わが家のツバメ日記




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9月以後は「ツバメ帰る日誌」


2002.3.20(水)晴れ――――――

3月14日にわが家に帰ってきたツバメ君の報告です。
例年、一番乗りのツバメに続いて、遅くても2,3日後には、何羽か到着し、玄関の中をグルグル回って、出たり入ったりしていますが、今年は、どうしたのでしょうか?

この1羽だけが、今日現在止まり木で一人ぽっちなんです。1週間になりますが、他のツバメの姿は周辺にもありません。こんなことは、過去になかったのではないかな?

このツバメ君だけが、特別に早く到着したのかもしれません。早く来い来い、仲間達……!


2002.3.22(金)晴れ――――――

ツバメ君、相変わらず一羽で淋しく玄関で眠っている。おかしいなあ。もう仲間が現れてもいいのに。朝飛びたって、夕方まで帰ってこない。まだ十分明るいのに4時には戻っている。仲間捜しに疲れるのだろうか。それっきり動かない。
このツバメが止まっているところは、2年前(2000年)の春、 新しい巣を作った場所だ。

この巣の下はものが置いてあって、フンで汚れる。仕方がないので、巣の前に止まり木を作り、その下に段ボールの受けを作ってある。
この巣から2年で8羽が育っていった。2羽が隙間に落ちて死んだ。元気のいい子どもほどよく落ちる。いつも見ているのだが、近寄ると動かずじっとする。気が付かないから死ぬ。元気ならいつも騒いでくれ。助けてあげるのに。
さて、今年はどうなるでしょうか。

この巣の他に、継続使用中の巣が4個あるが、まだどこにも来ていない。


2002.3.25(月)晴れ――――――

昨日(日)は、朝起きると雪が積もっていた。3センチくらいですぐ溶けた。午前中は、薄暗く厚い雲と冬の空である。午後、5月に予定している河内村へ森林の下見に行った。野生のワサビを採ってきた。今晩の食卓は、刺身とカラシ菜になるだろう。

今朝、いつものように朝出ていったツバメ。
外へ出て見ると、家の前の電線で鳴いている。「チュルルル、チリチュル、ビチクリ、チリジュル、ジーー」。3秒ほど一気に鳴いて最後に低く「ジー」と鳴く。
その他にも色々な鳴き方をするが、「ジー」がつくのは、他のツバメへの「よびかけ」のようだ。
「俺はここに居るぞ、おーい、誰か返事しろ!」と聞こえる。

夕方、浅野川をはさんだ対岸の大浦町を通ったら、電線にツバメが2羽とまっていた。
周辺にも飛来している。わが家のツバメ君、今夜も1羽のまま止まり木で宿泊。


2002.4.1(月)晴れ――――――

「耳を澄ませば」という宮崎アニメがあったが、このツバメ日記を書こうと思ってから、耳が自然に外に向く。朝、目を覚ますと、日によっては鳥の鳴き声の大合唱である。午前8時ごろまで、よく鳴いている。こういう日は天気がいい。
それまでは、あまり意識しなかったが、曇天でもたくさん鳴いている。低く「ボー、ボー、グー、グー」と鳩。
「チチ、チチッ、チチュン、チッ」と雀。これが多い。いろんな鳴き声に混じって「チュルルル、ルリルリ、ジー」とツバメ。

今朝、ツバメの鳴き声がいつもより多い。家の前に出てみると、4羽のツバメがクルクル回っている。先着のツバメ君の仲間がようやく到着したのか?

夕方、ツバメ君たちがどうしているか巣を見た。ン……?? 1羽だけがいつものようにとまっているだけだ。他の巣にもいない。今朝のツバメ達は、通りすがりだったようだ。わが家に昨年まで常駐していたツバメはまだ来ていない。

今日、金沢は桜の満開宣言。例年より10日早いという。今年は、桜でもツバメでも、様子が変だ。


4/2(火)晴れ――――――

今朝、ツバメ君が家から出るところを観察してみた。玄関を開ける私の顔をかすめて外へ飛び出す。そのまま、加速して一気に青い空に舞い上がる。大空高く、家を中心に輪を描いて何度も回っている。かなり高い。50mほど上空だ。
チュルルル、チュルルルと鳴き声が聞こえる。そのうち、見えなくなった。

昼頃、ツバメ君、巣の縁に止まっている。巣の中に首をつっこんでなにやらしている。独りぼっちのときは、巣に関心を示さないのに、今日の行動は異変である。ひょっとして、他のツバメとの出会いがあったのかもしれない。

夕方巣を見ると、止まり木に2羽がチョコンといるではないか。お雛さまのように2羽が並んでとまっている。やっと相棒が到着したのだ。疲れているのだろう、2羽とも動こうとしない。ちょっと離れているのがおかしい。あまりに可愛く初々しいので写真を撮った。





4/8(火)晴れ――――――

今日も晴れ。この日記を載せるときはいつも晴れ。晴れの日は、ツバメに動きがあるのだ。4/2に再会?をとげたツバメ君たち。
時々、巣の中に入ったりしていた。昨日は、どうしたことか、玄関で3羽がクルクルとかなり激しく、おいかけっこをしている。
どれが新参のものかわからないが、新しいのが略奪のために、押し入ってきたらしい。1羽は止まり木に停まることが多いが、そういう時も、2羽はぐるぐる回っている。かなり長い時間回っていた。そのうちに、1羽は退散した。

同じ頃、玄関隣の作業場にツバメ2羽が入ってきた。その夜、2羽が梁の横に停まっている。隣にも帰ってきた。
これで、わが家のツバメ達、2所帯になった。

去年の巣から考えると、あと3所帯は来るはずなのだが。


4/13(土)晴れ・曇り――――――

ちょっと、日がたってしまった。
いろいろあった。まず、先に到着した方のペアのこと。
2羽で、巣に入ったり出たりしていたが、おかしなことに、翌日の8日から、止まり木のところに巣を作り始めた。梁の垂直な平面に土を張り付け出した。過去の例を思い出しても、これは落ちる。
2日間、一生懸命つくっていたが、 10日の朝、落ちた。ツバメも作業を中断して、思案している様子。
ここは、ちょっと手助けしよう。ツバメがいないスキに、板を打って、落ちた土を載せておいた。
帰ってきたツバメ君。様子が変わったので警戒する。止まり木の遠くに止まっている。この日は、それで終り。

翌11日、2羽とも新しい板の上に乗り、ここで巣を作るようにしたようだ。


 
 
(左)巣が落ちて思案の様子    (右)板が付き不思議な様子 

隣の部屋のつがいは、残されている巣には入らず、
新しい板の上に巣を作り始めた。



隣の部屋で巣作りを始めたペア


普通、翌年、巣に帰ってくるのは、自分の巣だから、どちらも昨年この巣で子育てした親ツバメではないのだろう。あるいは、片方(妻?夫?)が新しく、古い家を断ったのかもしれない。これは、玄関ツバメにも当てはまる。

では、ホントはどういう関係か? 興味がある。これはあたらしく 足輪をつけて調べるしかない。


5/2(木)晴れ――――――

連休前の仕事や、資料整理などで追われていたら、ツバメ日記が手薄になってしまった。m(_"_)m謝々。

玄関のつがいは、私が親切に板を打ち付けたのを嫌って、結局、元の古巣に住み着き、子育てをすることに決めたようだ。いらぬ親切だったようだが、巣が落ちなくてこれで安心である。新居の巣の補修も完成し、2羽でイチャイチャ?していた(+_+)
20日頃から、2ペアそれぞれが、抱卵を始めた。一羽が巣の中に入り、一羽が外出する。時々交代しながら、一緒に卵を暖めている。以下は、2ペアの最近の夜の様子である。


玄関の巣の様子

作業部屋の巣の様子

巣の中で1羽が抱卵し、一羽は近くの止まり木や巣の横で眠っている。


5/10(金)曇り――――――

昨日の朝、玄関の巣の下に、卵の殻が落ちていた。初ヒナが誕生したのかもしれない。今日もしばらく見ていたが、ヒナの声が聞こえないので、あるいはまだかもしれない。
ただ、生まれたばかりのヒナは大変小さく、鳴き声もほとんどしない。人間の耳に聞こえるころには、大きくなっているから、昨日生まれたのかもしれない。
この数日間に、殻がいくつか落ちていたら、わかるのだが。普通、4〜6羽生まれる。今年はどうだろうか。
隣の作業小屋の巣では、まだ殻は確認していない。


5/19(日)曇り――――――

昨日朝、玄関の戸を開けるのが遅くなった。親ツバメたちは、玄関の中を2羽グルグル回って、催促する。開けると、2羽とも外へ飛び出す。
これはいい機会だ。すぐ玄関の戸を閉め、巣の中にいるはずの子どもを覗いた。
カメラを構える。ストロボを発光させた。下からは見えないが、小さな子ども頭だけが写った。1羽だった。




6/1(土)晴れ――――――

この北間町に来て、わが家のツバメをずっと見てきたが、今年初めてのことが起きました。玄関の巣にはヒナは1羽、作業場の巣には2羽。こんなに少なかったのは初めて。

1羽だったら、どんな様子になるか? 報告しておこう。
親が巣にエサを持っていってもピーピーと鳴かないのだ。要求しなくてもエサがもらえるので、実に静か。ただ口をあけるだけ。親が虫を口にいれて、外へでていく。静かに、次のエサを待つ。
こんなことは、この家に来て20年、初めてのことです。毎日が実に静か。

それに、もう一つの異常。
玄関で、5日ほど前に、見慣れないツバメがちょっと離れて1羽とまっている。毛がふさふさ、羽根も短い。あきらかに子どものようなツバメだが、かなり大きい。何処からやってきたのだろう……と観察していたのですが、外へいく様子もない。……なんと、玄関の巣から、1羽がもう巣立っていたのです。
例年なら、4,5匹が親からエサをもらおうと争ってピーピーとうるさい。1羽なら争う必要がないので、黙っていてもエサがくる。
2羽の親ツバメが1羽の子どもエサを運んでくるのだから、どんどん大きくなったのだ。肥満のヒナになっていた。そして、静かに巣立った。
この「超」過保護の一人っ子肥満のツバメ君、ちょっと心配である。

ツバメの世界も子沢山は暮らしにくくなっているのでしょうか。
人間社会の少子化現象がツバメ社会にも伝染したのでしょうか?

このツバメ、写真を撮ろうと思っていたら、一昨日からもう巣に帰ってこない。


6/20(木) ――――――

サッカーが始まって、ちょっと更新が留守になってしまった。
この間も、いろいろありました。超肥満児の家族がいなくなったところ、1995年からずっと使われている巣につがいが来た。6月の中頃。その一羽に、見覚えがある。いかにもくたびれたという感じのツバメである。

腹部の色は、普通のツバメは真っ白だが、このツバメは汚れたように薄い黄色の斑点がある。
「わが家のツバメの話」に書いた黄色の足輪の相方である。1995〜2000年の間わが家を訪れたツバメ君の、たぶん最後の年(2000年)に連れ添っていた、と思う。
だとすると、今年で3年目のツバメである。
「ガンバレハンテン」と名付けよう。
「ガンバレハンテン」の相方は、去年のとは違う。
実に立派で堂々とした体格で、羽根の先がピンと張って長い。青春まっただ中のツバメであるのがすぐわかる。おそらく去年生まれたのであろう。大型で力強い。これにも名前をつけよう。「マッチョマン」
「ガンバレハンテン」はたぶんメス。卵を抱えている時間が長い。

作業部屋のツバメ一家は、子どもが2羽だと思ったが、覗くと3羽だった。
こちらもあっと言う間に、巣立った。ただ今、わが家には「マッチョマン」と「ガンバレハンテン」が営巣中。


8/28(水)晴れ――――――

あっと言う間に、8月も終り。マッチョマンとガンバレハンテンが子供を作るかと思っていたが、失敗したのだ。7月に入ってすぐいなくなった。それ以来、ツバメは姿を現さない。日記を書く材料がなくなり、2カ月も経ってしまった。

これからの興味は河北潟のネグラと旅立ちの様子だ。8月28日、河北潟のネグラを見に行った。無数のツバメが、夕方集まってくる。無数というより、数え切れないから、無数と表現しておく。大規模な、葦原は河北潟以外にはないので、おそらく金沢中のツバメの大集合。この日は、午後6時20分〜7時の間。
これから夕方、何日もここへ足を運ぶことになる。


9月からの情報は
【ツバメのねぐらの話/ツバメ帰る日誌】に掲載しました。
2002.9.14


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