市町村とも十分連携をとりながら整備を進めてまいりたいと、このように考えているところであります。

 次に、浸水対策についての御質問がございました。この浸水対策につきましては、河川から潟へ流入してくる洪水は堤防で防ぐ。そして、周辺低地の湛水はポンプで排水をすると、これを基本にいたしておるわけでございます。そして具体の整備も進めているわけでございます。

 そして、この事業については地元の市町村も当然かかわり合いがあるわけでございますので、河北潟の連絡協議会というのを設置をいたしまして、堤防築造などの外水対策は県が、そして内水対策は市という形で役割分担を決めながら事業の推進を図ってきたところでございます。

 そして現在、河北潟を含みます大野川水系の河川整備の基本方針というものを策定中でございます。この中で、大野川の拡幅とか堤防の築造あるいは河北潟の湖岸堤の補強とかかさ上げ、さらには河北潟周辺の内水の排水ポンプの増設、こういったものを長期的な浸水対策という形でぜひ盛り込んでいきたいと、このように考えているわけでありますが、当面は平成十年の台風七号で大変被害の大きかった金沢市の湊地区、ここにつきましての大野川左岸におきます堤防の整備促進を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。

 そして、水質浄化対策についての御質問がございました。生活排水対策の重点地域に指定を今いたしておるわけでありまして、公共下水道の整備とか合併処理浄化槽の設置、こういったものを整備を進めてきておるわけでございます。議員御指摘のように、これは関係市町村の広域的な連携がやはり重要でございます。平成八年度に河北潟の水質浄化連絡協議会というのを設置をいたしまして、一番の問題はこの生活排水をいかに減少させるかということでございます。そういった面での努力を今いたしておるところでございます。

 下水道の普及率も市町村によって若干でこぼこがあるということでございますので、やはり下水道の整備を進めていくということが基本であろうと、このように思うわけでございます。そういった面での一層の促進を図ってまいらなきゃいかん、こういうふうに思いますし、家畜のふん尿の適正な処理も河北潟の浄化にとっては大変大事な課題でございます。


●平成13(2001)年12月議会 12/11
中村勲議員質問―――――――――――――――――――――

 次に、河北潟についてであります。「平成十二年度の河北潟の水質はCOD七五%値で一リットル当たり九・五ミリグラムと依然として環境基準は未達成となっており、対策が必要な状況にあります」という公的な文書があります。一リットル当たりの環境基準が窒素〇・六ミリグラム以下のところ河北潟では一・一ミリグラム。燐〇・〇五ミリグラム以下のところ河北潟では〇・一一ミリグラムと数値は大きく基準値を超えています。こんな状況がなぜ生まれたのでありましょうか。

 宇ノ気川を初め五つの河川から流れ込む土砂や生活排水、その堆積により底が浅くなっていること。それに海水の還流がなく、水の浄化がなくなっているために死の湖、潟と化しているのが今の河北潟の現状と指摘する人がいます。昔はカワギス、アカフナ、ボラ、イシゴイ、シジミ、ハネ、アマサギ、アミブリ、シラウオ等のたくさんの生き物がいました。そして、子供たちは唇が真っ青になるまで泳いだとも聞いており、それくらい水が澄んでいたからだと言います。

 そんな河北潟に戻すために、また水害対策にと浅くなっている底を深くするためにしゅんせつ、議会で再三にわたり要望してきたものでありますが、いまだに実現していないのであります。なぜなのでしょうか。

 県事業として予算的に難しいのであれば、国に対して強力に要望していくことも重要なことでありましょう。また、水質汚染が進んでいる水を使用して稲や畑の作物用の水利として問題がないのかどうか、大変重要な問題であります。また、現在既に水稲の農業用水としての基準値をはるかに超えている現状をどう見ているのか、お尋ねをしておきたいのであります。

 根本的に河北潟を救う方法があるとしたら、それは湖面を広げること。それには大きな資本投下が必要との試算があります。県民の財産を守り、命と暮らしを守るためには選択肢の一つと思いますがいかがでしょうか、お尋ねをしておきたいのであります。

 次に、指名問題についてであります。青木建設の破綻は建設業界に深刻な影響を与えています。特に経営が不安視される建設会社の株価が急落、五十円割れの銘柄が十四銘柄に達したとのことであります。また一方では、順調な企業は株価の上昇が見られるなど企業、業界の再編、淘汰が一層進む状況となっているようであります。さらに大手銀行の株価にも影響が出るなど事態は深刻であります。

知事答弁―――――――――――――――――――――
 次に、河北潟についての御質問がございました。水害対策としてのしゅんせつという御質問がございましたが、森下川とか金腐川が河北潟に流入する付近では土砂の堆積が見られるわけでありますので、河川の流下能力に支障を来すということでもございますので、必要に応じてしゅんせつもいたしておるところでございます。

 河北潟の水深調査をいたしました。潟の深い部分が幾分浅くなっているということが確認をされておるわけでありますけれども、治水ということになりますと海抜〇・四メートル以上ということになりますと治水対策をしなきゃいかんということになるわけでありますが、それ以下のところは利水にはプラスになり得ましても治水容量には直接影響しないということがございますので、今私どもは河北潟の治水対策としては、沈下した堤防の補強とかかさ上げ、こういったものを今実施をしておるところでございます。

 そして、水質浄化対策としてのしゅんせつということになりますと、平成九年度から平成十三年度まで、この河北潟の環境保全対策の調査を実施をいたしました。河川からの汚濁流入量が大変多い。むしろ底泥からの溶出量が少ないということでございますので、しゅんせつによる水質改善の効果は相対的に小さいということになるわけであります。

 限られた財源をどの対策に最優先に充当するかと、こういうことになってまいりますと、やはり公共下水道とか生活排水処理施設、こういったものを整備を進めていくことによりまして河川からの汚濁流入量を減らすということが基本ではないかというふうに思いますし、これが最も効果があるのではないか、このように受けとめておるわけでございます。

伊丹農林水産部長答弁――――――――――――――――――
 なお、河北潟の水質は望ましい農業用水基準を超えていることは事実であり、水質の改善には流入水質の改善など関係部局が密接に連携した総合的な対策が必要であると考えておりますが、農林水産部といたしましても農業用水を取水する揚水機場が堆積汚泥を吸い込まないような吸い込み口に改造する工事を実施中であり、さらに揚水機場に水質改善装置を設置することも検討しており、今後とも農業用水の水質改善に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。