水利権と公文書紛失についての公開質問

掲載 2006.1.23

                                    2006年1月24日
石川県知事 谷本正憲さま

用水の水利権と公文書紛失についての公開質問

ナギの会代表 渡辺 寛   
金沢市******   

前略
 本会は、数年前より犀川から取水される潅漑や都市用水の実態調査を進め、様々な意見や提言を県が設置した委員会(玉井信行委員長)に提出してきましたが、委員会はまともに対応せず、県は委員会の案を元に一方的に基本方針と整備計画を決定しました。
 本会は、その後も用水への流入量の実測調査や県や金沢市の公文書をもとに用水の検証をすすめ、看過できない新たな問題が明らかになったため、河川管理者たる石川県知事に以下の7点につき質問することとしましたので、しかるべき対策と方針を明確にしてください。
 これらは、犀川水系の河川整備や金沢市内の用水のあり様の根幹に関わる疑問であり、文書にて2月7日(2週間後)までに回答をお願いするものです。
(なお、質問の概略は既に水政担当者に提供してあるため、回答の期限については遵守していただきたい。)

その1 公文書紛失について
 河川法第23条(水利権)、24条(土地占用)による更新許認可資料121件の申請書、決済文書、決定文書が紛失(行方不明)していることが判明しました。貴職におかれましては、その原因の究明をおこない、責任の所在を公表すべきだと思います。

その2 送達された認可書について
 更新申請に対して、明らかに間違った原稿段階の書類が申請者に送達されているものがあります。県はその原因の究明をおこない、責任の所在を公表すべきだと思います。

その3 現状回復について
 現状の放置は申請者への権利侵害にもつながり、次期更新事務の支障にもなるため、早急な「現状回復」が必要です。貴職は申請者への説明責任を果たすとともに対策を公表すべきだと思います。

その4 既得水利権量の間違いについて
 犀川水系河川整備計画策定の基礎資料(アイ・エヌ・エー作成)の既得水利権量が間違っています。この間違いは犀川の利水方針や河川維持流量確保計画に密接に関連しているため、水利権量を再調査し、関係する河川整備計画を見直すべきだと思います。

その5 水利権量以上の取水について
 慣行水利権である大野庄用水、鞍月用水、泉用水には、本来の水利権量と推定される取水量の2倍〜4倍以上が日常的に流入しています。これらの放置は明らかに河川管理上の誤りで、整備計画による見直し前に是正が必要だと考えられます。
 慣行水利権は許可水利権とみなされている()ため、貴職は慣行水利権の法的な権利量を確定し、公表すべき責任と義務があると思います。

その6 辰巳用水の水利権について
 辰巳用水からの取水を前提にしている金沢市の駅前周辺整備や石川県のいもり堀復元計画に辰巳用水の水利権は密接に関わっています。
 資料(慣行水利届出書S42)によって、辰巳用水の水利権は土地改良区が主張するように慣行水利権と考えられ、県が許可水利権と扱っているのは錯誤だと思われます。
 兼六園の水使用の法的根拠とともに明確にしていただきたい。

その7 県令の紛失について
 用水の水利権についての理解の混乱は、犀川七ケ用水とよばれる7つの農業用水(寺津、長坂、辰巳、鞍月、泉、大野庄、中村高畠)の取水量は、大正8年4月11日付県令収土第706号の命令が基礎になっていますが、この県令を県が紛失しているためです。各土地改良区の協力によってこの資料の発見と収集の必要が欠かせないと思われます。

注)
 過大な取水量が既得水利権量と錯誤されている元は、昭和40年完成の犀川ダム計画時における農業用水調査に基づいているものと推定されます。これは当時の調査でも本来の水利権以上の流入量がある事実を認めているに過ぎません。水利権量とは全く別のものです。
 また、許可水利権でも、中村高畠用水土地改良区が申請時に添付している計算式は用水路の流下能力を示しているに過ぎないものですが、これを許可水利権の取水量として県が許可を与えているのは同種の錯誤です。
 犀川七ケ用水それぞれの水利権量は、最小0.46m3/秒(寺津用水)〜最大0.84m3/秒(大野庄用水)です。