辰巳ダムはとんでもない形

これのどこが環境に優しいの…?!

掲載 2006.10.3

今年3月、アイエヌエーつくば研究所で辰巳ダムの模型実験が行われ、公文書請求で実験映像が公開された。
 (◆詳細な資料を掲載=整理中)
 (◆最終検討委員会の傍聴記を掲載=整理中)

■穴あきの「穴」は1×3m

この新辰巳ダムの穴あきダムはどんな姿になったか? 大あわてで図面をもとに厚紙で小さな模型をつくってみた。3時間かかった。


【自作の全体模型=厚紙で】

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下流右岸からみた全景。文化財辰巳用水の前に、こんな巨大なコンクリート擁壁がそびえることになる。中程の人の大きさと比べてほしい。左が上流で壁はダム堤体。
右端に辰巳用水の取水口がある。ダム上部に1つの穴。下部に2つの穴がある。提体の下部に副ダムが減勢池として作られている。洪水を下流に導く導水壁が両側に建てられている。


通常の穴あきダムはこれで目的は達するのだが、辰巳ダムは辰巳用水へ導水するため、この副ダムから更に穴を開け、通常の河川の流水はここを通る。魚道と称している。これが環境に優しいというメインの「穴」で、通常の犀川本流の姿である。


【副ダムと魚道】
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この「魚道」があるから「環境に優しい」という計画

この穴の大きさは、高さ1m×幅3mとなっている。


【アイエヌエーの模型実験】
計画最大の440m3/秒流れても、魚道から15m3/秒程度で、辰巳用水に影響はないと計算。

穴あきダムの問題はどこにあるか?
辰巳ダム固有の問題や、穴あきダム一般に共通する問題が次第にはっきりしてきたようである。

@洪水減勢のため副ダムが作られダム固有の堆砂や水質問題が発生する。
A穴の存在は流木対策に決め手がない。
B上流では水位変動が激しく斜面崩壊を起こしやすい。
C湛水池の水位変動は中小動物の殺戮を繰り返す。
D下流で中小洪水が減少し河川環境が激変する。
E魚道に魚が遡上するかどうか。ここで魚種が選別される。
F陽炎など川虫の孵化と移動が遮断される。
G生態系についての検討がまったくない。
など、大きな問題を残している。

また、Aの流木対策について本質的な解決方法がない。検討委員会では、玉井委員長自らその事実を認めたような発言があった。
「上流側の山腹斜面の管理も含めて考えないといけない問題」と。
これは、辰巳ダム上流で今後延々と土砂止め、地すべり対策の公共事業が続けられることを意味する。

辰巳ダムは一番安上がりの洪水対策だとされたが、ダムが完成したために、今後延々と上流でのり面や斜面保護工事、地すべり対策工事がが続けられることになる。辰巳ダムは安上がりどころか、とんでもない莫大な税金の投入施設である。
ある意味、業者が辰巳ダムにぶら下がって金をむしり取り続ける構造とも言える。
ダムがなければ、放置するだけで対策の必要のない工事であっても、ダムがあるばかりに対策が必要となる。辰巳ダムは無駄な公共事業の典型ではないのか。
……などを発見できたようである。


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