知事批判招く政治事件に(天狗橋事件その4)



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◆背景に保守二党の確執
◆鶴来高校を台風災害に

【記事の要旨】
 「石川県史」には天狗橋事件に触れた記述は10行に満たない。
 「天狗橋事件の発生は……自由党県支部内の反知事派の勢力を台頭させる契機となった。……真相究明調査特別委員会設置案、知事不信任案を上程。……いずれも民主党側の反対で否決されたが、両党の強調はこれで壊れることになった」
 社会的にも、県政界を揺るがす政治的事件にまで発展したのが天狗橋事件。
 知事は「一切知らなかった」として窮地を切り抜けるが、反知事派を台頭させた。
 県側の弁護士・神保氏は語る。
 「知事は当然知っていた。しかし事故の本当の責任は、知識と経験と未熟だった業者だ。背景に政争がなければ、県の責任はあそこまで問われなかった」。
 鶴木町職員で事件に関わったとされた谷口さんが語る真相。
 「鶴来高校庁舎建設を要望していたとき、ジェーン台風がきた。県から校舎が台風で倒れたことにして災害復旧費を申請せよ、と言ってきた。書類を作った。後日壊れた校舎の写真を添付せよと指示がきた。県から能登島の壊れた建物の写真が送られてきた。その後、天狗橋事件が起きて、厳しく調べられた。天狗橋事件に県が深く関与しているとの心証を強めた。

s61.2.5(縮刷版2月 119頁)

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