「市民参画推進条例」検討への要望と提案



提出/2004.12.19


市民参画・市民フォーラム および条例検討委員会へ
中垣たか子・渡辺 寛(所属団体など省略)

条例検討についての要望と提案


「(仮称)金沢市における市民参画の推進に関する条例」検討委員会を傍聴してきた中で、この条例制定について疑問を感じ、以下のとおり提案をいたします。フォーラムおよび検討委員会で検討ください。

1 条例制定そのものの意味について
 (1) 条例の必要性について
  なぜ このような条例があらたに必要なのか。一番の基本問題に関しての検討がなく、検討 会で委員からも同様の疑問が出されたが、事務局を担当する市民生活部担当課から検討すると述べられるだけで、説明がありませんでした。
 また、市の説明では、来年3月議会で制定、4月1日施行との意向が示されましたが、なぜ制定を急ぐ必要があるのか、明確にされる必要があります。


 (2) 過去の市政参画の検証について
  市民参画をすすめるには、なによりもまず意思形成過程の情報公開が欠かせません。「意思形成過程の情報が十分に公開(提供)」の実態把握や検証がおこなわれていないため、議論が抽象的で単なる理念を掲げるだけの条例になってしまうことになります。

 (3) 既存制度との整合性について
  情報公開制度やパブリックコメント制度等、すでにある制度の運用状況、課題や問題点などで過去様々に議論があり、私どもも何度か意見具申したこともありました。こうした調査・確認する作業が本条例検討では触れられていません。既存制度が十分に運用・活用されていれば、あらたな条例は必要ないのではないかと思われることも多いため、検討会でもそうした面での検証・議論がまず優先的におこなわれる必要があります。
 これによって、本条例の意味が明らかになると思われます。

 (4) 必要な項目を盛り込む必要性
 過去2度の検討会の流れからすると、単なる理念を並べただけの条例となる可能性が大きく、これでは新条例を作る意味がない。市政参画を少しでも推進させるための必要最小限の項目が盛り込まれる必要があるのではないかと感じています。

2 具体的な要望事項
 (1) 市民からの質問、要望あるいは提案等への市の対応について
 現状では、市民から市への要望等に対し、その場しのぎの対応で、ただ聞き置くにとどまっており、多くの場合、回答さえもない。
 市民からの要望等が担当課内でどのように取り扱われたかの経過や、市政に反映されたのか、あるいは反映されなかった場合その理由はどういうことか、市民にきちんと説明する条項をつくること。

 (2) 市民からの施策・企画の提案の保障について
 パブリックコメント制度など、既存の市民参画制度の多くは「案」が出上がってから市民に意見を求めている。これでは「案」そのものに疑問が出されたとき、白紙にもどすことは困難となります。「案」を作成する段階あるいは「それ以前」から市民から施策、企画、意見や質問を受付ける条項をつくること。

 (3) 住民投票条項、少数意見や批判的意見の扱いについて
 市民の間で疑問が出されたり、賛否の分かれる施策に対して、少数意見や批判的意見の取り入れるための制度をつくる必要があります。また重要案件に対し市民の多数意志確認が必要な場合もあり得るため「住民投票制度」が必要です。これは全国の自治体では既に導入され、あるいは検討をおこなっています。
 また外国籍市民の意見、要望が市政にも反映される必要がある。

                                          以 上


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