第2回金沢市都市景観審議会 報告内容
2005.4.7

諮問はされず事務局からの報告だけ。2人の委員から質問……



議事録内容(駅前整備関連のみ)

(事務局)
 駅周辺整備課の出口でございます。金沢駅東広場の整備についてご報告いたします。まず、整備の基本構想といたしましては、伝統の広場歩行者優先の広場、世界都市金沢の玄関口にふさわしい整備を行います。
 整備方針といたしましては、金沢らしさの創出、充実した歩行空間の確保、バリアフリーの徹底、合理性、機能性に徹した広場に整備してまいります。こちらがJRの金沢駅でございます。こちらがヴィサージュ、こちらが都ホテルになります。広場は、幅170m、奥行き120m、面積として1万9,400平米ございます。今までの広場の約倍になります。広場の正面には大屋根、ガラスドームでございますが、幅80m、奥行き60m、前口30m、面積約3,000平方メートルのガラスドームを設置いたします。その前には、シティゲートを設置いたします。また、各種乗降口につきましては、シェルターを設置いたします。このシェルターにつきましても、屋根はガラスでございます。また、ガラスの中に太陽電池を組み込みまして、地下の照明灯に利用させていただきます。向かって右側のこちらがバス乗り場になります。そして、左側のこちらがタクシー乗り場、こちらが一般車駐車場でございます。一般車駐車場には、ここに2台分の体の不自由な人のための屋根付きの駐車場も設置いたします。歩道部につきましては、周辺にマッチしました御影石の舗装となります。できる限りの植栽をいたしまして、緑の多い広場にも整備したいと思っております。冬場の消雪につきましては、歩道部と一般車につきましては無散水消雪によりまして、人にやさしい広場を目指しております。
 これは広場を正面から見たところでございます。これが大屋根になります。ガラスドームでございます。この幅が先程言った80mですね。一番高いところで、29.5mございます。その前のこれがシティゲートでございます。この柱につきましては、能の鼓をイメージしたデザインとなっております。こちらがシェルターになります。シェルターは有効高で4mございます。
 次、これは大屋根の中からシェルター方向を見たところでございます。これは大屋根の中から一番高いところです。この辺が下から見上げて29.5mございます。構造的にはアルミの立体トラス構造となっております。これも一緒で、ここが天井になります。そしてこちらが壁面になります。
 これは先程の地上の平面図でございます。こちらがjrでございます。バス乗り場、タクシー乗り場、一般車乗り場です。それでここに約300平方メートルの地下への空間を持っております。また、大屋根がこういうふうにかかります。そして、ここに約20mのやはり地下への空間をもっております。地下との連絡通路としましては、コンコースを出ました正面に大階段、ここに中階段、こちらヴィサージュ側、ホリディ・イン側、もう1カ所ここにございます。そして、おのおの5カ所のエレべーターがついております。また、エスカレーターはこことここに整備いたします。
 これは地下の図面でございます。こちら側がJR線でございます。幅80m、総長さ130mございます。面積的には、1万550平米ございます。地下の連絡といたしまして、こちらが現在建設中の県立音楽堂でございます。まず、県立音楽堂との地下通路、ポルテ金沢との地下通路、都ホテルとの地下通路、ホリディ・イン側の通路、こちらの通路、5カ所によりまして周辺施設との回遊性を高めています。また、地下の一番JR寄りに先程言いました20mの吹き抜けのここに池がございます。そして池の中央に大階段、ここに中階段、ここがライトコート等になっております。そして、ここが北陸鉄道浅野川線の地下駅になります。
 地下をゾーン分けしております。こちらがJRでございます。まず、イベントゾーン、待合いゾーン、交流ゾーン、ギャラリーゾーンになっております。また、地下の床につきましては、基本的には30cm角のべ−ジュ系の磁器タイルでございます。その中で、おのおのゾーンごとに広い地下でございますので方向性とか位置の確認のために、10cm角のポイントのタイルを入れております。まず、イベントゾーンにつきましては赤色、待合いゾーンにつきましては緑色、交流ゾーンにつきましては青に黄色のポイントを入れております。
 これは大階段、JR側から見たところでございます。イベントゾーンになります。ポイントとして赤のタイルが入ります。これが柱でございますが、べ−ジュ系の大理石の柱でございます。天井は軽カル板、中央には光天井と言いまして連続した光の照明が続いております。これは大階段でございます。こちら側がJRになります。この上に見えるのがちょうど大屋根のトラスになります。この大階段につきましては幅が5mございます。両側にはエスカレーター、このエスカレーターはお年寄り、体の不自由な人のために、3段フラット方式、下と上が3段フラットになるエスカレーターを設置いたします。また、こちら側にはシースルーのエレべ−ターも設置いたします。そして、ちょうどこの階段を取り囲んだ周りが池になります。また、この周辺につきましては現場テラゾ打ちの仕上げとなっております。
 これは交流ゾーンでございます。床は、青に黄色のポイントのカラーでございます。そして、ここに大型マルチビジョンを設置いたします。また、ここにパソコンの端末を設置いたしまして、いろんな情報がとれる。そして、こういうふうにベンチも設置します。天井は金属板の仕上げになっております。
 これは今のところから階段を見たところでございます。ちょうどこの辺が池になりまして、これがシースルーのエスカレーターになります。そして、この池周りにつきましては、柱はホワイト系の大理石、それ以外はべージュ系の大理石の仕上げとなっております。
 これは今の池を反対側から見たところでございます。ちょうどここにシースルーのエレべ−ターがあって、地下1階から地上へつながります。ここの天井につきましては、漆喰仕上げを予定しています。
 これは中階段でございます。幅が3mございます。このエスカレーターもやはり3段フラット方式を採用いたしました。
 これはちょうどライトコートでございます。ちょうどここが吹き抜けになりまして、ここに植栽を植える予定でございます。
 これがライトコートの中でございます。地上への吹き抜けになっております。
 これは、ホリディ・インへ行く通路でございます。やはり基調色はべージュ系の磁器タイルでございますが、ポイントといたしまして紫色の一部磁器タイルを設置します。
 これは、北陸鉄道浅野川線の地下駅でございます。この地下駅につきましては、3月28日から一般供用開始になる予定ございます。以上でございます。

(八田会長)
 ありがとうございました。いろいろ各ご担当からご報告をいただきましたが、何かご質問はございましょうか。どうぞ。

(川上)
 それではせっかくですので、最後の金沢駅東広場の整備内容について、先程のご説明の中ではバリアフリーの問題にふれられなかったんですが、特に視覚障害者用の誘導ブロックの施設等に対する考え方とか、その辺はどうなっていますか、教えて下さい。

(事務局)
 誘導ブロックにつきましては、黄色の点字ブロックを設置いたします。

(川上)
 するんですか。

(事務局)
 もちろんします。その意匠関係につきまして、現在詳細を詰めている最中でございます。

(川上〉
 非常にデザイン化された床舗装の中で、そういうのが見えなかったので。もし計画するとすれば、一緒にデザイン面も含めて計画しないと、ちょっと変なものになりかねないと思うんですけど。

(事務局)

 基本的には先程のCGにございますように、模様でなくてべージュ系にポイントのデザインでございます。誘導ブロックにつきましては、輝度比の1.8以上という規定の中で、輝度比で表示するか、一番皆さん見やすい黄色ブロックがいいかという中で、今われわれとしましては、やはり一番見やすい黄色いブロックが適切ではないかと考えています。ですから、その辺のデザイン等につきましては、今後十分詰めながら考えていきたいと思っております。

(川上)
 これは意見なんですけど、今のような形で説明されたり計画するときは、そこまで考えておられるんだったら、そういう誘導ブロックだけじやないと思うんですが、それも含めてデザインしてここでも説明されるべきだと思うんですね。それで、私は聞いていて、あまり詳細なことは知らないんですが、視覚障害者用にはそういうトーキングサインを導入するということをお聞きしていたので、それを代替することで誘導ブロックはやめているのかなと思っていたんですが。

(事務局)
 もちろん音声サインにつきましても、極力新しいものは採用していきたいと思っています。ですから当然、音声サインと並行して誘導ブロックも設置いたします。

(川上)
 そうですか。二重にあることは現段階では必要だし、良いと思うんですけど。分かりました。

(八田会長)
 どうぞ。

(櫛田)
 今と同じことでございますけど、私は初めてこういう写真を見せていただいたわけです。前からどういうふうになるんだろうかという危惧は持っておりました。図面も全然見ていませんから、こんな短時間でとても意見は言えないんですが、私の思いだけを申し上げます。
 それは、駅前のああいうところに音楽ホールができたりいろんなことがありますと、非常にハードなスペースになってくる。どうしてもこの装置性、私は装置性というのは都市ではある程度必要だと思います。非常に装置性になってきますと、だんだんこういうふうな自然とか潤いのあるという言葉を言いながら、逆に人工的になってくる。そういうことの中で、特にこういうものを造っていく場合には、ガラスドームがございますね。ああいうものが果たしてどういうものになるのか。それをもう少し考えてみますと、もう少し時間をかけて、こういう会議で今までプラン的なこと、むしろ質感、質感というのは非常に大きな、特に金沢のようなこういう都市においては質感は大事だと思います。だから、よかれと思っていたものが2、3年もすると飽きてしまうということが起こりうる可能性が十分あると思います。
 その例を申し上げます。京都駅に何回も行っているんですけど、最近また3日ほど前に行って来ました。京都駅はあれだけの装置的な京都の駅を舞台と考えまして、大きな階段がございますね。皆さんご承知のように。ああいう類のものが、イベントが開かれているときはいいんですけど、そうじゃないときについては非常に殺伐とした感じがします。特に鉄骨でございますから。できたてには斬新でみんな驚くんですけど、それが3年、4年、5年経ってきますと、そういうことを感じうるんです。それを長年もたすというのは、やはり質感、道路の歩道をどうするか、歩道の質、どういう石を使うとか壁面をどうするか、色彩をどうするかというのは非常に大事なことだと思います。
私の心配事として感じていることを申し上げます。できうれば、もう少し詳細が。せっかくのこういう委員会ですから、デザイン、形、空間がどうなっているのかということを分かるような冊子かなんかを見せていただければありがたい、意見が言えると思いますけど、このスライドだけでは私の感じだけというか、心配事として申し上げることはできないのであります。
 もう一つ、同じことでございますけど、緑化フェアが今年開かれるようでありますけれども、金沢市内で感じておりますことは、やはり人工的なものと自然とのせめぎあいのところで、多少不調和のものにちらちら気付きました。それは、兼六園の中にお茶室ができました。あの周辺を最近見ているんですけど、やはりああいう昔の回遊式庭園と言われる立派な庭園でありながら、人の歩く道、ここから向こうへ行ってはいけませんよというしきたりの敷地であるところと、中へ入っちゃいけませんよという囲い、柵が目につくんです。非常に幾何学的になって、兼六園のああいうものが幾何学的なものになっちゃって、何となくちぐはぐな感じがする。お茶は数寄屋で造られていますが、一歩外へ出るとそういうことになる。時間が長くなりますのでこの辺で。その心配だけを申し上げておきます。できれば、そういう冊子とか写真、透視図であるとかいうものがまとまっているんでしょうから、拝見できればありがたいと思います。いかがでしょうか、見せていただけますでしょうか。

(事務局)
 その件については、事務局の方から若干補足させていただきます。金沢駅東広場の地上部、地下部等を含めまして、これの整備計画につきましてはこの景観審議会とは別に委員会を設けまして、そこでご審議をいただいております。その結果の一部をこうしてご報告させていただきました。その別途の委員会の中にはデザイン、建築の先生もおいでます。たしかに、景観審議会の中でのご報告ということで、本当のさわりだけということで、皆様方がちょっと消化不良を起こすかなと思ってはいたんです。しかし、ここまで話が進んでいるということが一つと、詳細につきましてはまだ検討中というところもありまして、きちんとした形はなかなか今の段階では少し難しい面もあると承っております。またいろんな形での、その検討委員会とは別に委員の皆様方に個人的にお伺いするとかいろんな事をやりながら、できるだけ良いものにしていきたいと思います。
 それから、質感等というお詰もございました。それらについても、その中で十分検討していく予定でございますし、今までもやっているつもりでございます。また別個に機会がありましたら、もう少し詳しいものでご報告させていただければと思っております。以上でございます。

(事務局)
 今、櫛田委員からお話がありましたことをふまえまして、今年開催されます緑化フェア並びに先程説明があった条例関係等々にさせていただきましても、必ずしも今年この金沢の地で開催されるからということで、一過性に終わってはいけない。それが大きい柱としてこのことを機に、やはり県民、国民等々に緑化の取り組み、緑化の必要性をアピールすることが緑化フェアの大きい目的ということも、この機会に考えていきたいと思っておりますし、条例等々の精神もそれでございます。その中で、今ハード的、ソフト的に造ってそこをお使いになられる施設等々にしましても、今のご意見等々も十分にふまえながら、これからのあるべき施設の考え方も十分に折り込んで努めてまいりたいと思っているところでございます。以上でございます。



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