新税創設の結論は最初から決まっていた

いしかわ森づくり検討委員会

掲載 2006.9.18

一度も開催の事前案内がない密室委員会
いしかわの森づくり検討委員会なるものが出来ていた。
一度も県の記者発表資料に登場していなかったから気がつかなかった。突然、新聞で森林整備の財源確保のため税金を新設する方針を目にした。

委員会の資料に次の3点が結論とされている。
@ 森づくりのための取りくみを考えた場合、一定の財源規模が必要。
A 緊急的に森林整備を図るにしても、一定期間、安定的な財源が必要。
B 森林は、県土を災害から守り、きれいな水や空気を育み、二酸化炭素の吸収固定による地球温暖化防止への貢献など多様な機能を持っており、その受益は県民全体が受ける。

それぞれ、もっともその通りである。だからといってなぜ新税(いわゆる環境目的税)なのかまったく分からない。費用がかかる必要事業の存在と新税創設はまったく別のことだからだ。

結論に導く詐欺的手法ではないか
この委員会の議論の内容を概観するだけでも、石川県の意志決定に大きな問題があることが分かってくる。現在、整理途中だが、これは詐欺的手法ではないか? 簡単に紹介してみよう。

「現在白紙の状態である」
県の森林整備課のホームページに「いしかわの森づくり検討委員会」のページがある。過去、部会も入れて14回の会議が開催されている。
第1回の委員会(H16.6.4)で、次のやりとり。
…………………………………………………
(梶委員)
検討する中で、森林環境税の話に絡んでくると思うがいかがか。
(河田農林水産部長)
検討の過程で必要という話であれば視野に入れていくことになるが、段階では、白紙の状態である。
…………………………………………………
部長は白紙と言っているが、この新財源づくりの方針は「石川県新行財政改革大綱」に既に書かれている。
この行財政改革大綱も何度か改訂されているが、当初(平成7年)は「健全財政の推進」「受益者負担」の中に入っていた「将来の財政負担を勘案した新長期構想の着実な推進」が、昨年度の新大綱で「公益的機能を有する森林整備の負担のあり方に関する財源の検討」として「受益者は県民一般」として明確にされている。
既に新税の方針が県として確定していることがわかる。しかし検討委員会の中では一切こうした議論はない。

委員会の議論とかみあわない新税創設の結論
委員会の議論の全体は森林の現状確認と新しい整備の方向の議論が主で、時々「整備に費用がかかる」という話題はあるものの「白紙」状態で、財源の話は行われずに推移してきたが、一委員のひと言が根拠となって、県が作成した「中間とりまとめ」(案)に新財源創設が突然盛り込まれている。
つまり、事務局からの「新財源創設の結論」が最初から仕掛けられている。
委員会の議論の中心であった「森づくり整備方針づくり」が「財源新設」にすり替わっていることがよくわかる。両者は本来まったく別のことであるからだ。
整備費用と財源問題を議論するには、石川県の財政やムダ、戦略的分野への予算再配分、無駄遣いや全国でもトップクラスの公共事業依存体質など過去の財政政策の総点検が不可欠だ。そういった税に関わる基礎的議論がないままに新税創設を決めるのはいかがなものか。

辰巳ダムの是非を議論した文化財保護審議会の轍を踏む
昭和55年9月、文化財の価値や保護を審議すべき文化財保護審議会が本来の目的を逸脱して、辰巳ダム建設の是非を議論し「辰巳ダム建設やむなし」とされてしまったように、この森づくり検討委員会もこの轍を踏んでいる。
このあたり、行政の狡猾さというか、委員の先生?方のイドーラ状態というか、困ったことである。地方自治の根幹に触れる問題を抱えている。

◆資料編(委員会の財源部分の議論をまとめた)


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