会は、こうして停止した
一歩手前でどういう動きがあったか?




当時、会の活動は事実上停止しており、会員から「会を仕切り直ししよう」との提案もあって、例会がもたれた。以下は、その時のメモである。
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【資料】1995年7月例会メモ
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 1995年7月11日(火)河北潟を考える会例会内容メモ
 19:30〜21:00 参加者:10名

 清水(会長あいさつ) ハガキに、会長もいないと書いてあるので、今日は忙しいが参加した。会というのは気楽にやっていけばいいと思う。せっかくうまくやってきた。亀裂、亀裂というけど、過去のことは済んだこととして、前向きにやっていこう。

 MA (いきなりケンカごしで)会のハガキは非常識だ。会議の内容を外に出すなんて問題だ。文責渡辺というんなら責任とって事務局やめるべきだ。このレジメ(渡辺作成の資料=亀裂問題)も問題だ。なにが亀裂だ。昔のことをむしかえしても仕方がない。そんなにこの会がきらいなら事務局を辞めて会を出ていったらいい。
 渡辺 そんな乱暴な。
 MA 鍵がかかっていたというが、連絡をもらえば開けた。その頃選挙でみんな大変。ハガキも遅れてついた。
 渡辺 集まれば鍵の連絡をしようと思った。しかし2、3人しか来ない。3〜5月は忙しいからこれからの活動や、会のことを考えようと確認している。例会は毎月第2火曜日と決まっている。
 KU 皆んな忙しいから、月1回と決めたはず。やりくりして出席するべき。私なんか1時間半かけてここまで来るんです。
 藤木(川崎重工金沢所長)(ハガキの内容)確かにこんなことも言った。しかし前後のことを書かないと分からない。前にもっと言っている。書くなら全体を書かないと伝わらない。
 渡辺 ここは前回の例会の本質的な部分で発言が間違っていたら問題だが、正確だ。
 大舘 書くなら誤解を招かないように一字一句正確に出して。私の立場もあるんだから。これ人権問題よ。
 渡辺 立場って何?
 大舘 私、議員なんだから。
 渡辺 会の中では皆んな平等ですよ。
 大舘 会員名簿はどうなっているの。公表しなさいよ。会員名簿をおいて会から出て行きなさいよ。
 渡辺 シンポジウムの時の参加者名簿(住所も)は配布してある。ほとんどこれに入っている。
 大舘 あんたら一緒にやりたくないんでしょ。会を出ていけばいいのよ。
 KU 会の「しきりなおし」を提案したのは私。研究所のことでもめて以来、会の雰囲気が変になった。3〜5月の例会の際、会場すら開けられない事態にさすがに「これは異常事態」と感じた。先月になり出てきた研究所の3人(大館、沢野、藤木)の話を聞いていると、会を利用しようとしていると感じた。本当は住民と一緒にやっているという名前が欲しいのでしょう?
(その後、藤木によるケンカごしの反論)
 藤木 渡辺さん、あんたはマッチポンプだ。亀裂だ、亀裂だと騒いで、自作自演じゃないか。(研究所スタートの手続きの問題について)自分の中では、考える会の中から研究所が出来たと思っている。事実、お二人(大舘さん、沢野さん)は考える会の中で中心的にやってきた人だ。今でも考える会から研究所が出来たと考えている。私がそう思っているのだから仕方がない。
 IK 経過をきちんとふまえなければならない。研究所の発足の会合が北国新聞のように考える会のよびかけで出来た、というのは明らかな間違い。研究所発足当日、大舘さんにも言って、あなたは私に謝った。
 藤木 研究所の議事録にはそういう発言はない。
 IK 席上では配慮して言わなかった。終わってから沢野さんにも言った。
 藤木 「思う」という心の問題をそれが間違っているといわれても困る。
 IK 心の問題を言っているのではない。会の中心になっている2人が個人的に関わっていることと、会の中から研究所が出来たということは違う。
 沢野 北国の記事は間違っていた。
 IK(藤木氏に)では、会の中から出来たとこれから言わないですね。
 藤木 会から出来たと思っているんやから言うかもしれない。そこまでどうして束縛されんといかんのか。個人がこう思っているんやからいいじゃないか。これが民主主義じゃないですか。あんたたちの理解では、会と研究所は別の物なんでしょ。それなら研究所がおかしいって言うのがおかしいじゃないか。
 渡辺 研究所の内部の問題を言っているのではない。会のよびかけで出来たという研 究所の強引な出発が亀裂を生んだと言っている。
(大館、沢野両氏が会の名前を使って研究所発足の宣伝していることについて)
 藤木(大館、沢野両氏が)会に積極的にかかわっていたから、2人に相談もした。接近もした。
 大館(会の代表というものについて)一人でも全体だと思う。私は会長だと何回も言ったことがある。私達が代表だから。いちいち全体で決めることは不可能。だから3人(大館、沢野、渡辺)で相談していたのよ。3人でコネコネやってきた会なんだから。
 渡辺 3人というのは会の事務局。コネコネじゃない。大舘会長というのは、助成金申請の手続きの締め切りが迫り、複雑な書類を沢野さんと書いていて、事務局としてそういう書類をつくった。経過は例会にも報告してある。
 沢野(住民運動について)あいまいなスタイルは変えたくない。IKさんは研究所に反対なんでしょ。
 IK 研究所の意義は認める。だから参加した。ただ研究所発足の手続きがまずかった。
 沢野(IK氏に)では、研究所には参加しないで下さい。研究所に協力しない人はいらない。もうダメなものはダメです。
(しばらく後、次のように発言取消し)
 沢野 私が参加しないで下さいと言ったことは、私の一存では決められないので取り消します。(注@)
(その後再び)
 沢野 ヘンなふうに入ってこられても研究所が大変になるだけ。
 松井 過ぎたことをいつまでも言っているようでは、会全体で前向きに考えられないから、もう文句のある人には出ていってもらうしかない。渡辺さん、あんた出ていきなさい。こっちはこっちでやれるから。勤労協の会員は自動的に全員(河北潟を考える会の)会員になるんや。
 大館 そおよ。一緒にやりたい人は沢山いるんだから。分裂やね。A派とB派にね。金沢と内灘その他でね。
 沢野 渡辺さんがおかしいと思っている人と、渡辺さんにおかしいと言っているひとがいるんやから。
 大館 入っていたくなかったら、入らんこっちゃ(入らないでいい)。10人集めることなら他で集めるわ。
 IK (3人とのやりとりの後)では、こうした今まで話の経過や発言を研究所の人や他の環境グループの人に伝えてもいいですね。
 大舘 どうぞどうぞ。そのかわり、私らの言ったこともちゃんと書いてや。
 沢野 (研究所について)言ってみれば、僕らが新しすぎるんですよ。自分でもこういう形(企業、研究所、住民運動の3者がかかわっていること)がどうなるか興味ありますしね。
 藤木 まあ、こういう問題があるというのは分かりました。しかしこのまま今上の別れというのもなんだから、善後策をいつか沢野さんとか渡辺さんとかでやったらどうか。
 渡辺 運営委員で相談するのがいいと思う。
(「トラスト60」の環境活動助成報告の案を渡辺が作成、沢野へ送ることを確認)
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【解説】
 この例会を最後に、河北潟を考える会は最終的に活動を停止した。
 研究所設立に関わっている3人とMAさんの感情的発言にみられるように、かなり乱暴な発言が飛び出している。河北潟周辺住民参加を第一義的に重視する会員と、研究所設立が絶対とするメンバーとの間で、激しい議論となったことがよくわかる。

 注@ 登場するIKさんは、河北潟問題を研究している湿地問題で全国的に知られている学者です。宍道湖・中海の問題や諫早干拓問題でも積極的に関わっておられ、研究所発起人にも名を連ね、正式なメンバーであったが、この例会以降、研究所からの案内が全く来なくなったそうです。