浅野川洪水についての第三者委員会(局所的豪雨に対応した新たな河川管理検討委員会)が8月25日開かれたとのこと。その委員会に提出された事務局(河川課)からの資料に重要部分で間違いや疑問があるため、犀川の河川整備を考える会とナギの会連名で申し入れ、質問を行なった。まだ県から回答はない。来る29日に第2回の委員会が開催されるとのことである。果たして訂正された資料が提出されるか。
申し入れ、質問の要旨は次のとおり。
1 「等雨量線図(浅野川・犀川流域)」p.15について
時刻を合わせない最大時間雨量は実際には起こっていない現象であり、現実に起こったように誤解を生じる。
2 「降雨のまとめ」p.21について
芝原橋に近い上寺津ダムの雨量は55mmとかなり小さく、「浅野川流域平均での確率評価は、約200年に一度であった。」とは必ずしもいえない。
3 「洪水量の推定」p.34について
浅野川放水路分流量約150m3/s、天神橋基準点流量約600m3/sとあるが、いずれもほとんど誤りである。浅野川放水路分流量は、大桑水位観測局の水位によってわかる。痕跡は放水路小段天端にあり、水深は3.5m、水路底幅は9m。マニング平均流速公式によって、流量を試算すると88m3/sとなる。
4 「出水状況のまとめ」p.38について
「計画を上回る洪水であったと想定され、堤防を越えて氾濫した。」とあるが、おおむね100年に1回の洪水710(田上では615)よりもかなり小さく、想定内の洪水だった。
「犀川(示野橋)でも避難判断水位を上回っていた。」とあるが、この意味は不明。犀川大橋地点でピークは433m3/s(県観測)であり、流下能力1230m3/sの3割強であった。
示野橋地点での流量のピークは487m3/sであり、流下能力820との差は、300以上あった。
5 「堤防漏水箇所」p.51について
発生箇所は、写真のような限定的な箇所ではなく、東蚊爪町から新北寺町までの間、1キロメートルにわたって広範囲に発生している。
県が行った法面での応急措置は、次の洪水で堤防決壊を誘導する可能性があり、補強とは逆効果である。
6 過去の堤防関係資料の「不存在」の危険性について
堤防補強措置に不可欠の資料は、過去の堤防補強の履歴であるが、10年保存期間が切れて廃棄されている。堤防内部の構造、堤防の基礎土壌など、将来の堤防保守管理の基礎資料として保存されるべきである。
7 浅野川浚渫計画を下流域一帯でおこなうべきである
県の浚渫計画は中流域住民から起きている強い怒りを鎮めるためのものでしかない。4年前に県が作った計画にもとづき、下流から順番に河床掘り下げの工事を実施すべきである。
◆申し入れ質問本文(PDFファイル 923 KB)
◆中さん作成添付資料(pdfファイル 167 KB)
◆中さん作成添付資料(pdfファイル 123 KB)
◆辰巳ダムのページへ ◆トップページへ ◆情報公開日誌へ
|