左右の堤防高差が185cmもある
左右両岸の堤防の差は、普通、民家密集側を高くし、災害に備える。しかし、鞍月用水堰上流は、民家側(市内中心部側)が低く、河川管理の常道からはずれていることはすでに指摘した。河川管理の瑕疵に相当する。災害が起きれば賠償等、行政の責任は必死となる。(参考:鞍月用水堰上流3つの謎/河川カルテに数字のねつ造あり)
犀川全体の図面を見ると、左岸と右岸どの地点をとっても高さが違う。河川管理のため堤防を整備してきた歴史の反映でもあるが、両岸の堤防高の差が極端に大きいところが他にもあった。JR橋付近である。
先日ふと思いついて計ってみた。鉄橋を水平の基準として計った。185cmの差があった。左岸(本江町)が右岸(大和町)より低い。手持ちの図面(犀川中小河川改良工事図面/昨年県から入手)では、174cm
の差となっている。
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左岸・低い本江町堤防 右岸・高い大和町堤防
このJR橋はかなり古く、橋脚基礎は昔のままである。だから、この地点は、鞍月用水堰と同様、河川整備で放置された場所ともいえる。現に平成10年9月台風7号の洪水では、JR橋上流部で水位が満杯状態だった(地元の方に以前聞き取りをした時の証言)。
この台風の時、鞍月用水堰上流はまだ余裕があったようだから、犀川で一番の危険箇所は、このJR橋かもしれない。
犀川の河川整備を検討したはずの委員会でも、一切登場したことはなく、犀川の危険箇所を調査した「河川カルテ」にも記載がない。一体どうなっているのか?
堤防差は、辰巳ダム調節量より大きい
この堤防差185cmは、洪水量に換算するとどれほどになるか?
簡単に計算すると、辰巳ダムが調節する最大洪水量より大きい。びっくりである。
洪水時の流速:8m
川幅:60m
堤防差:1.85m
→ 8×60×1.85=888 m3/秒
仮に、この流量の60%としても、888×0.6=532.8(m3/秒)
辰巳ダムが洪水調節する最大が、440 m3/秒 だから、ダムをつくるより、堤防の補修をする方が先だという結論になる。
これを確かめたくて、次のように公文書請求をした。
@ 一番新しい「御影大橋〜大豆田大橋」間の 河川断面、縦断、流下能力計算資料
A 新御影橋建設で施行部局と河川課が行った事前協議内容(河道断面、流下能力確認など)
B JR橋直下の河床止め工事の資料
C 犀川、浅野川のハザードマップ作成のための基礎資料
D Cにつき、金沢市へ提供した基礎資料のすべて
※いずれも電子情報を含む
参考:「検証・堤防をめぐる争い」。
参考:「資料では JR橋 左岸堤防が174cm低い」
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