景観大賞資料 非公開の理由/県の言い分

掲載 2006.8.22

昨年度の石川県景観大賞が金沢駅前のガラスドームと赤門。
景観審議会の経過資料に黒塗りがいっぱい。
異議申立に対する県の言い分を紹介する。
◆これへの反論を提出(2006.8.22)



理 由 説 明 書   

第1 処分に係る経緯

1 決定に係る対象公文書の特定
 平成18年2月16日付けで異議申立人から石川県情報公開条例(平成12年石川県条例第46号.以下「条例」という.)第6粂第1項の規定により、石川県知事に対して公開請求のあった公文書を「第29回石川県景観審議会の開催結果について」「第30回石川県景観審議会の開催結果について」(以下「本件公文書」という。)と特定した。

2 公文書の内容
 本件公文書は、石川県景観審議会規則(平成5年石川県規則第29号)に基づき開催された審議会に係る以下の書類である。
・第29回石川県景観審議会議事録(第12回いしかわ景観大賞第1次選考について、石川県景観マスタープランについて)に関する書類
・第30回石川県景観審議会議事録(第12回いしかわ景観大賞第2次選考について、今後の「いしかわ景観大賞」のあり方について)に関する書類

3 決定の内容
 平成18年3月2日付けで、本件公文書のうち、以下に記すものを除いて公開する旨の決定を行い、異議申立人に対して通知を行った.
・審議会議事録のうち委員の氏名
・審議会議事録のうち各候補の個別の評価に関する部分(ただし、受賞者の受賞理由に関わる部分は除く)
・集計結果における景観の名称及び所在地(ただし、第2次選考におけるいしかわ景観大賞受賞の名称は除く)
・第1次選考候補の景観の名称及び所在地並びに紹介内容
・受賞者以外の各候補の設計者等の名称又は氏名
・アンケート結果における各候補の名称及び主な意見


第2 決定に対する理由‘

1 基本的な考え方
 条例は、公文書の公開を求める権利につき定めること等により、県民の県政に対する理解と信頼を深め、もって県民参加による県政をより一層推進することを目的として制定されたものであり、原則公開の観点から解釈し、運用しなければならない。
 しかしながら、個人等の権利利益や公共の安全、公共の利益も適切に保護すべき必要があり、公開することの利益と公開しないことの利益と、を適切に比較衡量する必要があることから、請求された公文書を個別に判断しているものである。

2 具体的な内容
(1)条例第7条第5号(審議、検討又は協議に関する情報)の該当性について
 条例第7条第5号は、行政における内部的な審議、検討又は協議が円滑に行われることを確保する観点から非公開情報を定めたものである。行政における内部的な審議検討等に関する情報の中には、公にすることにより、審議、検討又は協議の際の自由な意見交換や公正な意思決定が妨げられ意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるもの、未成熟な情報が確定した情報と誤解され県民の間に混乱を生じさせるおそれがあるもの、特定の者に不当に利益や不利益をもたらすおそれがのあるものがあるので、これらを防止しようとするのが趣旨である.
 これを本件についてみれば、本件公文書は、景観審議会の審議結果を記録したもので、本会では「いしかわ景観大賞」の審査選考を行っており、選考過程における各委員の発言内容に係る議事録を含むものである。これが公にされることにより、今後同審議会で同様な選考が行われる場合において、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあると考えられる。よって、審議会議事録のうち審議会委員の氏名について非公開とした.

(2)条例第7条第3号(事業活動情報)の該当性について
 条例第7条第3号本文は、事業者の事業活動その他の正当な利益を尊重し、保護するため、事業活動に関する情報で、公開することにより、事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのある情報が記録された公文書は、公開しないことを定めたものである.
 これを本件についてみれば、本件公文書では、「いしかわ景観大賞」の審査選考の中で、応募のあった各候補の評価、採点を行っており、候補によっては低い評価、採点がなされたものもある。これが公にされることにより、各応募者の社会的信用、評価を低下させるおそれがある。よって、審議会議事録のうち各候補の個別の評価に関する部分(ただし受賞者の受賞理由に関わる部分は除く)、集計結果における景観の名称及び所在地(ただし、第2次選考におけるいしかわ景観大賞受賞の名称を除く)、第1次選考候補の景観の名称及び所在地並びに紹介内容、受賞者以外の各候補の設計者等の名称又は氏名、アンケート結果における各候補の名称及び主な意見について非公開とした。

(3)条例第7条第3号(事業活動情報)ただし書きの該当性について
 条例第7条第3号ただし書きは、事業者の事業活動により、現に発生しているか、又は将来発生するおそれがある危害等から人の生命、健康等を保護するために公にすることが必要であると認められる情報が記録された公文書は、本号本文に該当する場合であっても公開しなければならないという趣旨である・
 しかし、本件公文書は、前記の内容からみて、人の生命、健康等を保護するために公にすることが必要であるとは認められない。
 したがって、本件公文書は条例第7条第3号ただし書きに該当しないものと判断する。


◆↑これに対する反論書を提出(8/22)


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