二つあった県令第1610191号


掲載 2005.11.5  11.23更新

 金沢市内を流れる辰巳用水の水利権について、奇妙なことが発見された。内容の違う同一番号の許可書がでてきたのである。許可書番号は石川県指令金土木第1610191号
 検討していくと、ちょっとしたドラマが見えてくる。以下、事実だけを紹介しておく。詳しくは、新たな資料を入手したうえで追跡したい。

 これらを考える上で、基礎知識として、慣行水利権のことは理解しておく必要がある。
 石川県は、辰巳用水の水利権は許可水利権だと説明し、様々な用水の説明資料にも記載し、これが公式見解である。ところが、辰巳用水土地改良区はずっと慣行水利権だと主張してきた。このおかしい話は◆以前まとめたことがあるので、一読されたい。
  ◆水利権や河川法についてはこちらへ。

内容の違う県令第1610191号
 さて、今回の問題は、先月、現在犀川で確定している水利権の資料を公開請求し、公開された資料18件の中にあった。辰巳用水土地改良区が平成12年3月7日に更新請求し、手続がとられ許可されたものである。この文書は、5年前に公開請求して入手しており、今回も同一のものが公開されると思っていたが、意外にも県令番号が同じで内容の違うものが出てきた。

許可か慣行か?
 この二つの許可書の大きな違いは、3月21日付(左)のものは河川法第23条、第24条で許可され、4月1日付(右)は、第24条のみの許可となっている。このまま素直に理解すると、10日後に先の許可書が取り消され新しく作られたもののように見える。
 河川法第23条が、水利権の本体であるため、この二つの許可書の違いは、辰巳用水が慣行か許可かという違いであって、これまでの県の公式見解とまったく異なる決定が行われていたことになる。決定内容に申請者は不服があれば、法の手続にしたがって訂正することが可能であるが、今回、そのような形跡はない。担当者は「ミスでした」と言うのだが、何がミスなのか? 10日の間に、何があったのか?

不思議がいっぱい
 不思議なことはまだある。
 書類作成のための決裁書類が行方不明なのである。小生が入手している文書も県には保存されていない。どうなっているのか?
(◆参考:不明になっている120件を一括決済した文書

 また、小生が先の文書を入手したのは、平成12(2000)年10月であった(申請9月18日、公開10月17日)。その時点では、当然新しい許可書も存在していたはずである。これも一体どうなっていたのか。

 10月31日、関係書類を公開請求したので、この資料を入手した上で検討してみたい。公開期限は11月14日(月)である。
 (◆この公開が延期になった。期限は11月30日))

 以下の資料は、10日間で変わった、二つの県令第1610191号である。

二つの県令第1610191号
   
クリックで拡大(それぞれGIFファイル・85KB )

内容は次のとおり。いずれも石川県指令金土木第1610191号
平成12年3月21日決定 平成12年4月1日決定
石川県指令金土木第1610191号
        金沢市小立野3丁目*
         辰巳用水土地改良区

 平成12年3月7日付けで申請のあった河川占用継続については、河川法(昭和39年法律第167号)第23条、第24条の規定により次のとおり許可する。
         平成12年3月21日
河川管理者
石川県知事 谷本 正妻


1 河川の名称
  二級河川犀川水系 犀川

2 目的 (工作物の名称または種類)
  用水堰取水施設の用に供する.
  潅漑用以外は兼六園への用に供する

3 場 所
  (右岸)金沢市上辰巳町覗12番27号

4 占用面積
  363.00平方メートル(1箇所)(占用部分は申請書のとおり)
  取水量は Q=0.700m3/S

5 占用の期間
  平成12年4月1日から平成22年3月31日まで

6 占用料は
  免除する。

7 占用期間中次の各号の一に該当する場合は、この指令を取消し、条件を変更し、既設工作物を除去させ、原形の復旧を命じ、又はその占用によって生ずる危害の予防に必要な施設をなさしめることがある。ただし、この場合における損失は補償しない。
(1) 占用目的及び方法がこの指令に反したとき。
(2) 許可後に生じた事実によって必要を認めたとき。
(3) 公益上又は公安上必要を認めたとき。
 上記各項のほかに河川法(昭和39年法律第167号)及び石川県河川規則(昭和40年石川県規則第59号)に定める関係条項を完全に履行遵守しなければならない。
 なお、当該許可は、平成7年4月1日 石川県指令金土木第16−0255号で許可したものの継続許可である。
 この処分について不服がある場合は、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に行政不服審査法の規定により、建設大臣に対して審査請求をすることができる。
石川県指令金土木第1610191号
        金沢市小立野3丁目*
         辰巳用水土地改良区

 平成12年3月7日付けで申請のあった河川占用継続については、河川法(昭和39年法律第167号)第24条の規定により次のとおり許可する。
          平成12年4月1日
河川管理者
石川県知事 谷本 正憲


1 河川の名称及び場所
 二級河川犀川水系 犀川 筋中
 箇所A
 (右岸)金沢市上辰巳町覗12番27号
 河川敷で申請書及び申請書添付の図面のとおりとする.

2 河川占用の面積は 363.00m2
    (0.7・/S 363.00m2)

3 河川占用の目的並びに方法は、用水堰取水施設の用に供する。

4 許可の期間は平成12年4月1日から平成22年3月31(日)までとする。

5 占用料は免除する。

6 占用期間中次の各号の一に該当する場合は、この指令を取消し、条件を変更し、既設工作物を除去させ、原形の復旧を命じ、又はその占用によって生ずる危害の予防に必要な施設をなさしめることがある.ただし、この場合における損失は補償しない。
(1)占用目的及び方法がこの指令に反したとき。
(2)許可後に生じた事実によって必要を認めたとき。
(3)公益上又は公安上必要を認めたとき。
 上記各項のほかに河川法〈昭和39年法律第167号)及び石川県河川規則(昭和40年石川県規則第59号)に定める関係条項を完全に履行遵守しなければならない。
 なお、当該許可は、石川県指令金土木第1610191号で許可したものの継続許可である。
 この処分について不服がある場合は、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に行政不服審査法の規定により、建設大臣に対して審査請求をすることができる。



(※渡辺 注:後段の継続許可云々の記述に「石川県指令金土木第1610191号で許可したものの継続」とあるが、これは間違いではないのか。正式には平成7年石川県令金土木第16−0255番である。作り直した時に間違えたのであろう。類似の間違いが他の許可書にもいくつかある。)