間伐目標は204本

間伐の進め方

 間伐を行う際に対象とするスギ林をどの程度の間伐するかを決定する方法として
つぎの2方法がある。
 @密度管理図を利用する方法
 A間伐指針の基準表をめやすとして行う方法
 今回は、@の密度管理図を利用する方法で間伐本数等を決定しました。

1,標準地調査
  ha当りの現況の把握のために現地で標準地調査を実施し、平均胸高直径及び平
 均樹高を決定しています。

  今回の調査では、標準地の大きさ           0.04ha
          標準地内の立木本数         76本
          標準地内の上層木立木材績      75本
          標準地内の上層木平均胸高直径平均  15cm
          標準地内の上層木平均樹高      12m
          ha当りの立木本数          1,875本/ha

2,密度管理図
  密度管理図を利用する方法とは、樹高とha当りの成立本数から収量比数(Ry)を
 求め、収量比数を適正な範囲までに下げることにより間伐本数を導く方法です。
  加賀地区では、収量比数を0.60〜0.75に入るように間伐実施することとなりま
 す。
  収量比数とは、ある樹高における最大の材績をRy=1.0とした時の現実の材績の
 割合を示したものである。
  たとえば、樹高12mの時の最大材績(Ry=1.0)は、360m3(図上A)となる。この場合
 にha当り本数5,000本(図上B)となるが、この密度は、マイナスの自然現象の影響
 を受けない場合であり、現実上存在しない林分となります。
  そのために、加賀地区では、収量比数は、Ry=0.75を越えると雪害等の気象害に
 弱いことから、Ry=0.75を越える前に間伐を実施し、Ry=0.65前後になるように密
 度を管理します。

3,今回の密度管理図の見方について
  今回の標準地調査により平均樹高12m、ha当りの立木本数1,875本を導きだせた
 ことから、密度管理図の等平均樹高曲線12m(図上@)とha当たり本数1,875本(図上
 A)の交点を求め、その交点の収量比数を求めるとRy=0.72(図上B)となる。
  Ry=0.72は、加賀地区の収量比数の範囲(0.75>Ry>0.60)の上限に近く、間伐が必
 要な時期と考えられる。
  1回の間伐で動かすRyの数値は、0.10以内とすることからRy=0.72からRy=0.62
 に引き下げると定めることとした。
  等平均樹高曲線12m(図上@)とRy=0.62(図上C)の直線との交点を求める。
  その交点のha当たりの本数を求めると1,400本(図上D)となる。

  ha当りの間伐本数を求めると  1,875本-1,400本=475本/ha
  間伐率を求めると       475本/1.875本×100=25%
  標準地の間伐本数を求めると  475本/ha×0.04ha=19本

4,選木
  間伐率及び間伐本数が決定したら間伐する木を選ぶこととなる。
  密度管理図から計算すると標準地の間伐本数は、19本であるが、標準地内の上
 層木の枯損木は、19本であり、土地所有者の意向(枯損木を整理してもらいたい)
 もあることから、枯損木=間伐木を考えても問題がないと考えられる。
  ただし、間伐は、林分で全体を均等に行う必要があり、枯損木においても集団
 的にあり、伐採の均等性が劣る場合は、枯損木の一部の伐採を延期し、標準地で
 均等になるように再検討を行った。

5,今後の作業
  間伐率25%に基づき、間伐対象林分全体に対し、選木(間伐木にテープを巻く)を
 行い、その選定木が林分全体に均等になっているかを再検討し、問題がなければ、
 間伐を実施する。

  間伐対象林分×ha当たり間伐本数 = 0.34ha×475本/本=204本
  標準地内で既選定済み間伐木    19本
  204本-19本=185本      ―――今後選定すべき間伐本数
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