2002.11.12掲載
都市緑化フェア資料公開へ/県から回答あり
遅れた判例がなぜ基準になるのか? 疑問あり
9月25日、県へ公開質問した「都市緑化フェア資料・外部実行委員会資料公開」についての回答があった。この回答によって、これまで伏魔殿のようになっていた外部実行委員会情報が一般県民に公開される道が開かれることになった。
この回答は、郵送で送られてきたため、9月11日(月)、県庁を訪ね、疑問点などについて情報サービスセンター長から伺った。
回答では、こうした資料を公文書として認めていない。その拠り所を「平成14年1月17日岐阜地方裁判所判決」にしているのだが、説明によれば「県とすれば判例というものを無視することはできない。これを基準に考えざるを得ない」とのことである。しかし、この判決は各界から「時代に流れに逆行するもの」と厳しい批判にさらされ、原告も控訴しており、確定判決ではない。また岐阜県は批判を受け止め外部実行委員会資料の公開に踏み切っている。その他いくつかの市がこうした外部実行委員会資料の公開に踏み切っている。
なぜ石川県が、遅れた判決を基準にするのか理解に苦しむ。基準というなら、先進的な先行制度をこそ基準にするべきである。
ともかく、こうした問題を含む回答・県の対応ではあるのだが、この日、緑化フェアのチケット配布などが、正規の条例の手続きに基づいて公開された。
ということは、まだ基準はないが、請求されたものについて個々に判断し、公開していくということなのであろう。
しかしこれは、以前から比べて大きな前進ではあるのだが、かなり苦し紛れの話でもある。条例の趣旨からみればいささか疑問が残る。請求者にとって、どういう資料があるか分からないから請求のしようがないからだ。
私が、この緑化フェアについての資料を請求しようと思ったのは、この日公開されたチケット販売の資料ではなく、「このイベントは都市緑化とは異質のものではないか?」との疑問から「計画の全体」や「個々の緑化計画書」を請求したのだ。しかしまったく資料が整理されておらず、公開されるかどうかも不明であったため、これらを取り下げ、県の問題点の整理などを待った訳だ。
このフェアの全体像をつかむにはこれから公開請求をする必要があるのだが、現実問題、今すぐにあれこれ請求したところで、担当者泣かせになるだけなので、全資料のファイル一覧の作成をお願いした。これがなければ回答に示された「県として保存管理すべき文書と判断」することもできないからだ。またこの一覧がなければ、請求者も困る。
この指摘について、公園緑地課から「年度内に作成する」と返事をいただいた。年度内というのも大変だろうと思うのだが、昨年、河川課が行方不明中の膨大な資料を捜し出し、数千件のファイルを作り上げた実績がある。それに比べれば楽な作業である。目前の箱にあるのだから。担当者の努力を待ちたいと思う。(渡辺 寛@ナギの会)
以下、県からの回答書
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総 第2428号
公緑 第1403号
平成14年11月6日
ナギの会代表 渡辺寛 様
石川県総務部総務課長
石川県土木部公園緑地課長
都市緑化フェア資料の公開と外部実行委員会文書
の管理について(回答)
平成14年9月25日付で質問のあった標記について、下記のとおり回答します。
記
質問1
早急に都市緑化フェア文書の整理を行い、県民からの情報公開請求に対応する必要があるのではないか。
回 答
平成14年1月17日岐阜地方裁判所判決では、県とそれ以外の団体、個人が共同して組織し、県関係者以外の者も構成員となっている組織(実行委員会)が作成し、又は取得した文書は、たとえ当該実行委員会の解散後その事務局を所管していた県庁の所管課などに事実上存在するものであっても、情報公開条例が公開の対象としている公文書にはあたらないとされている。
今回公開請求のあった都市緑化フエア実行委員会の文書は、当該判決に係る文書と同じ性格の文書であり、本県としても現時点では当該文書は条例が公開の対象としている公文書ではないと判断する。
質問2
都市緑化フェア文書の取扱いを文書管理規定上、明確にする必要があるのではないか。
回 答
上記のとおり、現時点においては、公文書としての認識は持っていない。
現在、公園緑地課内に事実上置かれている文書について、県として保存管理すべきであるか否かを今後検討し、県として保存管理すべき文書と判断されたものについては、分類整理した上で、県の公文書として保存管理していきたい。
質問3
県が深く関わった外部実行委員会文書の取扱いを明確にする必要があるのではないか。
回 答
実行委員会は、県、市町村、各種団体、民間団体等が共同して、当該事業を機動的、効率的に実施するため時限的に組織する任意の団体であることから、当該実行委員会が作成し、又は取得した文書については、実行委員会解散後に引き継ぐべき文書、引継先等を実行委員会が判断し、引継先と合意の上、決定すべきものであると考えている。
県が引継先となった場合は、引継後の文書は公文書として石川県文書管理規程等に基づき適正な管理を行うこととなる。
県としては、このことについて、今後庁内に周知していきたい。
質問4
過去の文書管理は必ずしも適正に行われていません。県庁移転を間近にし、必要な公文書が散逸しないよう特別な態勢が必要だと思われますが、いかがでしようか。
回 答
公文書の管理については、日頃適正に行っているところであり、ご懸念されるようなことのないよう、より―層、適正な文書管理に努めていきたい。
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