委員会費用が、辰巳ダム事業費から出されていた


知事に公開質問状を提出
委員会に意見書も提出

2003.6.10

 ひょっとすると、これはとんでもない話かもしれない。
 犀川水系河川整備検討委員会に提出されている、膨大な資料が辰巳ダム事業費の中から支出されていることがわかったのだ。

 河川法第16条によって、河川管理者(2級河川は知事)は、河川工事をする時、様々な工事の整合性を確保するため、事前に河川整備基本方針と河川整備計画を策定しておかなければいけないことになっている。
 簡単にいうと、河川整備基本方針とは、河川を多角的に現状を確定する作業、河川をリアルに把握し、一定の確率年洪水の規模を決めるのだ。河川整備計画は、決められた基本方針を元に、必要な個々の河川工事を定める。(河川法第16条参照

 犀川水系河川整備検討委員会は、これまで本委員会が5回、専門部会が2回開かれ、県から膨大な資料が提出された。パワーポイントを使った紙芝居の上演も続けられた。この膨大な資料がどのように作られているのか? 発注先はどこか? 費用はどれだけかかっているのか? ……こうしたことを知りたくて、5月15日、公文書請求をした。
 6月3日、発注、契約の資料を入手した。この日、資料をもって現れたのは辰巳ダム建設事務所の職員。公文書の名称は次のように書いてある。
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(公文書名)
平成14年度 犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)検討委員会(犀川水系河川整備検討委員会)資料作成業務委託に係るもの
 ・業務委託設計書及び業務委託変更設計書
 ・契約締結に係る支出負担行為伺及び前金払実施伺
 ・業務委託内容変更に係る契約締結及び支出負担行為伺
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 これは、委員会へ提出される資料が、辰巳ダム建設事業費で作られていることを示している。これはどう考えても本末転倒である。
 早速、この真相と県の見解を求めて、公開質問状を、県に提出した。

 ◆ 石川県知事へ公開質問状
 ◆ 犀川水系河川整備検討委員会へ意見
 ◆ 関連資料/記者室へファックス連絡


【公開質問状】
石川県知事 谷本正憲さま                  2003年6月9日

                      ナギの会 用水研究部会代表 渡辺 寛

犀川水系河川整備検討委員会の費用、運営についての質問

 用件のみで失礼します。
さる6月3日、情報公開請求によって、「犀川水系河川整備検討委員会資料作成のための発注、契約」の資料を入手いたしました。(5/15請求)。
 公開決定通知によれば、文書の名称は次のものです。

・平成14年度 犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)検討委員会(犀川水系河川整備検討委員会)資料作成業務委託に係るもの
  ・業務委託設計書及び業務委託変更設計書
  ・契約締結に係る支出負担行為伺及び前金払実施伺
  ・業務委託内容変更に係る契約締結及び支出負担行為伺

 これを見ると、これまで本委員会が5回、専門部会が2回開かれた、犀川水系河川整備検討委員会の費用が、まるごと辰巳ダム建設事業費の中で支出・運営されていることになります。
 「犀川水系河川整備基本方針」の作成は、河川法16条に基づいて、国が県に作成を命じているもので、辰巳ダム建設と直接関係はありません。
県河川課による委員会設置の説明も、
――本県では、犀川水系における河川整備基本方針を策定するにあたり、治水・利水・環境等に関する学識経験者、有識者及び関係団体の代表の意見を聴くため、「犀川水系河川整備検討委員会」を設置した――
 とあります。

 この作業は、個々の河川工事計画の上位に位置するもので、この方針の内容によっては、辰巳ダム建設が廃棄されるかもしれない性格のものです。断じて辰巳ダム建設事業のなかで検討すべき事ではありません。本来、「河川整備基本方針作成のための事業」として新規に予算を得て進めなければいけない性格のものだと考えられます。

  しかし、この文書は、委員会が辰巳ダム建設事業の一環として進められていることを明確に示しているもので、法理と道理からみても看過できません。
 事実、委員会の審議の中でも、県(河川課)が、辰巳ダムを前提となるような趣旨の説明があったとき、委員から「この作業は辰巳ダムを前提としていない。誤解を招くから訂正するように」と指摘されることも多々ありました。

 真剣に委員会に参加して議論している識者の方々にも、大変失礼なことであり、以下の諸点につき、ご説明・ご回答をお願いします。

 なお、これは大きな問題だと感じていますので、公開質問とさせていただきます。
 また、委員会が進行中でもあり、回答を6月17日(火)までに、お願いします。

              

1) 犀川水系河川整備検討委員会の資料などが、辰巳ダム建設事業から支出されている理由はなぜですか?

2) 本来、別途予算を得て、犀川水系河川整備基本方針策定にあたるべきだと思いますが、そうではないのでしょうか?

3) 現行の費用支出は、会計手続上、問題はないのでしょうか? 問題がないとすれば、その根拠などを説明して下さい。

4) こうした会計上の事実を委員会の委員のみなさんにお伝えし、説明する必要があると思いますが、いかがですか?

                                     以 上


【委員会へ意見書】
犀川水系河川整備検討委員会委員長、               2003年6月9日
基本方針策定部会 委員長 及び、
すべての委員 あて
                          ナギの会 用水研究部会代表 渡辺 寛
 
               意 見 書

 用件のみで失礼します。

1)委員会費用への疑問
 さる6月3日、情報公開請求によって、「犀川水系河川整備検討委員会資料作成のための発注、契約」の資料を入手しました(5/15請求)。
 この資料によって、犀川水系河川整備検討委員会の費用が、まるごと辰巳ダム建設事業費の中で支出・運営されていることが分かりました。
 「犀川水系河川整備基本方針」の作成は、河川法16条に基づいて、国が県に作成を命じているもので、辰巳ダム建設と直接関係はありません。この作業は、個々の河川工事計画の上位に位置するもので、この方針の内容によっては、辰巳ダム建設が廃棄されるかもしれない性格のものであることは、委員の方々には自明のことで、断じて辰巳ダム建設事業のなかで検討すべき事ではありません。
  本来、「河川整備基本方針作成のための事業」として新規に予算を得て進めなければいけない性格のものだと考えられます。
 事実、委員会の審議の中でも、県(河川課)が、辰巳ダムが前提となるような説明があったとき、委員から「この作業は辰巳ダムを前提としていない。誤解を招くから訂正するように」と指摘されることが多々ありました。
 この、委員会費用が辰巳ダム建設事業費から支出されている現実は、まさに「誤解を招く」ことですから、委員長におかれましては、誤解を解くためにも、また参加委員の真摯な議論を得るためにも、県から明確な説明を求め、委員のみなさまにも説明される責任があると思います(公開質問状は添付)。

2)突然の審議方針の転換について
 先の第5回委員会で、委員長は、基本方針策定部会をつくり、第6回委員会で、結論を出す、との意向を示され、9人の部会委員を指名されました。
しかし、第4回までの会議で委員長が示されていた方針は、@環境問題では外部からの委員を入れず、委員の中から部会をつくる。Aその後、文化財などの問題は、次回の委員会で行う、とのことでした。(これは、審議内容のテープで確認しています。)

  なぜ、突然に方針転換されたのでしょうか。県民にも、委員にも明確に説明される責任があると思います。
 前回の委員会の中では、委員長の意向が突然示されただけで、その説明がありませんでした。委員の方々にしてもあっけにとられたのが正直なところではないでしょうか? 事前に県河川課との打ち合わせがあったと思われますが、委員長の指揮・意向を明確にされないと、公開審議として傍聴を可能にしてはいるものの、審議を形式的ものにしてしまい、委員会そのものにも汚点を残すことになります。

3)多くの疑問を審議するために
 このままでは、過去より、辰巳ダム建設のまさにその中心にあった、「歴史的遺産としての辰巳用水の保全・保存」の問題が、「その他扱い」になってしまいます。過去の審議内容・審議指揮を検証いただき、部会設置以前に議論をもどし、辰巳用水の歴史的文化財的位置の確認を、是非していただきたいと思います。
 また、これまで委員会を傍聴した県民だけでなく、全国の治水・利水に関わっている諸団体も、この委員会審議に注目しています。
 これまで、多くの疑問が出されていますが、審議は単に県から提出された資料の枠の中だけで審議するだけで、資料そのものを独自に調査検討することはまったくありませんでした。
 犀川の流下能力についても、県は1230t/secとしていますが、先日入手した資料によれば(2002年3月作成)、県は流下能力を調査していたのです。
 この資料を見れば、県が委員会に報告した犀川の流下能力についての説明に大きな疑問が出てきます。県はこれまで流下能力調査についての資料はないものとしてきましたが、実はあったのです。
 このように、県提出の資料そのものにさまざまな疑問があります。委員会としても、自主自立の審議会として機能できるよう、委員長の適切な審議指揮を切に望むものです。
                                          以上です。


【関連資料/記者室へファックス連絡】
報道関係各位                               2003年6月9日

                           ナギの会 用水研究部会代表 渡辺 寛

  本日、犀川水系河川整備検討委員会の費用について県に質問します

 用件のみで失礼します。
 さる6月3日、情報公開請求によって、「犀川水系河川整備検討委員会資料作成のための発注、契約」の資料を入手いたしました。(5/15請求)。
 この資料によって、犀川水系河川整備検討委員会の費用が、まるごと辰巳ダム建設事業費の中で支出・運営されていることが分かりました。
 「犀川水系河川整備基本方針」の作成は、河川法16条に基づいて、国が県に作成を命じているもので、辰巳ダム建設と直接関係はありません。
 この作業は、個々の河川工事計画の上位に位置するもので、この方針の内容によっては、辰巳ダム建設が廃棄されるかもしれない性格のものです。断じて辰巳ダム建設事業のなかで検討すべき事ではありません。
 本来、「河川整備基本方針作成のための事業」として新規に予算を得て進めなければいけない性格のものだと考えられ、この問題は、あるいは大変なことに発展するかもしれません。
 4項目の質問にまとめ、以下のように、提出します。

 日時:本日、午後3時
 場所:県河川課

 なお、質問状のコピーは、ファックスしますが、参考資料などがあれば、帰りに記者室にもよります。
                                       以上です。