岡本芳美先生が問題点を指摘


―― 犀川の河川整備に初歩的間違いあり ――

掲載 2005.10.16
2006.3.25 HTML追加


10月10日に開かれた、河川工学(流出解析)の第一人者・岡本芳美先生を招いてのシンポジウムに参加した。
小生のまとめた概略は罫線以下のもの。(――渡辺 寛)
中 登史紀さんが詳しくまとめたものも紹介。

中さんオリジナル:Word/A4−4頁強
同 A4−4頁にまとめたもの:42KB
追加/HTMLバージョン:これが見やすい)(^_^)v
講師の紹介/シンポジウムの案内

岡本先生 写真メモ
◆県の資料を紹介 / 無法、無能の証明?
元データのもくじ) / (元data:WORD:194KB 空白部分は省略した)


岡本芳美先生 講演内容】 まとめ:渡辺

@ 金沢市という都市の位置
 金沢は他の主要都市と比べ例外的な発達をしている。河川が広がる部分のすぐ下に発達していて、長野市の浅川と似ている。鞍月用水堰上流は治水上重要な箇所で被害を考えれば 1/100(確率年)で少ない気がする。

A ネックの鞍月用水堰上流が1/3という意味
 鞍月用水堰付近が、500m3/秒の流下能力があるという。しかし100年間この箇所から洪水が起きていないのに、現状が1/3(確率年)しか流下能力がないというのは、洪水の解析結果が常識的におかしい。1/3が本当だとするとここから何十回と洪水が起きていなければならない。小学生でも分かること。
 (注:1/3というのは、県が(株)アイエヌエー(INA)に委託した調査報告書に、500m3/秒の流量が1/3(3年に一度発生する規模の洪水量)と計算されている。)

B 基本高水の計算の基本が間違っている
 基本高水の検討が根本から間違っているとしか言えず、議論しようにも出来ない。

C 味噌もマヨネーズも一緒に解析した結果
 洪水をもたらす降雨には、台風型と前線型の二つがあるが、犀川の場合、二つの型、味噌もマヨネーズも一緒に解析した結果、過大な基本高水になったと想像できる。

D 流出解析をやり直すべき
 二つの型を分けた流出解析を行い、その結果の数字で議論すべきだろう。堤防や河道整備をすすめ、最後にダムしか対応策がなければダムは作るべきである。
 流出解析は、(台風が海から上陸する)関東では、大きな洪水をもたらすのは前線型ではなく、台風型であり、また、(台風が山脈に遮られて上陸することの少ない)新潟では大きな洪水をもたらすのは前線型だ。金沢では両方を検討するべきである。ただし、この二つの降雨は異質のものであるから分けて統計解析する必要がある。

E 住民から対案と意見を
 行政から示された暫定計画にも住民がきちんと対案を出し、意見を出すべきだ。

F 行政職員の技術レベル
 行政の河川担当者の技術レベルが低くなっていて、河川のことが分からない職員がほとんど。コンサルタントが作った資料を読めないから、妥当かどうかの判断もできない。

G コンサルタントや学識経験者の仕事ぶり
 コンサルタントは発注者の意図をくんで仕事をする。委員になる学識経験者もそのような人が多い。給金をもらっていて、反対のことはなかなか言えないものだ。肩書きや経歴と本当のことを知っていることとは違う。

H 穴あきダムの欠陥
 辰巳ダムを穴あきにするというが、これは治水対策から見ると欠陥。新潟水害では大谷ダムが穴あきだった。堤防決壊時に、400万トンもの余裕があった。ゲートがあればピークを遅らせて水害にならなかった。
(参考:「原因は大谷ダム?」新潟の水害フォーラム


当日配布資料(準備中)
・「平成15年度犀川総合開発事業(辰巳ダム建設)犀川水系河川整備計画検討業務委託報告書」(株)アイエヌエー(INA)
・「平成15年度二級河川犀川広域基幹河川改修工事(設計)業務委託(その4)」(株)アイエヌエー(INA) 第3章鞍月用水堰上流整備は→(元data:WORD:194KB)