水防計画に重大な変更

掲載更新 2009.6.1

◆公開質問に行ってきました。(6月1日)
公開質問内容はこちら


誰も気がつかない、分からない…!

5月21日(木)、今年度の水防計画を決める県の「防災会議(pdf:17KB)が開かれ、傍聴に行ってきた。
今年度の水防計画は、昨年の浅野川洪水を受け、第三者委員会の提言を盛り込んで作成されたものとのことであった。
会議は例年ながら、会長の谷本知事が進行。委員2名が発言しただけでシャンシャンと終わった。

事務担当者から説明された改訂は2点。

@ 局地的集中豪雨に対応するため、今までの観測点より上流を水位、雨量の観測基準点にし、水防活動迅速化を図る。浅野川では1時間の余裕ができる。

A 国交省が能美市と富山県に設置する「Xバンドレーダー」を利用して高精度で局地的豪雨を予想できる。

@は当たり前のことで、以前から指摘されていたことでもある。

さて、問題はここからである。

家で、この水防計画書を見ていると、昨年度までの水防計画から大きな変更があるのに気がついた。

水防計画に掲載された「重要水防箇所の危険度判定基準」(p16〜,p19)によれば、県管理河川(2級河川)の重要水防箇所の指定基準を大幅に緩和し、昨年度まで採用していた計画高水水位を基準にするのではなく、「既往洪水量(2〜3年に1回程度)の水位」 を基準にして、この水位より低い堤防箇所をAランクの危険箇所と変更した。

これはどういうことを意味するか?

2〜3年に一度に発生する洪水の水位なんてたかが知れている。石川県の全ての河川でAランクの危険箇所はなくなることを意味している。現実として2〜3年に一度、堤防を越えた箇所なんてないはずだ。2級河川のほとんどの堤防は2〜3年確率程度の整備はとうの昔に終わっている。
ちなみに金沢市などの市街地の下水道の整備水準は5年確率である。下水道が溢れる程度よりも小さい洪水の水位を危険箇所の基準にしている。とんでもない錯誤である。

昨年の浅野川洪水を教訓にするならば、従来からの水防基準をより厳しくし、ゲリラ豪雨を前提に150年とか200年確率の水位を決め、堤防高が達していない箇所をAランクにするような計画にするべきであったろう。BランクをAランクに格上げしたり、水防活動の質を高める必要があったはずである。

この問題について、担当者(S課長補佐)に聞いた。次のような返答があった。
「 これまでの基準にすると、石川県全体の河川で溢れることになる。現実対応として、新しい基準のようにした 」 との答え。
これまた大変なことを言っている。現実対応ならば、2〜3年に一度の洪水が実際にあるかどうか、あるいは現実対応とは何かを、実際の洪水をもとに水防計画を立てるべきであったはずだ。

この重大変更は、計画を作った担当グループや河川課長本人たちにも分かっていないのではないかと思われる。おそらく谷本知事も知らないことではないか。

しかし、この基準を作ったものの、犀川の危険箇所浅野川の危険箇所は旧来のまま触っていない。明らかに矛盾である。これが石川県河川課の実態である。こんな職員たちが辰巳ダムを造っている。困ったものだ。

この変更の根拠を調べるため、公文書請求をした(5月27日)。
@ 重要水防箇所判定基準変更(追加)の根拠となる文書
A この決定に関して開かれた部内会議資料
B 新基準による重要度(A、B等)の整合性を示す資料


以下、水防計画より.テキストを紹介する。


今年度(21年)の水防計画より抜粋


5 重要水防箇所 (p16)  →【コピー写真】

5.1 重要水防箇所の定義
 重要水防箇所をは、堤防の破堤、河川からの溢水、はん濫により人命、財産に被害を及ぼすことが想定される箇所で、水防活動を重点的に行う必要のある箇所をいう。

重要水防箇所の危険度判定基準

◆国土交通省管理区間 (昨年まではこの基準で統一されていた)
堤防高(流下能力)
「A」: 水防上最も重要な区間
計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)が現況の堤防高を越える箇所。

「B」: 水防上重要な区間
計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)と現況の堤防高との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。

県管理区間 (p18)  →【コピー写真】
   (今年度この項目が追加されて独自基準となった
堤防高(流下能力)
「A」: 水防上最も重要な区間
既往洪水量(2〜3年に1回程度)の水位に対し堤防高又は断面が不足しているため、河川が溢れる危険性がある箇所で、重大な被害が予想される箇所。

「B」: 水防上重要な区間
既往洪水量(2〜3年に1回程度)の水位に対し堤防高又は断面が不足しているため、河川が溢れる危険性がある箇所


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