倒壊が心配される北電の鉄塔直下を見た
《鴛原L3 は超々大規模地すべり地だった》

掲載 2006.7.3


鴛原超大規模地すべり斜面を対岸の瀬領の下流から見た
中央の鉄塔が超大規模地すべり斜面の突端に建つ北電の高圧線鉄塔
この斜面の地すべり規模は、土量で 525万m3 である。
これはなんと、辰巳ダム洪水調節容量にほぼ匹敵する。

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瀬領の集落から川面に降りる道がある。降りると広場に出る。
150m×100m、20枚ほどの放棄された水田跡である。辰巳ダム計画で買収が進み、ほとんどが県(国)の所有であるが、3〜4筆の未売却の土地がある場所でもある。
この水田跡には山菜摘みの時期は過ぎ、セリ、ヨモギ、アサツキがのび放題。今は膝まで伸びたこれらを踏み分けて川面に出ると、対岸は鴛原の鉄塔直下である。
川幅は、15mほど。深さは膝くらい。浅瀬は長靴でも渡ることができる。
さて、鉄塔直下の斜面の様子はどうか?
斜面は崩落した土砂や倒木で実に無惨。テレビなどでみる山崩れそのものである(下の写真2枚参照)。
川面との境は、石積みの護岸である。2m程の高さがあるが、斜面に根を残す倒木が川面に垂れ下がっている。この石積み、上流の方は比較的きれいで斜面には倒木はなく、樹木が生えているが、鉄塔直下の石積みはまるで地中からのエネルギーで押し出されたかのように、ゆるい弧を描くように水面側に膨れている。石積みもゆるんでいて、石と石のあいだから草が生え、石積みの様子は一目ではわからない。
もし、この石づみがゆるんでいるとすれば、今年の梅雨か、あるいは秋の台風時に壊れてしまうかもしれない。これが壊れると鉄塔の崩壊の危険は加速する。


鉄塔直下のようす
↓ 鉄塔直下の法面(斜面)は地崩れ進行中で惨憺たる状況

上流方向から撮影
下流方向から撮影

地崩れの土がすさましく、倒木が川面に垂れている。
また、石積み護岸が内部から押し出されゆるんでいる。
上流下流
中央倒木の右の護岸は、石積みが緩み、川面の方に膨れている。
全体に丸く膨れているのがわかる。

キーストーンかも?
上流下流

石積み護岸の下流に石状護岸?が現れる。岩である。
岩(ガン)と呼ばれているが、このガンが動くのか動かないのか。
県は、このガンは不動の基盤岩と位置づけている様であるが、ボーリングなどの調査はなく、動かないという「不動の証拠」はない。
この調査次第で、鴛原の超々大規模地すべりの安全率が大きく変わるはずだ。

規模は辰巳ダムの湛水容量に匹敵する

この鴛原の地すべり斜面は、県の資料でも超大規模地すべり斜面と位置づけられているが、これではまだ不十分。
県の資料で、土量が200万m3以上を「超大規模地すべり地」。土量は、525万m3 とある。この規模はなんと、辰巳ダムの洪水調節容量580万m3にほぼ匹敵する。「超々大規模地すべり地」と呼ぶのが正確だろう。

そもそも、辰巳ダム計画そのものがズサンで、昭和50年から計画がすすみ13年後の調査で初めて、この鴛原の地すべり斜面の存在を確認しているのだ。
これほどの大規模な地すべり地のあるところにダムの湛水池を計画する方がおかしい。計画するにしてもこの地すべり地を避ける必要があったはずだと思うのだが、過去の調査資料の結論は、いずれも「河岸段丘の上部はかつて動いた。しかしダムの湛水は下部でほとんど関係ない」というような意味の結論である。
流域委員会でも地質の専門家の川村教授が参加されていたが、鴛原などの地すべりについての発言はない。もっとも県の資料そのものにこのテーマはない。(◆議事録の抜粋参照)

【県の地質調査資料はこちらに順次紹介していく】
【30年前の地図が現在も使われ「崩壊はない」と結論!】


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